第一志望に合格できた塾・予備校、1位「東進」2位「代ゼミ」

サマリー

  • 利用者数、トップは東進。2位の河合塾とで約半数を占める
  • 第一志望合格率、上位は「東進」(38.5%)「代ゼミ」(32.0%)
  • 大学入学共通テスト/センター試験対策が十分にできるのは「駿台」(32.2%)「東進」(31.1%)
  • 第一志望に合格できた理由は? 塾・予備校別の感想・評価

調査概要

大学受験に向けて塾・予備校へ通おう。そう思い立ったとき、あなたはどんな情報を参考に、塾・予備校を選ぶでしょうか。

合格実績、先輩・友人からの口コミ、通学にかかる時間、学費――。いろいろな条件を考慮に入れて比較・検討すると思いますが、利用者の満足度・評価といった表には出てこない情報もあります。

塾・予備校比較ナビでは、2020年に主要な塾・予備校の満足度を調査したランキングを発表しました。それに続いて今回は、先輩たちが通っていた塾・予備校に対してどんな評価をしているかを調査。本記事では利用者数、第一志望の合格率、大学入学共通テスト(センター試験)対策の充実度といった評価軸で主要な塾・予備校をランキングしていきます。

調査結果

利用者数、トップは東進。2位の河合塾とで約半数を占める

18~22歳の学生2400人を対象に、まずは塾・予備校へ通ったことがあるかと聞いてみました。「ある」と回答したのは27.6%、約4人に1人が塾・予備校を利用していました。

Q1.大学受験の勉強のために「塾・予備校」に通ったことがありますか?(n=2,400)

先輩たちは、どこの塾・予備校に通っていたのでしょうか。利用者数が最も多かったのは、「東進ハイスクール/東進衛星予備校」(24.3%)。次いで2位が「河合塾/河合塾マナビス」(24.2%)でした。

東進と河合塾の割合を足し合わせると、48.5%。塾・予備校に通っていた約2人に1人が、このどちらかに通っていたことになります。

Q2.大学受験の勉強のために通ったことがある「塾・予備校」はどこですか。(n=662)

<利用者が3%未満だった塾・予備校>

東京個別指導学院/関西個別指導学院 1.4%
武田塾 1.2%
栄光ゼミナール大学受験ナビオ 1.2%
北九州予備校 1.2%
佐鳴予備校 1.1%
Z会の教室/Z会個別指導教室 0.9%
臨海セミナー 0.9%
秀英予備校 0.9%
明光義塾 0.8%
城南予備校 0.8%
個別教室のトライ 0.6%
早稲田アカデミー 0.6%
増田塾 0.6%
早稲田塾 0.6%
トフルゼミナール 0.6%
ベネッセ お茶の水ゼミナール 0.5%
大学受験STEP(ステップ) 0.5%
市進予備校 0.5%
湘南ゼミナール 0.5%
みすず学苑 0.3%
TOMAS(トーマス) 0.2%

第一志望合格率、上位は「東進」(38.5%)「代ゼミ」(32.0%)

塾・予備校に通ったことで、第一志望に合格することはできたのでしょうか。続いては、利用していた回答者が20人以上いた塾・予備校のみを対象にして、塾・予備校別に「第一志望に合格できた」割合を調べてみました。

すると、「第一志望に合格できた」割合が高かったのは「東進ハイスクール/東進衛星予備校」(38.5%)、「代々木ゼミナール」(32.0%)、「河合塾/河合塾マナビス」(30.6%)だったことが分かりました。

Q3-1.大学受験の勉強のために通った予備校に対して、あなたはどのように評価していますか。|第一志望に合格できた(n=662)

大学入学共通テスト/センター試験の対策が十分にできるのは「駿台」(32.2%)「東進」31.1%)

2021年度の大学入試から、センター試験に替わって大学入学共通テストが実施されるようになりました。これから通おうとする塾・予備校は、大学入学共通テストへの対策が十分にできているか、気になる人もいるかと思います。

今回の回答者にはセンター試験で受験した人も多数含まれていますが、「センター試験/大学入学共通テストの対策が十分にできた」かどうかを塾・予備校別に尋ねたところ、次のグラフのような結果になりました。

Q3-2.大学受験の勉強のために通った予備校に対して、あなたはどのように評価していますか。|センター試験/大学入学共通テストの対策が十分にできた(n=662)

センター試験/大学入学共通テストの対策については、「駿台予備校」(32.2%)、「東進ハイスクール/東進衛星予備校」(31.1%)、「河合塾/河合塾マナビス」(30.6%)の評価が高く、これら3校はいずれも30%以上の先輩たちが「対策が十分にできた」と評価していました。

第一志望に合格できた理由は? 塾・予備校別の感想・評価

塾・予備校に通って第一志望に合格できた先輩たちは、どのような感想・評価を持っているのでしょうか。第一志望に合格するまで、塾・予備校からどのようなサポートを受けることができたのかと聞いてみたところ、次のような回答が集まりました。

東進ハイスクール/東進衛星予備校

東進では、全ての講義が映像授業で行われていたため、自身のペースで講義を進めていくことができ、また入学前の自身の学力に自信がなかったが、様々な講義(初級、中級、上級)レベル別で段階を踏んで学べたため、他の予備校で良くありうる、講義についていけないということが起こらなかった。

月に1回、センター模擬試験が行われ、自身の現在地を知れると共に、大学別の講義も充実しており、その結果、第一志望校の合格につながったと考えています。

模試の数が多かったのは理由の一つなのではないかと思う。記述模試、センター模試ともに月に1回程度はテストがあり、場慣れにつながり、時間配分も余裕を持って行うことができた。

また、志望校別対策という講座があり、第1志望の国立大学と第2志望の私立大学の添削をしてもらうことができ、講師による解説授業も受講できた。赤本の解説は不十分であることが多いことから、講師の説明を聞いてより理解を深められたのはよかった。また、自己採点では見逃しがちだったところを添削機能により補えて多角な視点から問題点を捉えられた。

東進に通って、模試の成績はかなりあがった。通い始めた頃はE判定ばかりであったが、高3では安定してA判定を取れていた。

私が目標としていた大学はいわゆるMARCHと呼ばれる大学群で明治は落ちてしまいましたが中央には受かることができました。

東進は基本的に映像授業を見ながら学習するので自分のペースでどんどん進めて行けるのが非常に便利でした。内容はコースごとに分かれているので必要な物だけを自分で選択できますし、倍速再生を使うことで通常の授業時間よりもかなり速いペースで基礎固めをできたのが合格につながったと思っています。

授業内容に関しても本当に一流講師が選りすぐったものをまとめてあるので効果があったと思います。

私は、人の目を気にしてしまうので自分のペースで勉強を進めたかったタイプです。その点、東進ハイスクールは映像授業で講義形式のものを何度も繰り返しみることができたので自分のペースを守れたのは良かったと思います。なるべく他者の進捗状況を直視しなかったのが、焦りを感じにすんだの良かったと思いました。また、授業自体もCMである通り、おもしろく進むので飽きないと思います。

河合塾/河合塾マナビス

河合塾の講師が全体的に優秀で教材も入試対策に特化していて、また個々の成績に応じてしっかりとカリキュラムを組んでいた。

それでいて校風は締め付けだけではなく割と自由が認められていて、例えば理解している範囲の授業に出席せずに他の範囲を勉強するために自習をするなどの行為が認められていた。それにより拘束や圧迫といった印象を受けることなく伸び伸びと学習に励むことができた。

センター試験や2次試験の対策も充実していた。

チューターさんがいてくださることで、当たり前ですが入館、退館時の挨拶や相談に抵抗なく毎日通うことができました。毎日通うことで生活の一部とするのが大切なことの一つだと思います。

最大のポイントは先生方が本当に丁寧で優しく接してくださったことです。各教科の先生が1人の成績を見てくださっており、今はどの教科に力を入れるべきか、どのように勉強を進めればいいのか、何度も相談に乗ってくださいました。模試が終わるたびに相談に乗って頂き、アドバイスいただいた勉強方法を貫くことで合格できました。

先生方の授業外でのサポートが本当に手厚かったです。気持ちが不安定にもなることが多い受験期の中で、当たり前に質問が出来たり、相談できる環境が整っていることは塾でしかできないサポートだと感じました。ついていこうと思える先生方の私たち生徒に熱心にまっすぐに向かってくださる姿もとても信頼の元となりました。

駿台予備校

やはり群雄割拠の塾や予備校の中でも、随一の東京大学合格者の輩出数だけあり、私のときは20人くらいの少人数制をとっておりました。当予備校のキャッチフレーズでもある、「第一志望は、ゆずれない。」と、受験勉強時の私もまったく同じ気持ちでしたので、少し料金の方がお高いかなーとも思いましたが、親に甘えて通わせていただきました。確かに少し料金は高いかも知れませんが、東大や第一志望だけは絶対に譲れないと思うのであれば、合格率の確度をあげるためにも必要経費だと思います。また、駿台予備校は、タブレットAI教材「atama+」をリリースするなど、ICT学習環境の強化にも力を入れています。atama+を利用すれば、最先端AIの「アタマ先生」が生徒一人一人の弱点を分析し、学力に応じた問題を提示してくれるため、効率的に学習を進められます。そのほかにも、数々の合格実績に裏打ちされた質の高い授業と教材が何よりの魅力です。

1人で勉強する環境が作れず困っていたのですが、駿台予備学校では周りの生徒も真面目で勉強に取り組みやすい環境でした。

授業では基礎からしっかり学ぶことができるだけでなく、分からないところはその場でどんどん質問に来るようにと言ってくださるので、気兼ねなく問題を解消することができます。また、担任の講師の方に受験までの生活の流れや、各学校の傾向・対策などを適宜教えていただけるため、受験直前に焦るということがなく万全の状態で受験に挑めたことが、第1志望に合格した理由だと思います。

代々木ゼミナール

高校の授業では学ばない志望大学の過去問を履修できました。各種予備校が出している予想問題集もありますが、一番の予想問題はやっぱり過去問ですので、大学入試以外の資格試験などでも過去問をしっかりやっておけば合格点に届くんだと実感しました。

自分の解き方や模範解答以外にも、講師の人ならではの解き方などを学ぶことができ、同じ問題を何度やっても新しく学ぶことはあると思います。これから受験生の方もできるだけ早めに過去問に取り掛かるほうがいいでしょう。

当時通っていた高校の授業より面白く(特に英語、地学)その物珍しさと楽しさから講習を結構受けた。当時受講していない授業でも先生方は寛容で興味があれば聴講していい、という風潮もあり、予備校にいりびたっていた。結果的に周囲の受験生の受験に対する姿勢から刺激を受け、中だるみを防げたように思う。

講師の先生の中には志望校出身のかたもいて、大学の話を直接聞けたこともよいモチベーションになったと思う。学校、図書館、予備校、と空気を変えながら勉強できたのもよかった。

四谷学院

第一志望に合格できた一番の理由は、先生方の質が高いことであると思います。それぞれの科目の先生がセンター試験対策に関する情報を幅広く持っており、傾向や対策まで具体的に講義で教えてくださいます。講義は成績ごとにクラス分けされ、自分に合ったレベルの講義を受ける事ができます。個別指導も充実しており、先生と1対1で質問できたことも成績アップにつながりました。

また二次試験対策も徹底的に行ってくれ、面接の練習も何度も行っていただき、その大学の面接の傾向や対策なども教えていただけ、安心して試験に挑む事ができました。

トフルゼミナール

英語学習に力を入れている大学に入学したかったので、上智大学を目指す予備校で受験科目の中でも、英語力強化に評判の高かったトフルゼミナールに入学しました。

当時の自分の実力では、立教大学をターゲットにして勉強していましたので、ARMクラス(青山・立教・明治学院を目指すクラス)に入学しました。

トフルゼミナールに通っているうちに成績がぐんぐん上がり、校内模試では、全部のクラスの中で3位になることが出来ました!

そして、挑戦で受けた上智大学に合格することが出来ました。合格できた理由としては、英語力の伸びが一番の要因ですが、英語の授業を担当してくださっていた先生が特に面白く授業を進めてくださり、予備校考案の英単語1万語を覚えるためのフラッシュカードを作り、楽しく学習できたからだと思います。

TOMAS(トーマス)

第一志望に合格できた要因は講義の質が大変良かったと思います。もともとこの予備校に先輩が通っていて良かったと聞いたのでここに決めたのですが実際本当に良かったとおもいます。センター試験の前の講義も簡潔で短時間にとても内容が詰め込まれており頭に入っていやすいですしわたしにはとても合っていたと思います。自宅での効率の良い勉強のやり方なども親身になって教えてもらったり機会的ではなくとても良くしてもらったと思ってます。

北九州予備校

朝9時から12時間近く勉強させる環境が良かったです。私は自宅学習だとすぐに怠けてしまい、その結果、第一志望校は不合格でした。そこで、気を入れ直し勉強に専念しました。講師の指導も質が高くて、教室の雰囲気もかなり厳かな感じでした。まさに、私の心を洗ってくれたようで感じが良かったです。自習室も私たちが集中しやすいような設計をしてくれたので、かなり助かりました。私が普段から意識すべきことも改めて学べて良かったです。

明光義塾

教室長との面談のさいにとにかく志望校に合格したいのだと伝えたところ、学習内容を絞り、徹底的に志望校対策を行ってくれたのが合格に影響したのだと思います。

志望校合格のため最も自分に合った勉強方法はどんなものか相談したところ、大量の問題を解くのではなく、入試本番を意識して高い集中力で勉強に臨むのがより効果的だと言われました。そこで教わった集中力を持続させる勉強方法を続けた結果、苦手だった国語の長文問題が楽に解けるようになり、偏差値が20以上も上がりました。

また教室長の勧めで給費生試験を受けたため、受験時の雰囲気等がわかり、本番でもほとんど緊張せず試験に取り組むことができたのも良かったと思います。

調査手法

  • 調査期間:2021年3月15日~17日
  • 調査対象:18~22歳の学生 2400人(塾・予備校に通っていた 662人)
  • 調査方法:インターネット調査

まとめ

今回は、第一志望合格率やセンター試験/大学入学共通テスト対策の充実度といった表にはなかなか出てこない情報をアンケート調査で調べてみました。

主要な塾・予備校の中でも、第一志望合格率が頭一つ抜けて高かったのは「東進ハイスクール/東進衛星予備校」でした。第一志望合格率も評価されて、河合塾を僅差で上回り、1位の利用者数になっているのかもしれません。

今回ご紹介した調査では、塾・予備校の他の側面である進路指導への評価なども質問しています。近日公開の別記事で、本記事で取り上げなかった評価軸で作成したランキングをご紹介する予定です。