東京都立大学に合格するなら基礎固めと記述力が重要! 入試の特徴から出題傾向、おすすめの塾・予備校まで解説

東京都立大学(以下、都立大)は以前「首都大学東京」という名前でしたが、2020年4月から現在の名称になりました。東京唯一の公立総合大学で、7つの幅広い学部を持ち、高い人気を誇ります。

そんな都立大に合格するためにはどのような対策をすればよいのでしょうか。この記事では都立大の入試の仕組み、偏差値や難易度、出題傾向と対策方法を解説しています。

最後にはおすすめの塾・予備校を紹介しますので、都立大を受験する人はぜひ参考にしてください。

都立大の入試制度や偏差値・難易度は?

まずは基本情報として、都立大の入試の仕組みや難易度を知っておきましょう。

都立大はどんな学生を求めている?

都立大では、以下のような「求める学生像」を設定しています。これは全学部共通のアドミッション・ポリシーとなっています。都立大を受験する際は心得ておきましょう。

  1. 知的好奇心にあふれ、未知のものにチャレンジする人
  2. 独創的な発想に富み個性豊かな人
  3. 人とのかかわりを大切にし、社会に貢献する人
  4. 向上心が強く努力を惜しまない人

また、学部ごとにもアドミッション・ポリシーが掲げられています。ホームページの「各学部のアドミッション・ポリシーと選抜方法」から、志望する学部のものを確認しておいてください。

都立大の入試制度とは?

都立大の一般選抜では、全ての学部・学科において前期日程・後期日程で試験を実施しています。

前期・後期ともに2段階選抜を実施。第1次選抜は大学入学共通テスト、第2次選抜は都立大独自の試験を受けます。

共通テストは足切りとなり、以下の基準によって決まった合格者のみ、2次試験を受けられます。

  • 前期日程
人文社会学部
法学部
理学部
都市環境学部(都市政策科学科を除く)
システムデザイン学部
学科別の募集人員の約6倍を合格者数とする。
経済経営学部
都市環境学部 都市政策科学科
入試区分別の募集人員の約6倍を合格者数とする。
健康福祉学部学科別の募集人員の約5倍を合格者数とする。
  • 後期日程
人文社会学部
法学部
経済経営学部
理学部
都市環境学部
システムデザイン学部
学科別の募集人員の約14倍を合格者数とする。
健康福祉学部学科別の募集人員の約30倍を合格者数とする。

必然的に、2次試験の倍率は前期なら5~6倍、後期なら14倍(健康福祉学部は30倍)程度になります。

また、都立大では一般選抜の他にも「学校推薦型選抜」や「総合型選抜」をはじめとした多様な入試を行っています。特に都市環境学部・健康福祉学部では、学科の講義・演習を活用した「ゼミナール入試」など面白い入試も行われますので、受験できるものがないかチェックしてみてください。

都立大の偏差値・難易度はどれくらい?

東進のデータによると、都立大の偏差値は、おおむね58.0~65.0程度です。学部や学科によって少し差があるものの、難易度としてはGMARCHと並ぶ難関レベルと言えるでしょう。

一般選抜の倍率を見てみると、2022年度は多くの学部で4.5~6.0倍ほどでした。後期日程は募集人数が少ないため、さらに倍率が上がり10倍を超える学部・学科も珍しくありません。このことから都立大は人気のある大学だと分かります。

また、共通テストでも70~80%の得点率が必要となる学部がほとんどです。共通テスト対策も抜かりなく行いましょう。

都立大の出題傾向と必要な対策とは?

ここからは都立大の2次試験について、出題の特徴と対策をお伝えしていきます。

2次試験では英語は出題されない

都立大では、2021年度より、2次試験の「英語」を廃止しています。これは学部学科・前期後期を問わず共通です。そのため、英語に関しては共通テスト対策を入念に行いましょう。

ただし、人文社会学部人間社会学科の後期日程だけは、英語の論文を読んで日本語で小論文を書く問題が出題されます。

理系数学は頻出分野を押さえる! 文系数学は基礎を完璧にしよう

理系数学は、全体的に幅広い分野から満遍なく出題されますが、近年では数学Ⅲからの出題が多い傾向にあります。数列、ベクトル、微積分、複素数平面などが頻出分野なので、重点的に対策してください。証明問題も多く出題されるため、記述力も高めておきたいところです。

また都立大の2次試験は、文系でも数学を選択することができます。文系数学でも幅広い分野から出題されますが、中でも「確率」は頻出です。難易度は基礎~標準レベルなので、全ての分野において基礎レベルを固めておきましょう。

国語は論述のボリュームが多め

都立大の国語は、記述問題が多いことが特徴です。現代文では、文章全体を読み数十字~100字程度で記述させる問題が出ます。最後の大問では、400字以内で論述する、小論文に近い問題が毎年出されるため要注意。かなり文字数が多いので、予備校で講師に添削してもらうなど、小論文向けの対策を行ってみてください。

古文でも、文法や単語などの基礎的な問題に加えて、論述問題も出題されます。話の筋や筆者の主張を理解しないと解答できないため、話の流れを的確に掴めるようにしましょう。

都立大合格を目指すためにおすすめの塾・予備校3選

最後に、都立大を目指す受験生におすすめの予備校を3つピックアップしました。ぜひ予備校選びの参考にしてください。

東進ハイスクール・東進衛星予備校

東進ハイスクール・東進衛星予備校(以下、東進)は、2022年度は都立大に305人の合格者(現役生のみ、講習生含まず)を輩出するなど、確かな実績のある予備校です。

「高速マスター基礎力養成講座」では基礎項目を効率的に覚えられ、共通テスト対策や基礎固めにぴったり。都立大合格に欠かせない基礎力を付けるためにも、ぜひ受講しておきましょう。自宅や外出先からもオンラインで受講可能なため、隙間時間に学習ができるのも魅力的です。

また、「過去問演習講座」は都立大の全学部に対応していて、小論文の演習も可能です。ただ問題を解くだけではなく、プロによる採点・添削・解説授業まで受けられます。都立大志望者の受験勉強の仕上げに受講をおすすめします。

さらに東進では、さまざまな模試も行っています。年5回実施される「早慶上理・難関国公立大模試」は都立大のレベルに対応しているため、積極的に受験してみてください。

河合塾

北海道から沖縄まで全国に校舎を持つ、大手予備校の河合塾。2021年度は都立大に425人もの河合塾生が合格しています(河合塾グループ関連法人の在籍者および講習受講生の集計、現役・浪人の両者含む)。

河合塾の授業は基礎から発展まで幅広いレベルに分かれているため、苦手を確実に潰せます。共通テスト対策も充実していることはもちろん、「国公立大現代文論述」「国公立大古典論述」など、論述問題の多い都立大の2次試験対策に役立つ講座も。

また、国公立受験では共通テスト対策と2次試験対策を並行して行っていくため、計画性が重要となります。河合塾では一人ひとりにチューターが付き、常に学習計画を見直しながら進められる点も安心です。

四谷学院

都立大を受けるのであれば、共通テストから特徴的な問題の2次試験まで、細やかな対策が必要です。そのため、必要な部分を重点的にカバーできる個別指導も視野に入れるとよいでしょう。

四谷学院では「55段階個別指導」を導入しています。基礎レベルから徐々に段階を上げていき、実践演習を積み重ねることで解答力を身に付けていくため、じっくり理解を深められます。マンツーマン指導のため、記述問題や証明問題の添削も丁寧に行ってくれるのもポイントです。

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