大学模試の費用はどのくらいかかる?模試を受けたほうが良い理由や無料の模試も紹介

大学受験を控える高校生にとって、模試は自らの現在地を知る貴重な機会です。

模試を通じてわかることは、志望校への合格の可能性だけではありません。学んできたことの定着度や、苦手分野といった自分の学力の現状がわかります。

それを分析すれば、受験本番に向けた対策が立てられるようになるのです。

ただし、大学模試と一口にいっても多種多様です。自分の志望校や目的にマッチした模試を受けるには、種類別の特徴を知ることが欠かせません。

また、塾や予備校が実施する模試は有料のものが多く、繰り返し受けることでかかる経済的負担は少なくないものです。模試にかかる費用を抑える方法も、把握しておきたいところでしょう。

本記事では、大学模試の費用相場や種類、大手予備校が行なっている模試の概要のほか、模試を受けたほうが良い理由について解説します。無料で受けられる大学模試も紹介するので、ぜひお読みください。

大学模試を受けるには費用がかかる?

大学模試を受ける場合、基本的に費用(受験料)がかかります。塾・予備校はもちろん、模試の種類や受験方法によっても金額は変動しますが、おおよそ5,000~1万円程度が相場です。

例えば、東進の「共通テスト本番レベル模試」の受験料は5,500円、河合塾の「早慶レベル模試」の受験料は9,300円です。

この記事の後半で、大手予備校が提供しているさまざまな模試の受験料を紹介しています。
詳しくは後述の「大手予備校が行なっている大学模試を紹介」をご覧ください。

なお、一定の条件を満たしている場合、無料で模試を受験できるケースもあります。細かい条件は、塾・予備校の公式サイトやチラシに記載されているため、申し込む前に確認しておきましょう。

詳しくは後述の「無料で受けられる大学模試もある」で解説しています。

大学模試の種類

大学模試は、大きく分けると以下の3種類があります。

  • マーク模試
  • 記述式模試
  • 大学別模試

それぞれの特徴や受験時の注意点を詳しく解説するので、模試を選ぶ際の参考にしてください。

マーク模試

マーク模試とは、共通テストや私大入試を想定したマークシート方式の問題で構成された模試です。選択肢が4~5個用意されており、正解の番号を塗りつぶす形で回答します。

機械を使って一括採点する性質上、マーク模試は受験人数が多い試験で採用されています。そのため、マーク模試を受ければより正確な偏差値や全国順位を把握できるでしょう。

また、マーク模試は問題数が多いという特徴があります。マーク模試を受験する際は、スピーディーに問題を解いたり、塗りつぶす場所を間違えないように注意したりすることが必要です。

マーク模試は4択なら25%、5択なら20%の確率で正解できます。解けない問題があっても空欄にせず、番号をどれか1つ必ず塗りつぶしましょう。

記述式模試

記述式模試とは、国公立大学の二次試験や私大の学部別試験で多い、記述式問題を想定した模試です。マーク模試と違い、受験生はおもに文章や数式などを書く形で解答します。

記述式模試では、今までに学んできた知識をもとに、問題に対する解答を自分の言葉でアウトプットする能力が求められます。

そのため、マーク模試よりも難易度は高めです。英作文、数学の証明、現代文の要約など、問題の種類は多岐にわたります。

大学別模試

大学別模試とは、特定の大学の入試に特化した、「冠模試」と呼ばれることもある模試です。マークシート方式と記述式の両方があります。

すべての大学ごとに模試が用意されているわけではありません。大学別模試があるのは、東京大学・京都大学・大阪大学といった難関国公立大、慶應義塾大学・早稲田大学・上智大学などの難関私大が中心です。

大学別模試を受ける人の多くは、同じ大学を志望する受験生です。そのため、大学別模試を受ければ、受験者層における自分の立ち意識を把握しやすいといえます。

大学模試を受けたほうが良い理由

では、受験生はなぜ大学模試を受ける必要があるのでしょうか。大学模試を受けたほうが良い理由としては、以下の4つが挙げられます。

  • 自分の実力がわかる
  • 苦手分野を把握できる
  • モチベーションを維持できる
  • 受験本番のシミュレーションができる

この4つの理由について詳しく解説します。大学模試を受けるべきか迷っている方は、ぜひご確認ください。

自分の実力がわかる

大学模試を受ける最も大きなメリットの一つは、現時点での自分の実力を測ることができる点です。模試の結果を見れば、得意分野と苦手分野を客観視したうえで、重点的に勉強すべき分野を把握できます。

また、全国の受験生と自分の成績を比較でき、自分の順位や偏差値がわかるのもメリット。合格までに偏差値をいくつ上げるべきなのか知ることができるので、より綿密な学習計画を立てるのに役立ちます。

そうした客観的なデータに基づけば、現実的な進学先を選択できるようにもなるでしょう。

苦手分野を把握できる

大学模試を受けると、自分の実力がわかるとともに、苦手分野を明確に把握できるようになります。
自分一人で勉強しているだけでは、苦手分野を正確に認識することは困難なもの。

ですが模試を受ければ、点数や正答率という明確なデータによって自分の苦手分野がわかります。得意科目における苦手な単元まで、細かく調べることも可能なのです。

例えば、自分が間違えた問題で、受験者全体の正答率が高かったとしましょう。
この場合、周りの受験生の多くは正解していたわけですから、その部分が自分にとっての苦手分野です。正答率が高い問題を落とすようだと、志望校合格は遠のいてしまいます。

本番では確実に正解できるよう、その問題を丁寧に復習すべきだといえるでしょう。

また、特定の分野における自分の得点率が極端に低い場合は、その分野全体が苦手だということがわかります。徹底的に復習しましょう。

モチベーションを維持できる

「志望校の合格判定を上げる」「この科目は〇点以上取る」などの目標を、大学模試を受ける際に設定することで、勉強へのモチベーションを維持しやすくなります。

模試での成績が向上すれば、大学受験に対する自己効力感が増し、さらにモチベーションが高まるでしょう。

一方、成績が落ち込んでしまった場合でも、それが刺激となって学習意欲の向上につながるケースはあります。

自分の偏差値や苦手分野を併せてチェックすることで、目標達成に向けてやるべきことが見えてくるため、モチベーションアップにつながるでしょう。

受験本番のシミュレーションができる

大学模試を受験すると、入試の雰囲気や緊張感などを体験できます。大学模試は、実際の試験とほぼ同じ形式・条件で実施されるためです。

試験直前の体調管理や会場までの移動も含めて、受験本番のシミュレーションを行なうことが可能です。

大学模試では試験時間も厳格に計られるので、時間配分や解答順を考える機会にもなります。

また、入試に向けては、周りの受験生が発するペンの音や咳払いなど、本番ならではの音に慣れる必要もあります。それを実践形式で体験できる場として、大学模試は欠かせないといえるでしょう。

関連記事:模試の「志望校」はこうやって選ぶ! 時期別に志望校の書き方を解説!

大手予備校が行なっている大学模試を紹介

大学模試は全国各地にある予備校が実施していますが、どれを選ぶべきか迷う方には以下の大手予備校が行なっているものがおすすめです。

  • 東進
  • 河合塾
  • 駿台
  • 代々木ゼミナール

各予備校が実施している模試の概要を解説しますので、ぜひ参考にしてください。

東進の大学模試

東進の大学模試の強みは、理系科目をはじめ問題の質が非常に高いという点です。

また、ほかの予備校と比べて模試の成績分析の情報が多く緻密なので、現時点での実力や苦手分野を的確に把握しやすい点も見逃せません。

さらに、東進の大学模試の特徴の一つが、12大学全42回の大学別模試による模試の数の多さです。
これは2022年における調査において、予備校全一の数だと言われています。

なお、受験者の大半は東進ハイスクールの生徒です。受験者の数が少ないため、偏差値や順位に関するデータの信憑性はやや低めであることを頭に入れておきましょう。

2024年度に実施される東進の大学模試の種類と対象者、開催日、受験料は以下のとおりです。試験会場はおもに東進の校舎です。

模試名対象開催日受験料(税込)
共通テスト本番レベル模試受験生
高2生
高1生
第1回 : 2024/2/18(日)
第2回 : 2024/4/28(日)
第3回 : 2024/8/18(日)
最終 : 2024/12/15(日)
5,500円
大学合格基礎力判定テスト受験生
高2生
高1生
第1回 : 2024/5/12(日)
第2回 : 2024/9/22(日)
第3回 : 2024/11/17(日)
第4回 : 2025/2/16(日)
6,200円
早慶上理・難関国公立大模試受験生第1回 : 2024/5/19(日)
第2回 : 2024/7/21(日)
第3回 : 2024/9/15(日)
第4回 : 2024/11/24(日)
最終 : 2025/1/26(日)
6,000円
全国有名国公私大模試受験生第1回 : 2024/5/19(日)
第2回 : 2024/7/21(日)
第3回 : 2024/9/15(日)
第4回 : 2024/11/24(日)
最終 : 2025/1/26(日)
6,000円
東大本番レベル模試受験生第1回 : 2024/6/2(日)
第2回 : 2024/8/25(日)
第3回 : 2024/10/13(日)
最終 : 2025/1/25(土)・1/26(日)
6,600円
高2東大本番レベル模試高2生
高1生
第1回 : 2024/6/2(日)
第2回 : 2024/8/25(日)
第3回 : 2024/10/13(日)
最終 : 2025/1/25(土)・1/26(日)
3,300円
京大本番レベル模試受験生第1回 : 2024/6/16(日)
第2回 : 2024/8/4(日)
第3回 : 2024/10/6(日)
最終 : 2025/1/25(土)・1/26(日)
6,600円
北大本番レベル模試受験生第1回 : 2024/6/16(日)
第2回 : 2024/10/20(日)
6,600円
九大本番レベル模試受験生第1回 : 2024/6/16(日)
第2回 : 2024/8/4(日)
第3回 : 2024/10/6(日)
6,600円
東北大本番レベル模試受験生第1回 : 2024/6/23(日)
第2回 : 2024/10/6(日)
6,600円
名大本番レベル模試受験生第1回 : 2024/6/23(日)
第2回 : 2024/9/1(日)
第3回 : 2024/10/20(日)
6,600円
阪大本番レベル模試受験生第1回 : 2024/6/23(日)
第2回 : 2024/9/1(日)
第3回 : 2024/10/20(日)
6,600円
医学部82大学判定テスト受験生第1回 : 2024/6/30(日)
第2回 : 2024/10/27(日)
6,600円
神戸大本番レベル模試受験生第1回 : 2024/7/7(日)
第2回 : 2024/11/17(日)
6,600円
一橋大本番レベル模試受験生第1回 : 2024/7/7(日)
第2回 : 2024/11/10(日)
6,600円
東京科学大本番レベル模試受験生第1回 : 2024/7/7(日)
第2回 : 2024/11/10(日)
6,600円
千葉大本番レベル模試受験生2024/11/10(日)6,600円
広島大本番レベル模試受験生2024/11/17(日)6,600円
高校レベル記述模試(高2)(高1)高2生
高1生
第1回 : 2024/7/28(日)
第2回 : 2024/12/8(日)
5,500円

関連記事:東進が秋の全国統一テスト申込受付を一斉開始 締め切りは11/1

河合塾の大学模試

河合塾の大学模試は予備校業界においてとてもメジャーな存在で、すべての受験生が受けているといっても過言ではありません。受験者数が非常に多いので、偏差値や順位の信憑性も高いといえます。

また、ほかの予備校の模試が本番よりやや難しめに作られている一方、河合塾の模試は標準的なレベルにまとまっていることが特徴です。そして、解説も充実しています。

2024年度に実施される河合塾の大学模試の種類と対象者、開催日、受験料は以下のとおりです。

模試名対象開催日受験料(税込)
全統共通テスト模試高3生
高卒生
第1回:2024/5/5(日)
第2回:2024/7/28(日)
第3回:2024/10/20(日)
公開会場受験・リスニングあり:
8,600円
公開会場受験・リスニングなし:
7,500円
自宅受験:
6,900円
全統プレ共通テスト高3生
高卒生
2024/11/17(日)公開会場受験・リスニングあり:
8,600円
公開会場受験・リスニングなし:
7,500円
自宅受験:
6,900円
プライムステージ 高3・卒生高3生
高卒生
2024/4/21(日)公開会場受験:
8,100円
各特定大オープン高3生
高卒生
2024/8/4(日)~2024/11/3(日)の期間中、大学別に開催公開会場受験:
9,300円
早慶レベル模試高3生
高卒生
2024/9/29(日)公開会場受験:
9,300円
全統記述模試高3生
高卒生
第1回:2024/5/12(日)
第2回:2024/8/25(日)
第3回:2024/10/6(日)
公開会場受験・自宅受験:
7,400円
全統記述高2模試高2生2025/1/26(日)公開会場受験・自宅受験:
6,900円
全統共通テスト高2模試高2生2025/2/2(日)公開会場受験・リスニングあり:
8,200円
公開会場受験・リスニングなし:
7,100円
自宅受験:
6,500円
全統高2模試高2生第1回:2024/5/19(日)
第2回:2024/8/18(日)
第3回:2024/10/27(日)
公開会場受験・自宅受験:
6,200円
プライムステージ 高1生高1生2024/10/13(日)公開会場受験:
7,300円
全統高1模試高1生第1回:2024/5/19(日)
第2回:2024/8/18(日)
第3回:2024/10/27(日)
第4回:2025/1/26(日)
公開会場受験・自宅受験:
6,200円

駿台の大学模試

駿台の大学模試は難易度が高めで、難関大学を志望する受験生の多くが受けています。
問題は難しく、やや癖があるともいわれるため、ほかの予備校の模試より偏差値が下がることも珍しくありません。

一方、解説はかなり充実しているので、学力向上を狙いたい受験生に適しています。

2024年度に実施される駿台の大学模試の種類と対象者、開催日、受験料は以下のとおりです。

模試名対象開催日受験料(税込)
駿台atama+共通テスト模試高3生
高卒生
第1回:2024/5/12(日)
第2回:2024/7/21(日)
公開会場受験:
7,500円
オンライン受験:
3,000円
駿台全国模試高3生
高卒生
第1回:2024/6/2(日)
第2回:2024/9/29(日)
公開会場受験:
7,400円
駿台・ベネッセ大学入学共通テスト模試高3生
高卒生
第1回:
2024/9/8(日)
第3回:
2024/11/3(日)
公開会場受験:7,500円
※別途返却料600円
第2回駿台・ベネッセ記述模試高3生
高卒生
2024/10/13(日)公開会場受験:
7,400円
※別途返却料600円
駿台atama+プレ共通テスト高3生
高卒生
2024/12/8(日)公開会場受験:
7,500円
オンライン受験:
3,000円
大学別入試実戦模試高3生
高卒生
2024/8/10(土)~2024/11/17(日) の期間中、大学別に開催公開会場受験:9,300円
高2駿台全国模試高2生第1回:2024/6/9(日)
第2回:2024/10/6(日)
第3回:2025/2/9(日)
公開会場受験:
6,200円
高1駿台全国模試高1生第1回:2024/6/16(日)
第2回:2024/10/20(日)
第3回:2025/2/16(日)
公開会場受験:
6,200円
高2アドバンスト
<Z会・駿台共催>
高2生2024/11/3(日)公開会場受験:6,200円
高1アドバンスト
<Z会・駿台共催>
高1生2025/1/26(日)公開会場受験:6,200円

代々木ゼミナールの大学模試

代々木ゼミナールの大学模試は受験者数こそ少ないものの、大学別模試が充実しています。難易度は本番と同程度で、問題の質がかなり高いという特徴があります。

2024年度に実施される代々木ゼミナールの大学模試の種類と対象者、開催日、受験料は以下のとおりです。

以下の模試はすべて、代々木ゼミナールの大学受験科生、高校メイト会員であれば無料で受験できます。(高2生・高1生対象の模試は高校メイト会員が無料で、大学受験科生は該当しません)

模試名対象開催日受験料(税込)
大学入学共通テスト入試プレ高3生
高卒生
第1回:
2024/8/11(日)
第2回:
2024/11/24(日)
一般生、講習会・セミナーメイト生、模試メイト生:
7,500円
高卒メイト会員:
7,000円
東大入試プレ高3生
高卒生
第1回:
2024/7/13(土)、7/14(日)
第2回:
2024/11/16(土)、11/17(日)
一般生、講習会・セミナーメイト生、模試メイト生:
7,200円
高卒メイト会員:
6,700円
京大入試プレ高3生
高卒生
第1回:
2024/7/21(日)
第2回:
2024/11/10(日)
一般生、講習会・セミナーメイト生、模試メイト生:
7,200円
高卒メイト会員:
6,700円
名大入試プレ高3生
高卒生
2024/6/16(日)一般生、講習会・セミナーメイト生、模試メイト生:
7,200円
高卒メイト会員:
6,700円
九大入試プレ高3生
高卒生
2024/8/4(日)一般生、講習会・セミナーメイト生、模試メイト生:
7,200円
高卒メイト会員:
6,700円
東北大入試プレ高3生
高卒生
2024/8/18(日)一般生、講習会・セミナーメイト生、模試メイト生:
7,200円
高卒メイト会員:
6,700円
阪大入試プレ高3生
高卒生
2024/8/18(日)一般生、講習会・セミナーメイト生、模試メイト生:
7,200円
高卒メイト会員:
6,700円
早大入試プレ【代ゼミ・駿台共催】高3生
高卒生
2024/10/20(日)一般生、講習会・セミナーメイト生、模試メイト生:
7,200円
高卒メイト会員:
6,700円
慶大入試プレ【代ゼミ・駿台共催】高3生
高卒生
2024/11/4(振・月)一般生、講習会・セミナーメイト生、模試メイト生:
7,200円
高卒メイト会員:
6,700円
北大入試プレ高3生
高卒生
2024/11/10(日)一般生、講習会・セミナーメイト生、模試メイト生:
7,200円
高卒メイト会員:
6,700円
全国高2共通テスト模試高2生第1回:
2024/9/15(日)
第2回:
2025/3/2(日)
一般生、講習会・セミナーメイト生、模試メイト生:
6,700円
全国高1共通テスト模試高1生第1回:
2024/9/15(日)
第2回:
2025/3/2(日)
一般生、講習会・セミナーメイト生、模試メイト生:
6,700円

無料で受けられる大学模試もある

前述のとおり、模試には有料のものが多い一方、無料の模試もいくつか存在します。

無料で受けられる模試としては、以下の3つが代表的です。

  • 全国統一高校生テスト
  • 大学入学共通テスト トライアル
  • 大学入学共通テストチャレンジ

それぞれの模試について、詳しく説明します。

全国統一高校生テスト|東進

東進 全国統一高校生テスト 公式ページより

全国統一高校生テスト」(以下、統一テスト)は、東進ハイスクールなどで知られるナガセが実施している無料の模試です。

この模試は、共通テストのレベルを体験できるというもので、2024年度の実施日は、6月9日(日)と11月4日(月・休)です。高校3年生はもちろん、高校1・2年生、高校生レベルの学力を持った中学生(高0生)も受験できます。

統一テストは、厳正実施(統一実施日での会場実施)にこだわっていることが特徴です。そのため、本番さながらの緊張感を持って受験できます。
会場は東進ハイスクール・東進衛星予備校の各校舎などで、全教科マーク式で行なわれます。

「君だけの診断レポート」と呼ばれる成績表が、試験実施後、なか5日で返却されます。成績表を見れば設問ごとの正答率がわかるため、自分の結果と照らし合わせて、今後どのように学習を進めていくべきかを判断できます。

また、自身の志望校に合格した先輩が、毎回の模試を通じどのように成績を伸ばしていったのかを表すグラフも、確認可能です。

そうしたデータも活用すれば、目標に向けた勉強の進み具合をつかむのに役立つでしょう。

大学入学共通テスト トライアル、大学入学共通テストチャレンジ|河合塾

予備校大手の河合塾は、無料で受けられる模試として、「大学入学共通テスト トライアル」と「大学入学共通テストチャレンジ」の2種類を提供しています。

河合塾 大学入学共通テスト トライアル 公式ページより

大学入学共通テスト トライアル(以下、トライアル)は高校1・2年生が対象です。以下の教科のオリジナル問題を使って試験が行なわれます。

  • 国語
  • 英語(リーディング、リスニング)
  • 数学(ⅠA、ⅡBC)

この模試は、会場ではなく自宅で受験するものです。申し込むと、自宅に問題冊子と解答用紙が届きます。

決められた期間内に取り組み、解答したマークシートをスマートフォンなどで撮影してデータを送信すれば、受験は完了です。

最短でテストの3日後から個人成績表がWeb上で確認できるほか、講師による解説講義もオンラインで見られます。

2024年度の受験推奨日は11月10日(日)ですが、11月11日(月)~11月25日(月)の期間中でも受験可能です。

河合塾 大学入学共通テストチャレンジ 公式ページより

もう1つの無料で受けられる模試が、大学入学共通テストチャレンジ(以下、チャレンジ)です。トライアルと同じく高校1・2年生が対象の模試です。

トライアルとは違い、チャレンジの場合は、自宅のパソコンやタブレットなどから受験サイトにアクセスし、Web上で解答します。

また、問題はオリジナルではなく、実際の大学入学共通テストと同じ問題を使用します。そのため、公表された問題や解答を受験前に見ていないことが前提です。

受験期間は、共通テストの直後に設定されています。2024年の大学入学共通テストは1月13日(土)~14日(日)に実施され、チャレンジの受験期間は1月14日(日)~16日(火)でした。

また、1月17日(水)~1月21日(日)の期間中でも、各自の自由な時間に受験することができました。

個人成績表は、1月16日(火)までに受験すれば1月17日(水)から確認可能(2024年の場合)。試験の翌日には採点結果を知ることができます。

また、すべての受験者の採点が終わったあと、大問別・設問別分析や、受験者全体のなかでの順位がわかります。

トライアルとチャレンジの違いをまとめると、以下のとおりです。共通テストのイメージをつかむために、受験を検討してもよいでしょう。


大学入学共通テスト トライアル大学入学共通テストチャレンジ
対象高校1・2年生高校1・2年生
開催期間11月1月中旬
(共通テスト終了直後~)
問題の内容国・英・数の河合塾オリジナル問題共通テストで実際に出題された問題
受験方法申し込み後に届く冊子と解答用紙を使って解答し、その内容を撮影してデータを送信する自宅からテストのサイトにアクセスし、Web上で解答

条件付きで無料になる大学模試も

以下の塾・予備校では、条件を満たせば無料で受けられる模試があります。

  • 代々木ゼミナール
  • 臨海セミナー

ただし、受験にあたっては注意すべき点も。無料になる条件と併せて事前によく確認してから、受験の申し込みをするとよいでしょう。

条件付きで無料の模試の注意点は?

模試の費用が無料になる条件の例は、「生徒や会員に限る」などです。無料で受けられる条件に該当しているのであれば、積極的に活用するとよいでしょう。

ただし、条件付きで無料になる模試は、広く参加者を募る無料の模試と比べて、受験者数が限られる場合があります。

そのため、志望校の合格可能性や弱点などを正確に分析できないおそれがあることにも留意しましょう。

なかには、生徒や会員を増やすために、あえて費用を無料にしているケースもあります。そうした模試の場合、受験後に入塾の勧誘をされる可能性も否定できないため、どう対応するのか、事前に検討しておいたほうがよいかもしれません。

代々木ゼミナール

代々木ゼミナールでは、以下の区分の生徒は模試を無料で受けることができます。

  • 大学受験科生(大学受験科の在籍生)
  • 高校メイト会員(年間または学期の、高校生対象講座の受講生)
  • Y-SAPIX生(難関大学・学部への現役合格を目指す、代々木ゼミナールと同グループ内の進学塾に通う生徒)

また代々木ゼミナールは、高校1・2年生が自宅からオンラインで無料受験できる模試として、「高1・高2 共通テストチャレンジ」を提供しています。大学入学共通テストの実際の問題を解くという形式です。2024年の推奨受験日は1月14日(日)で、1月15日(月)~21日(日)の期間中にも受験が可能でした。この模試は、代ゼミマイページに登録すると無料で受験することができます。

臨海セミナー

学習塾の臨海セミナーは、オリジナルの「大学受験スタート模試」を無料で提供しています。

対象は、臨海セミナーの生徒ではない高校1・2年生です。英語、数学、国語のなかから科目を選択し、最寄りの臨海セミナー、あるいは自宅で受験します。

この模試は、高校生が入試対策を本格化させる前に、基礎学力の定着度や弱点を確認できるようにすることに重きを置いています。

最寄りの教室で受験した場合は面談も用意されており、自宅受験の場合も、希望すれば学習面談を実施してもらえます。

過去問なら無料で受験体験できる

センター試験や共通テストの過去問を活用して、無料で受験を体験する方法もあります。模試ではありませんが、費用を抑えつつ取り組めるという点では、活用する価値はあるでしょう。

大手の過去問データベースを利用しよう

大手予備校では、過去問のデータベースを用意しているところがあります。

例えば東進の「大学入試問題 過去問データベース」は、1995~2024年(最大30年分)の大学入試センター試験・大学入学共通テストをはじめ、各大学の入学試験をデータベース化したもの。過去問として利用することが可能です。

東進 大学入試問題 過去問データベース 公式ページより

閲覧するための会員登録は無料。東京大学や京都大学などの主要な国公立大学から、早稲田大学や慶應義塾大学などの私立大学まで、190大学分の問題と解答を費用負担なしで閲覧できます。実際の入試問題を体感するチャンスとして、大いに活用するとよいでしょう。

まとめ

大学模試は、現状の自分の力を試したうえで弱点を見極め、本番に向けた対策を立てる絶好の機会となります。入試本番の雰囲気を体感する場としても有効です。

ただし、有料の模試ばかりを受け続けると経済的な負担がかかるもの。そこで、無料の模試も組み合わせれば、費用を抑えながら経験値を上げていくことが可能です。

無料で閲覧できる過去問を積極的に使って、実際の入試問題を体験するのもよいでしょう。

大学模試はバリエーションが豊富で、模試を実施する予備校によって受験料が異なります。試験形式や特徴、難易度も模試によって違いますので、事前に公式サイトなどでチェックして自分の志望校や目的に合った模試を選びましょう。

費用を上手に抑えながら、模試を通過点として大学合格というゴールを目指し着実に学習してください。