大学受験の社会は「地理・歴史・公民」に分かれ、歴史は日本史・世界史から選べます。日本史を選択する人の中には、「カタカナが苦手だから」「世界史のほうが覚えることが多そうだから」と考えている人もいるかもしれません。しかし、日本史も世界史も難易度は変わらないと言われており、しっかりとした対策が必要です。
日本史の点数を上げるためには、塾や予備校に通うと効果的です。それでは実際、どんな塾・予備校に通えばいいのでしょうか? この記事では、日本史の成績を上げられる塾・予備校の選び方を解説します。
塾や予備校で日本史を学ぶメリットって?
「日本史は暗記科目だから、塾や予備校はいらない」と思っている人もいるのではないでしょうか。しかし、塾や予備校で日本史を学ぶことには大きな意味があります。
「日本史は世界史より楽だ」と思っている人は、その考えを捨てましょう。世界史で暗記すべき単語は約5000語だと言われていますが、覚える量は日本史もほぼ同じです。楽かどうかではなく、「自分が学びたいか」「大学に入った後も知識を生かせそうか」を基準に選ぶといいでしょう。
世界史は世界各地で起こったことを並行して覚えなければなりませんが、日本史は日本国内の歴史に限られる点で大きく異なります。世界史と日本史、それぞれに学び方のコツがありますから、そこを押さえて勉強していくことが大事です。
確かに日本史は暗記科目ですが、ただ暗記すればいいというわけではありません。歴史を学ぶときは、出来事や人物の名前を覚えることももちろん重要ですが、まず流れを理解する必要があります。「なぜその出来事が起こったか」「その人が何をしたか」という内容を合わせて覚えなければ、点は取れないのです。
ひたすら単語を暗記するだけであれば、独学でも構わないでしょう。しかし、この「流れを理解する」ことは独学だとなかなかつかめません。塾や予備校に通ってプロの日本史講師に習うことが、流れに沿って歴史を理解できるようになる一番の近道です。
日本史の成績を伸ばせる塾・予備校を探すには?
日本史の成績を上げられる塾・予備校を探すには、どんなポイントをチェックすればいいのでしょうか。ここでは二つのポイントをご紹介します。
ストーリーとして面白く教えてくれる講師を探す
歴史科目を苦手だと感じている人の多くは、「暗記がつらい」と思っているのではないでしょうか。しかし、先述した通り、日本史・世界史はただ暗記するだけではなく、歴史の流れの感覚をつかむことが重要です。
よく「日本史選択の人は大河ドラマを見たほうがいい」と言われます。これは大河ドラマを見ることで、ストーリーとして歴史を理解できるからです。塾や予備校で講師の話を聞くときもこれと同じことが言えます。良い講師は日本史の流れをドラマのように面白く語ってくれるので、頭に入りやすいのです。
通う塾や予備校を選ぶときは、「授業が面白かったかどうか」を判断の基準にしてもいいでしょう。後ほど評判の良い日本史講師を紹介しますので、まずは体験授業などを受けてみてください。
志望校対策ができるところを選ぶ
難関大学を目指すのであれば、学校で習う基礎レベルの知識だけでは不十分です。早慶上智や難関国立大では、教科書に載っていない用語が出題されることや、論述が必要となることもあります。このような大学を受ける人は志望校対策をしっかりと行いましょう。
大手予備校のホームページには講座ラインアップが掲載されています。日本史の講座を検索し、志望している大学の対策ができる講座を探してみてください。
また、授業の中で実際の出題傾向を解説してくれる講師はおすすめです。「ここは試験で出やすい」「ここは20XX年の○○大学の入試で出た」など、具体的な入試情報を教えてくれるかどうかもチェックしましょう。
大手予備校の日本史講座の特徴とは? 実際の口コミもあわせてチェック!
大手と呼ばれる予備校は毎年数万人もの受験生が通い、多くの合格実績があります。これらの予備校にはどのような日本史講座があるのでしょうか。実際に通った先輩たちの口コミもご紹介します。
東進ハイスクール・東進衛星予備校
東進ハイスクール・東進衛星予備校では、映像授業を中心に学習していきます。分からなかったところを巻き戻したり、一時停止して調べ物をしたりできるので、着実に勉強できます。
「ベーシック」「スタンダード」「ハイレベル」とレベル別に講座を選べるので、自分のペースで理解を深めることが可能です。論述対策、東大対策、早慶大対策といった講座も充実しているので、目的に合った講座を取りましょう。
予備校において日本史を学んで良かったところは2点あります。
1点目は、「つまらない」「学ぶのが苦痛だ」と感じていた日本史という科目の楽しさに気づくことができたということです。もちろん学校でも日本史を学んでいたのですが、淡々と要点を説明する授業でした。予備校で受けた日本史の授業は、歴史を物語のように語りながら要点を抑えていくので、まるで読書をしているように参考書を読み進められました。
2点目は、結果として偏差値が大幅に伸びたということです。
自分は、とにかく暗記科目が苦手でした。中でも歴史科目は登場人物や年号なども桁違いに多く、似たような名前の人物や戦争などの出来事がやたら多く、頭になかなか入っていきませんでした。
教わった講師の方はメディアにもよく出ていてテレビで見たまんまの面白い先生でした。教えてくれる語呂合わせだったりがとても覚えやすく、前よりも頭に入りやすく、残りやすくなりました。
やはり、弱点を克服しようと思って予備校に通うので、積極的に疑問点を質問出来たり、意欲が強くなるのが一番の変化であり、通ってよかったなと思う点です。
河合塾
河合塾は業界最大手と言われる予備校ですが、日本史講座の数はそれほど多くありません。高3生・関東の講座を見てみると、6種類の講座が開講されています。レベル別授業などはないものの、「東大日本史」「早慶大日本史」がありますので、これらの大学を目指す人はチェックしてみてください。「日本史論述」では1回150分の授業で、添削を受けながら重点的に論述対策ができます。
また、テキストがとても分かりやすいと評判が高いことも河合塾の特徴です。
日本史の記述式問題を克服したいと考え、とにかく丸暗記だけの学習方法を改善しようという想いから、評判が良かった河合塾を選択しました。
歴史的な背景を考えれば、たとえ何時代でも同様の人間模様が見えてくるという講師の言葉に感銘し、関連付けて時代ごとの様相を理解することができました。
予備校では独学ではなかなか習得できない過去問の傾向まで教えてくれる可能性が強いので、日本史をメインにしたい方はおすすめです。
前期から後期の前半はテキストに沿って、時代の流れ、ポイントを説明。これが非常に頭の中の整理になった。復習で該当する箇所の入試問題を解くのですが、これもまた、非常に役にたちました。
また、文化などテーマ別にテキストが記載されている項目もあり、自分自身の頭の中を整理するために非常に役立った。勉強はこのテキストと志望校の過去問題を解くだけで何とかなったと思います。あまりいろいろ手を出さずに済んだところが1番のメリットだったかと思います。
ただ単語や年号などといった知識を詰め込むのではなく、時代背景や土地勘なども含めてイラストなどを使ってわかりやすく説明をしてくれる。また、一言一言がためになるので、それをテキストにしっかりメモしていくだけで色々な参考書に手を出さなくても復習がしっかりできるようになる。
文章で答えなければならない国立や私立の上の方を受験する人はもちろんのこと、知識勝負である私立を受験する人もただ暗記するよりしっかり脳に焼き付けることができるので非常におすすめである。
私はセンター試験で日本史を受験するために受講していたので、特に正誤問題などの選択問題で成績を伸ばしたいと思っていました。
先生は授業中、私達がいかに楽しく勉強できるか、しっかりと覚えられるかを考えて授業をしてくれました。試験に直接関係ない話も豆知識として教えてくれたりしたので、授業中に集中力が切れることが全くありませんでした。
テキストは時系列順に要所要所で太字が使われていたり、重要なポイントにしぼって書かれていたので、テキスト丸々覚えればテストは満点取れるんじゃないかというほど分かりやすかったです。
河合塾マナビスの映像授業で日本史を受講しました。基本的な講座の流れは一つの時代区分やまとまりのある範囲の基本的な流れを説明するというものでした。
良かったところはポイントになる部分を強調してくれたり、授業に載っている以上の記憶する助けになるような裏話を挟んで説明してくれたりと受講していて楽しい授業でした。悪かったところはテキストが最初にほぼ出来上がっている状態で自分で書き込みをするタイプでしたので、シンプルで単調なテキストを見るよりは教科書を読んだほうがストーリー性があるので良かったと思いました。ですが、講座ではここが受験で出るという部分が分かりやすく強調され、その説明に沿ったテキストが作成されているので、すぐにポイントを見直したり思い出したりしたいときにテキスト+自分の書き込みで簡単に要所を見直すことができたので良かったです。
この講座は映像授業ですので周りの受験生が気になる方は向いていると思います。まじめすぎる授業ではなく、少し雑学などユーモアがある先生が好みの方に合うと思います。
駿台予備校
駿台予備校は、講師の質が高いという口コミが目立ちます。体系的に分かりやすく歴史を教えてくれますので、基礎から日本史をやりたい人にもおすすめと言えるでしょう。
高3生・首都圏の講座をチェックしてみると、「スーパーα日本史」「スーパー日本史」のほか、「スーパー早慶大日本史」があります。また、全3回の短期講座として「東大日本史演習プラス」「一橋大日本史演習プラス」がありますので、これらの大学を受ける人は駿台を検討してみるといいでしょう。
私は、駿台予備校で福井紳一講師の授業を受講していました。
福井講師の授業を受けたことで、用語集に掲載されている知識が線でつなぐことができ、論述力が上がりました。結果として日本史は一番得意な科目になりました。
福井講師は、とにかく体系的な理解を重視します。すでに知識として知っている事件が「なぜ」起こったのか、そして、それが次の時代にどう影響するのかを教えてくださいます。
板書をとる授業ではなく、講師の仰ってることをひたすらメモするという授業形式ですが、合わない方もいるかもしれません。しかし、受講する側に高度の集中力が要求される結果、復習の負担がなくなりますし、なによりも話を聞く力もつきます。
あとは、自習の時間で、一問一答などで知識を補充すれば、完璧になります。
予備校では、浪人1年間でいかに効率的に学習を進めるかを考え、そのカリキュラムに沿った指導方法で進めてくれます。私自身は現役時代にほとんど勉強をしてこなかったため、本当にこの1年にかける思いで予備校に入学し、勉強を進めました。
日本史に関しては、あらためて時代の流れを把握し、それぞれの年代で試験で狙われやすいポイントを一つずつ抑えていくことを心がけました。予備校の指導方法としてもそのような形態だったと思います。
日本史の有名講師がいる予備校を選ぶ
どこに通うか迷っているなら、有名な講師がいるところを選ぶという方法もあります。ここでは日本史の有名講師を4人紹介します。各予備校のホームページで、授業のサンプル動画を見てみてください。参考書などの著書を出している先生も多いので、本を買って相性をチェックしてみてもいいでしょう。
金谷俊一郎先生(東進ハイスクール)
金谷先生は、日本史用語の意味と時期を重点的に解説し、歴史の本質を理解できる授業が評判です。大学に入った後の研究にも役立つ知識を盛り込んでいるので、特に史学を学ぼうと思っている人におすすめです。
話題になった東進のCMやテレビ番組にもよく出演しているので、顔を知っている人も多いかもしれません。「日本史B一問一答」シリーズ、「金谷の日本史 『なぜ』と『流れ』がわかる本」シリーズなど、多数の著書があります。
竹内良元先生(河合塾マナビス)
映像授業を行う河合塾マナビスで、特に評判の高い日本史講師が竹内先生です。身体を大きく動かしながら教えてくれるので分かりやすく、楽しく日本史を学べるでしょう。また、河合塾がもつ豊富な入試データを活かし、テストで押さえておきたいポイントも指導してくれます。
手がけた参考書では「つながりで覚える日本史Bの最重要講義」シリーズが人気を集めています。
土屋文明先生(代々木ゼミナール)
土屋先生は受験生が楽しみながら日本史を学べるように工夫し、実際に受験生からも「話がおもしろい」と言われています。予備校講師の前は高校教師だった経験から、一人一人をしっかり見つめた講義を行っていることも特徴です。
著書の「眠れぬ夜の土屋の日本史 史料と解説」や「キュービックアシスト」は、毎年多くの受験生が使用し「成績が上がった」と評価されています。
その他、主要な予備校の日本史講座に対する口コミは?
代々木ゼミナール
私が受講したのは土屋文明先生の日本史の講義です。私がこの先生の講義を受けたわけはこの先生の話がおもしろいからです。しかも、下ネタ大好きで非常にインパクトのある授業を行います。
試験に出るところというよりも、そのような形で日本史の用語を教えてくれて試験でどのようにそれが問われるのかを非常に詳しく教えてくれます。楽しみながら日本史を勉強したい人にはぴったりの講座だと思います。
予備校に通う前は独学で勉強していたので、要点をつかめず何でも覚えようとしていました。予備校に通ってからは、徹底的に受験のテクニックを教えていただけたので、要点を絞って学習するようになり、点数がとりやすくなりました。
受験に出やすい問題の形式や、歴史の流れの解説がわかりやすかったです。歴史を流れで覚えるやり方を教えてくれるので、歴史の科目は暗記ばかりを重視している人に是非予備校で学ぶことをオススメします。
北九州予備校
北予備は先生が授業をしてくれるというような方式を取っていて、みんなのペースに合わせていくため少し進度については不満はありました。ですが、個別に聞きたいことは聞けるようなシステムであるし、授業自体も真面目に教えるということではなくて現代風に例えてくれたり話し方を変えてくれたりと工夫がされてあったのが良かったです。
もともと得意な科目を伸ばしたいと思って入ったのですが、学校よりも深い知識になってよかったです。なので得意科目にしたい人にはおすすめです。
歴史の起きた事柄だけでは、その背景を資料を使って、詳細に説明してくれたので、まず、日本史が面白くなったし、それに伴って成績があがった。
学校では資料については、さらっと流すだけだったが、予備校ではそれを面白おかしく学生の興味を引くように解説してくれた。その講義の後に問題演習もあったので、より定着した。
模擬試験のあとも答えの解説だけでなく、参考資料の紹介等もありそれが、センター試験ではとても役にたった。
四谷学院
私は四谷学院の日本史講座を受講して正解だったと思っています。四谷学院の講義では、歴史の流れを踏まえつつ各出来事を繋げ、原因と結果を常に考えるという学習方法を教えてもらいました。結果的に記憶の定着が促進されるとともに、日本史を面白く学ぶことができました。
私は四谷学院への入学前、日本史を単なる暗記だけで勉強していたので、記憶に残りづらく成績が全く伸びずに悩んでいました。しかし入学後、学習方法が間違っていたという自分の弱点を、四谷学院で払拭できました。こうした学習の仕方についてはあまり学校では教えてくれません。またテキストも学校の教科書よりわかりやすいことに加え、熱意とともにユーモア溢れる先生だったので毎回授業が楽しかったです。
大学受験を検討している方にはオススメの予備校です。
佐鳴学院
わたしはとにかく日本史が苦手で、年号も覚えることが出来なければ漢字の長い名前を書くのもとても苦手でした。
親がみかねて佐鳴学院に入塾させたのですが、成績順で席が決まるので後ろの席なのが辛くて勉強を頑張ろうとしましたがなかなか入ってきません。
教えてくれた講師がとにかく厳しく、当てられて答えられないと竹刀を振り回し、「お前らが勉強できないせい!」と言ってチョークを食べたりしていました。嘘っぽいかもしれませんが本当の話です。なので先生のプレッシャーが怖くて必死に勉強しました。
学校の授業は教科書に書いてあることをさらさらと説明するだけですが、塾の先生は年号の覚え方を語呂合わせにしたり、寛政の改革は松平さん、頭文字を取って“カマ”、享保の改革は徳川さんなので“キトク”など頭文字の覚え方を教えてくれました。未だに覚えてるので効果がかあったんだなと思います。
先生が怖すぎるのも考えものですが、伸びたい人にはとてもいいのかもしれません。
大学受験ナビオ
日本史が苦手であったため、勉強の方法がわからず、塾に通うようになりました。
授業では、大まかな日本史の流れを学び、その箇所ごとで覚えるべき部分を教わりました。授業以外では、漫画等でイメージを持つと流れがつかみやすいと教わったので、歴史の漫画も読んだり、塾で支給された問題集を繰り返し解いていました。また、長期休み期間には様々な講習が開かれていたので、この教科のこの苦手な部分だけなと、自分に合った講習を選んでうけることができました。
若い先生が多く、勉強や進路について相談や質問がしやすい環境でした。
育英予備校
細かな年代や出来事の順序関係の詳細があやふやだったので、実践的な問題をたくさん与えてもらい、細部まで知識を身につけることができた。また、文化面での偉人を覚えることが苦手だったので、その部門に特化した問題もたくさん解かせてもらった。
講師は非常に熱意を持って日本史を教えており、楽しさを持って日本史を学ぶことができたと思う。教え方も受験生に役立つものであり、すぐに定着する語呂合わせなど様々なコツを伝授してくれた。授業外の質問にも丁寧に対応してくださったのが印象的。
自分の苦手を把握し、そこに特化した問題を通して克服できる学校でした。楽しさと得点向上の両方を兼ね備えた良い学習環境だったと思います。