通信制高校でも大学受験はできる? 合格を目指すなら予備校に通おう!

さまざまな事情から、昼間に学校へ行き授業を受ける全日制高校ではなく、通信制を選ぶ高校生は多くいます。通信制高校では働きながら、あるいは夢のために勉強しながらなど、それぞれのペースで単位を取り卒業を目指すことが可能です。そんな通信制高校に通う人の中には、大学進学を希望している人もいるでしょう。

実のところ、通信制高校は大学受験のカリキュラムを用意していないことが多く、全日制よりも大学進学のハードルが高いと言えます。そこで選択肢の一つとなるのが「予備校に通うこと」です。予備校は大学受験のための専門機関なので、受験に向けてしっかりと対策ができます。ここでは通信制高校に通いながら大学進学を目指す方へ、予備校に通うメリットやどのような予備校が合っているかを解説しましょう。

通信制高校から大学に行くことはできる?

文部科学省が2020年に発表した「高等学校通信教育の現状について」によると、通信制高校に通う高校生は全体の5.9%。1クラス30人とすると、クラスで1~2人が通信制高校に通う計算になります。通信制高校に通う人は決して少なくないのです。しかし大学に進むことを考えると、通信制ではどうしてもハードルが高いと言えるでしょう。同じく文部科学省の発表によると、全日制の大学等進学率は55.5%であるのに対し、通信制は18%にとどまっており、大学進学率が低いことが分かります。

確かに通信制高校には、自分のペースで学習していけるというメリットがあります。しかし、大学を受験する場合は独学では限界があるでしょう。そこで考えられる対策が、予備校や塾に通うことです。

通信制高校生が予備校や塾に通うメリット

予備校や塾に通うことでどんなメリットがあるのか、続いてご紹介します。

大学受験のプロにサポートしてもらえる

通信制高校でも、スクーリングの日に先生から指導を受けることはできます。しかし、通信制の先生は大学受験の経験が浅いことが多く、十分な指導を受けられない可能性があります。

一方、予備校は大学受験をする人が通う場所ですから、講師・スタッフにも受験のプロがそろっています。自習室など集中して勉強できる環境も整っていますし、最新の過去問などの資料も入手できます。

しかし、予備校の授業はある程度の基礎知識がある前提で進んでいきます。もし基礎学力に不安があるのであれば、予備校ではなく塾に通って大学受験を目指すという手もあります。予備校と塾の違いについてはこちらの記事を参考にしてください。

時間を有効活用できる

全日制高校に通っている場合、昼間は学校に行かなければならず、夕方~夜にかけて予備校に通うことになります。しかし、通信制高校の場合は昼間にたっぷりと時間が取れる人もいます。

通信制高校生は学校のレポートなどの課題を早めに終わらせ、残った時間を受験勉強に充てるといったように、時間に融通が利きやすいと言えます。昼間の空いた時間は、予備校の自習室に行ったり講師に質問したりして有効活用しましょう。

受験勉強のモチベーションが上がる

予備校に通わずに独学で受験勉強することももちろん可能ですが、モチベーションを保つことがどうしても難しくなってきます。特に通信制高校では大学受験をする人が少ないので、励まし合う友達やライバルがいないこともあります。

一方、予備校には大学受験という同じ目標に向かう仲間が多く通っています。勉強を教え合う友達を作ったり、同世代の受験生と一緒に学んだりすることで良い刺激を得られます。

通信制高校生が予備校を選ぶポイント

それでは、通信制高校生はどんな予備校を選べばいいのでしょうか? 通信制高校で単位を取りながら予備校に通う場合、気を付けたいポイントが二つあります。

一つ目は、昼間の時間が空いていることです。通常、予備校の授業は全日制の高校生に合わせて夕方~夜の時間帯に開講されています。しかし、中には通信制高校生向けのコースや、オンラインで好きな時間に映像授業を受けられる予備校もあり、昼間から授業を受けることも可能です。自分の学習ペースに最適な予備校・コースを選びましょう。

二つ目は、基礎学力が十分でない可能性があることです。多くの場合、予備校の授業はすでにある程度の知識がある人を対象としています。ところが、通信制高校では受験レベルの学習ができないことも多いので、予備校の授業についていけない可能性があります。そのような人の場合、個別指導を受けることもおすすめです。個別指導であれば自分のペースで無理なく学習を進められますし、分からないところがあればすぐ講師に質問できます。

通信制高校に行きながら通えるおすすめの予備校

ここでは、通信制高校に通う方におすすめの予備校を4校ご紹介します。ぜひ参考にしてください。

東進ハイスクール・東進衛星予備校

東進ハイスクール・東進衛星予備校(以下、東進)は、毎年多く現役での難関大合格者を輩出している予備校です。全国から選りすぐられた一流講師陣の講義だけでなく、サポート体制も充実しているので、通信制高校に通う方にも大変おすすめできます。

例えば、通信制高校に通っている方の場合、現時点での学力や学習の進捗状況を分析し、勉強内容や勉強量などについてアドバイスをしてくれる人が、身近にいないことも少なくないと思います。しかし、東進には「合格設計図作成システム」というサービスがあり、現在の学力から志望校合格までの道のりを描いてくれます。

合格設計図作成システムでは、過去の現役合格者のデータから東進独自の合格ラインを導き出し、志望校合格のための目標を設定します。そして、現時点での学力を踏まえ、目標を達成するために受講が必要な講座の一覧を表示します。そのため、志望校合格のために何をどれだけ勉強すればいいかが一目で分かります。

他にも、通信制高校に通っている方の中には、ライバルや学友がおらず、勉強へのモチベーションを保ちにくいという悩みをお持ちの方もおられるでしょう。しかし、東進には他の学生とグループミーティングする機会があり、予備校生同士で交流を深めながら切磋琢磨できる環境が整っています。

普段身近に、大学受験に詳しい先生や、共に大学合格を目指す学友を得難い通信制高校の場合、このような手厚いサポートを提供している予備校を選ぶのが望ましいでしょう。

河合塾(河合塾COSMO・河合塾サポートコース)

河合塾は大手予備校でも珍しく、通信制高校生向けのコースを用意しています。

「河合塾COSMO」は、通信制高校、高校中退・不登校から大学進学を目指せるコースです。講座は「基本講座」と「大学受験講座」の二つのレベルに大きく分かれており、プロの指導のもと学力を伸ばすことが可能です。生徒一人ずつに担当スタッフが付き、勉強のことだけでなく進路や生活、メンタル面の相談にも乗ってくれます。校舎は新宿校・名古屋校のみであることに注意してください。

一方で「河合塾サポートコース」は、通信制高校生・高卒認定試験生を対象としたコースです。基礎の学習から大学受験を目指すことができ、無学年制となっているため学年を超えて自分の実力に合った講座を選べます。授業は午前9時30分~午後5時40分までの時間帯に行われるため、昼間の時間を活用できるでしょう。校舎は大阪校のみです。

代々木ゼミナールフレックスサテライン

代ゼミの講師は、業界屈指の難易度とも言われる採用試験をクリアしたプロです。代ゼミフレックス・サテラインでは、そんな講師陣による講座を年間2000以上ラインナップしています。

基本的には代ゼミ校舎に行き、好きな時間に映像授業を見て学習を進めていきます。一部の講座は「モバサテ」というシステムに対応しており、スマホ・パソコン・タブレットを使って自宅から受講できます。ただし、モバサテに対応している講座はかなり限られています。

サポート体制も充実しており、質問があれば校舎スタッフに聞けますし、用紙に記入して提出すると「サテライン・フェロー」(各科目に精通した専門スタッフ)が回答してくれるサービスもあります。しかし、決まった担当スタッフが付いたり、積極的に学習サポートをしてくれたりする制度はありません。代々木ゼミナールフレックスサテラインは、一人でも学習計画を管理でき、コツコツと進めていける人に向いています。

明光義塾

明光義塾は日本最大規模の個別指導専門塾で、一人一人の学力に合わせた受験対策が可能です。授業は「大学受験対策」と「定期テスト対策」の目的別に分かれており、基礎から力を付けられます。定期的にカウンセリングが行われ、学習の進捗やテストの結果を見ながらサポートを受けることができます。

また、インターネットを活用して個別指導を受けられる「オンライン個別指導」サービスも始まっています。自宅から明光義塾の指導を受けたい人はこちらを利用しましょう。

ただし、明光義塾の講師は大学生のアルバイトが多いということは頭に入れておいてください。大学受験や大学生活についてリアルな意見が聞ける反面、プロ講師と比べるとどうしても指導の質は落ちてしまいます。