学習システムは塾・予備校によってこれだけ違う! 最先端のAI活用、個別指導などの特徴を知ろう

大学受験に向けて塾・予備校に通学してみようかと検討するとき、あなたはどんな情報を調べて、通学する塾・予備校を選ぶでしょうか。

講師の講義を教室で聞いて勉強する旧来どおりのイメージの塾・予備校、個人指導や個別指導が特徴の塾・予備校、1人1人の学力レベルに合わせて最適なカリキュラムで学習できる塾・予備校など、一口に「塾・予備校」と言ってみても、入学したところによって学習システムはさまざまです。

また最近では、オンラインで講義を受けられる塾・予備校や、AIを活用して最適な学習プランを提案してくれる塾・予備校など、最新のシステムを導入してIT化を進めるところもあらわれています。

そこでこちらの記事では、一般的な塾・予備校のシステムはどんなものかを説明しつつ、AIなどを導入した先進的な塾・予備校や、ユニークな仕組みで受験勉強をサポートする塾・予備校のシステムをいくつか紹介していこうと思います。

塾・予備校の一般的なシステムってどうなっているの?

大手から中小規模のものまで、多数の塾・予備校が開校されています。その中でも大半を占める一般的なスタイルの塾・予備校に通うことになったら、どんなシステムで勉強していくことになるのでしょうか。

入学までの流れは?

塾・予備校を比較検討するのなら、まず説明会や体験授業、パンフレット、Webサイトなどから情報を集め、自分が受講したいコース/講座があるか、通いやすい校舎があるかと調べることになると思います。このとき、校舎見学をしたり個別面談を受けたりできる塾・予備校もあるので、事前に確認しておくとよいでしょう。

通いたい塾・予備校が決まったら、中堅~大手の塾・予備校などでは、入校前に学力テスト(学力認定)を受けることもあります。そして、その結果に応じた学力レベルのコース/講座で受講することになるのが一般的な流れです。

カリキュラムの組み方は?

志望大学に合格するには、それに見合った最適なカリキュラムを組むことが重要です。大手の塾・予備校には多種多様な講座があります。受講したい講座を自分で組み合わせていく塾・予備校もありますし、志望大学や自分の今の実力などを踏まえてカリキュラムを組んでくれる塾・予備校もあります。

「どういったカリキュラムが合格の近道になるのかが分からない」「自分の講座選択に自信がない」といった人は、塾・予備校のシステムに頼って、おすすめのカリキュラムを組んでもらうのもいいでしょう。

講義だけじゃない予備校のシステム

近年、「スタディサプリ」などの学習アプリを使って大学受験勉強をする人も増えてきました。学習アプリを使えば自宅で気軽に講義を受講できて、マイペースに学習できることが大きな特徴です。

一方、学習していて分からない点を質問しようとしたり、志望大学の選び方などで相談したりしたくても、あまりサポートしてくれないところが学習アプリの弱点となっています。

その点、特に大手の塾・予備校では、講義以外にも手厚いサポート体制が整っています。例えば、学習計画の立案支援、モチベーション維持のための面談やアドバイス、志望大学などの進路相談といったサポートを受けられるのです。

大学受験当日を迎えるまでの道のりには、さまざまな悩みや障害が出てくるものです。そんなときにこうした塾・予備校のサポートが得られると、寄り道や回り道せず、受験勉強に集中できるというメリットがあります。

特徴的な塾・予備校のシステムを紹介

最近では、AIを活用した先進的な学習システムを構築して提供する塾・予備校が登場してきています。また個人/個別指導や学力レベルに合わせた段階別の指導など、各校が創意工夫した独自の学習システムを提供する塾・予備校もあり、存在感を示しています。

具体的に、どんな特徴的なシステムの塾・予備校があるのでしょうか。いくつかご紹介していきましょう。

東進ハイスクール:AI個別対応プログラム

AIを活用して最先端の学習システムを構築した塾・予備校の代表例として、東進ハイスクールがあります。

AIを活用したシステムの一例として、受験直前まで徹底的に演習問題に取り組んで学力を伸ばせるように、東進はAIを利用した「志望校別単元ジャンル演習講座」を提供しています。

志望校別単元ジャンル演習講座は、AIが志望大学合格につながる最適な演習問題を提案してくれるというものです。

”最適な演習問題”とは、どんなものなのでしょうか。受験生は1人1人、得意な単元、苦手なジャンルなどがあります。また、私立大学なら同じ大学であっても、学部によって出題される問題はかなり違ってきます。演習問題として用意されたのは、10万問以上。その中から、AIがその人に合ったレベルを判断して、学部ごとの出題傾向を分析し、”最適な演習問題”を見つけ出してくれるのです。

他にも東進には、短期間で基礎学力を身に付けられる「高速マスター基礎力養成講座」、IT授業を活用して1年分の学習内容を2週間から1カ月程度で受講・修了できる「高速学習」などのシステムがあります。最先端の理論やテクノロジーを活用した学習システムを、率先して導入している予備校と言えるでしょう。

増田塾:強制自習制度

増田塾は、難関私大文系専門の塾。難関大学に合格できなかった場合には授業料を全額返金する「合格保証制度」など、いくつかの特徴的なシステムを採用しています。

増田塾の独自システムの中でも、特筆すべきは高校3年生や高卒生を対象にした「強制自習制度」でしょう。週6日間、休憩時間以外の外出や私語を禁止され、周囲を受験仲間に囲まれた環境で、自習時間を管理されます。高校3年生なら、下校時間を確認されて個別に自習時間を決められます。高校の授業が終わっても息つく暇はなく、増田塾での自習を強制されるわけです。

強制自習制度によって学力の土台をつくり、チェックテストで授業の理解度を測って、チェックテストの点数が悪いときには補講する。こうしたシステムを導入することで増田塾は志望校合格に必要な知識の定着を図っています。

四谷学院:55段階個別指導

四谷学院の55段階個別指導は、受験に必要な要素を生徒1人1人に合わせて並び変え、学びやすくした学習システムです。

55段階のスタートは中1レベル。ゴールとして東大合格レベルまで用意されています。同じ内容の問題がレベルに合わせて応用されて出題されるため、実力の定着がしやすい構成となっています。

55段階では、まず「55テキスト」で級ごとに学習します。そして、過去問をベースに作成された「55テスト」を受験することで、テストの解答力が習得できているかを確認することになります。万が一不合格になったら、誤答したところを踏まえて講師が個別指導し、1級ごとの合格を目指します。この合格と昇級による達成感で、モチベーション維持や向上が見込めるというわけです。

なお、5~10段階の内容をまとめたエクスプレステストという制度があり、これを受けて合格するといわゆる飛び級をすることも可能です。

TOMAS:マンツーマン授業

発問型の完全1対1マンツーマン授業で、大学受験合格を目指すのがTOMASの学習システムです。早い段階で志望大学と学部を決定し、絞り込んだカリキュラムで受験対策していくことで、合格率を上げることに成功しています。

各教科のプロ講師が、過去の入試傾向を分析したデータをもとに指導し、理解できるまで丁寧に解説します。この完全1対1のマンツーマン授業により、思考力・判断力・表現力が伸ばせ、新たに始まった大学入学共通テストの成績向上にも有益だと説明しています。

また、推薦やAOなどの入試形式にも対応していることがTOMASの特徴です。一般入試だけでなく、ほかの入試形式についても対策できることで、合格のチャンスをより広げられることでしょう。

各予備校の特徴やシステムをつかんで、志望大学への合格を確実にしよう!

AIを駆使した最適な演習問題の提案や個別指導など、塾・予備校はそれぞれの強みを活かした学習システムを構築して、受験生の勉強をサポートしてくれます。

塾・予備校によって特色が違うわけですから、どこに入校すればよいのか悩む人もいるかもしれません。もし悩むようなら、自分がどのような指導であれば効率良く学習できて合格をつかみ取れるのか、体験授業や説明会などに参加して検討してみるのもいいかと思います。