新型コロナ、6割超の大学受験生に影響。約3割が当初の受験方法を変更、その理由とは?

サマリー

  • 受験生の4人に1人が「大学入学共通テスト利用入試」を受験予定
  • 6割以上の入試計画に「コロナ禍の影響」があった
  • コロナ禍によって約3割が想定していた受験方法を変更
  • 受験方法を変更した理由は「学習の遅れ」「学習時間の不足」

調査概要

夏が過ぎ去り、9月の総合型選抜(旧AO入試)の出願受付開始を皮切りに、2021年度大学受験の出願がスタートしました。新型コロナウイルス感染症の拡大により、オープンキャンパスなども中止やオンライン化が相次ぎ、受験生の情報収集や受験プランに大きな影響を与えています。

新型コロナウイルス感染症は受験生にどの程度の影響を与えているのでしょうか。塾・予備校比較ナビは大学受験を控える現役生に対し、緊急調査を実施。その内容をレポートします。

調査結果

受験生の4人に1人が「大学入学共通テスト利用入試」を受験予定

21年度大学入試で受験生はどのような受験方法を選ぶのでしょうか。調査では「一般入試」が51.3%、「学校推薦型選抜(旧推薦入試)」が40.7%、「総合型選抜(旧AO入試)」が19.4%、そして「大学入学共通テスト利用入試」は24.3%という回答が集まりました。

Q1.あなたが予定している受験の方法について、あてはまるものをすべてお選びください。(n=263)

※複数回答可能。

6割以上の入試計画に「コロナ禍の影響」があった

新型コロナウイルス感染症が大学入試計画に与えた影響を聞いてみると、「かなり影響を受けた」が24.0%、「まあまあ影響を受けた」は38.8%となり、合計すると62.7%の受験生が影響を受けていると判明しました。

「影響は受けていない」と回答した受験生は17.1%にとどまっており、受験生にとって大きなインパクトを与えていることが分かります。

Q2.新型コロナウイルス感染症の拡大は、あなたの大学入試計画にどの程度影響を与えましたか?(n=263)

コロナ禍によって約3割が想定していた受験方法を変更

さらに調べてみると、30.9%とおよそ3人に1人が、想定していた受験方法(推薦や一般入試など)を一部または全部変更したと回答しています。

外的な要因によって前提としていた条件が大きく変わり、当初の予定を変更せざるを得なかった受験生やご家族にとって、21年度大学入試は非常に難しいものとなっているのでしょう。

Q3.あなたはコロナ禍によって想定していた受験の方法(推薦や一般入試など)を一部または全部変更しましたか?(n=165)

受験方法を変更した理由は「学習の遅れ」「学習時間の不足」

受験生が想定していた受験方法を変えざるを得なかった理由とは、何でしょうか?  自由回答で寄せられたコメントをいくつかご紹介します。

Q4.あなたが想定していた受験の方法を変更した理由について、できるだけ具体的にお聞かせください。(スポーツイベントが中止になった、学習時間が十分とれなかったなど)(n=93)

授業の遅れや学習時間の確保

コロナによる休校で授業が間に合わなくなったから

学校の学習が受験に追いつかなくなったから

学習時間が取れなかった。オープンキャンパスに行けなかった

必須受験科目の学習時間が十分取れなかったため

大学の受験方針などの変更

オンライン面接やオープンキャンパスが無くなってきたこと

コロナが今後どうなるかわからないから

コロナによる休校の影響で、内申点を考慮しない大学が増えたから

ただし、ネガティブなものばかりではありません。なかには下記のようにポジティブな理由で変更した人もいます。

周りがあまり勉強できていないことをチャンスと考えたから

将来の夢への気持ちが変わったから

調査手法

  • 調査期間:2020年9月8日~15日
  • 調査対象:2021年度に大学受験をする高校3年生
  • 調査方法:インターネット調査

まとめ

調査結果からは、授業の遅れや学習時間を確保することの難しさが伝わってきました。各大学の方針変更など、自分たちにはどうしようもない理由で、受験のやり方を変えざるを得ない受験生もいることが垣間見えました。

今後の状況次第で、21年度大学入試にはさらなる変更もあるかもしれません。これから大学受験に望む受験生には、そのような変化を敏感に察知し、対応していく力も求められるのでしょう。