学校推薦型選抜(旧推薦入試)とは? 公募推薦、指定校推薦の違い、試験対策、受けるときのポイントまで解説

大学入試の方法には、「一般選抜」「学校推薦型選抜(旧推薦入試)」「総合型選抜(旧AO入試)」の3種類があります。このうち「学校推薦型選抜」は高校の推薦が必要となるもので、学力テストを免除される場合も多いのが特徴です。

そう聞くと「勉強しなくてもいいなら学校推薦型選抜を受けたい」と思う人もいるかもしれません。しかし、学校推薦型選抜を受けるためには、高校で一定以上の成績を取っていることなどの条件を満たさなければなりません。学校推薦型選抜を受験するから、まったく勉強しなくてもよいわけではないのです。

また、学校推薦型選抜では学力以外の面が特に評価されるため、対策には長い時間が必要です。学校推薦型選抜で合格するためにも、試験の概要を知り、早めに対策をしておきましょう。

今回はそんな「学校推薦型選抜」について、どのような入試方法なのか解説していきます。試験のメリットやデメリット、出願条件、評価基準、対策法、合格のポイントまですべて解説しますので、この記事を読むところから受験対策を始めていきましょう。

学校推薦型選抜とは?

「学校推薦型選抜」とは、以前は「推薦入試」と呼ばれていた大学入試の方法です。

特に私立大学で募集人数が多く、令和6年度のデータによると、私立大学入学者の40%以上が学校推薦型を利用しての入学者となっています。同年、96%以上の国公立大学でも実施されており、近年では東京大学や京都大学などの最難関大学でも導入されたことで話題になりました。

令和6年度 学校推薦型選抜試験実施状況

区分大学数学部数入学志願者数合格者数入学者数
国立大学7728830,099人12,246人12,242人
公立大学9721420,977人9,284人9,267人
私立大学6031,963419,217人272,764人193,040人
合計7772,465470,293人294,294人214,549人

出典:令和6年度国公私立大学入学者選抜実施状況|文部科学省

入試の方法として、ただ受験勉強をするだけでなく、こうした推薦を活用することはあたりまえになりつつあります。

しかし、学校推薦型選抜は誰でも出願できるのではなく、受験するには大学側の求める条件を満たさなければなりません。条件には「高校での学習成績の状況が4.0以上」「国民スポーツ大会またはそのブロック大会などに出場」などがあり、大学・学部によってさまざまです。そしてこのような条件を満たしたうえで、出身高校の校長の推薦が必要となります。

学校推薦型選抜では、学業の成績やスポーツ、芸術、学校外での活動を見て、「高校時代に何をどのように頑張り、どのような結果を残したか」が評価されると考えましょう。

また、多くの場合「専願制」であることも、学校推薦型選抜の大きな特徴です。専願制とは、1つの大学に絞って入試を受けることをいい、合格した場合は必ず入学することになっています。学校推薦型選抜では基本的に1校のみ受けることになり、いくつも併願して合格した大学から選ぶことはできません。

しかし、近年は併願ができる大学も増えています。ここは重要なポイントなので、募集要項で必ず確認しておきましょう。

学校推薦型選抜のメリット・デメリット

学校推薦型選抜にはメリットとデメリットの両方があります。特徴をふまえて受験方式を選択しましょう。

学校推薦型選抜のメリット

学校推薦型選抜の最大のメリットは、学力以外の面を評価してもらえる点にあります。一般選抜では入学試験の結果が重視され、高校3年間をどのように過ごしたかはそれほど考慮されません。部活動や課外活動の実績、各科目の成績も評価してほしい方は、学校推薦型選抜が向いているでしょう。

また、学校推薦型選抜の結果は一般選抜より早い段階でわかります。合格すれば残りの学校生活を、余裕を持って過ごせるでしょう。もし学校推薦型選抜で合格できなくても、一般選抜で同じ大学に挑戦することもできます。

学校推薦型選抜は公募制と指定校制があり、指定校制であれば合格率は非常に高くなります。通っている高校に推薦枠があること、学校の推薦を受けられること、などの条件があり、推薦を受けるハードルは高くなりますが、推薦を受けてしまえばほぼ合格できるといってよいでしょう。

学校推薦型選抜のデメリット

学校推薦型選抜は専願が基本です。複数の大学に同時に出願することはできません。志望校を1つの大学に絞れていない場合は、併願制の試験を実施している大学を探しましょう。

また、学校推薦型選抜では普段の高校生活や課外活動が評価対象になるため、高校入学時からなど早い段階から長期間の入試対策が必要です。アピールできる実績がない場合は、合格は難しいでしょう。指定校制推薦は推薦をもらうまでのハードルが高く、そもそも推薦をもらえない可能性もあります。

学力以外の面も評価されるのが学校推薦型選抜の特徴であるため、学力が高いだけでは合格できません。学力で勝負したい場合は一般選抜での受験を検討しましょう。

さらに、学校推薦型選抜で万が一不合格となってしまった場合、対策期間を十分に確保できないまま一般選抜を受けることになる可能性があります。合格の自信がない場合は、学校推薦型選抜の対策と併せて、一般選抜の対策も並行して行ないましょう。

学校推薦型選抜と一般選抜、総合型選抜との違いは?

大学入試の方法には、学校推薦型選抜のほかに「一般選抜」と「総合型選抜」があります。ここまでご紹介した学校推薦型選抜の特徴をふまえ、ほかの2つの方法との違いを知っておきましょう。

一般選抜

「一般選抜」は、学力試験をメインに合格者を選抜するものです。予備校で勉強し、試験日に教室で学力テストを受ける、といったよくイメージされる大学入試は、この一般選抜のことを指しています。

出願条件は「令和○年3月に高等学校または中等教育学校を卒業見込みの者(現役生)」「高等学校または中等教育学校を卒業した者(浪人生)」「高等学校を卒業した者と同等以上の学力があると認められる者」など。学校推薦型選抜と比べて、出願条件はそれほど厳しくありません。

試験は1~3月に行なわれ、通常は日程が許せばいくつもの大学・学部を併願できます。また、同じ大学・学部で数回試験が行なわれる場合、何度受験しても構いません。

総合型選抜

「総合型選抜」は、当初の「AO(アドミッションズ・オフィス)入試」から名称が変わりました。「学校推薦型選抜」と似ており、選考はエントリーシートなどによる書類選考、小論文、面接、プレゼンテーションなどを組み合わせて行なわれます。しかし、総合型選抜では高校からの推薦は必要ありません。

選考基準となるのは、「各大学が求める理念(アドミッション・ポリシー)に沿っている人物か」です。学力試験では評価できない、さまざまな能力や意欲を活かせる入試方法です。

一般的に、出願・選考時期は9月から翌年2月までです。しかし、大学によってばらつきがあるため、早めに確認しておきましょう。

学校推薦型選抜は大きく分けて2タイプ

学校推薦型選抜には「公募制(公募推薦)」と「指定校制(指定校推薦)」の2タイプがあり、公募制はさらに「公募制一般選抜(一般推薦)」と「公募制特別推薦選抜(特別推薦)」に分かれています。

ここからは、それぞれのタイプの基本的な情報と、メリット・デメリットを紹介します。

公募制とは?

「公募制」は、大学の求める出願条件をクリアしたうえで校長の推薦があれば、どの高校からでも受験できる選抜方法です。浪人生(既卒生)でも出願できる場合があります。

公募制には、以下のようなデメリット・デメリットがあります。

メリット

  • 一般選抜で手が届かない大学でも狙える
  • 不合格になっても一般選抜で再チャレンジが可能

デメリット

  • 人気大学は一般選抜よりも倍率が高く、狭き門
  • 一般選抜と比べて合格基準がわかりにくく対策しづらい
  • 一般選抜に向けた準備が遅れる可能性がある

・公募制一般選抜

公募制のうち「公募制一般選抜(一般推薦)」とは、「学業の成績が一定以上であること」が条件となっているものです。国公立大学の学校推薦型選抜はほとんどの場合がこちらとなります。

「極端に苦手な科目がなく、どの教科もまんべんなく良い成績が取れている」「一般選抜で合格する自信がないが、学校の成績は安定している」といった人におすすめです。

・公募制特別推薦選抜

もう1つの公募制である「公募制特別推薦選抜」は、「勉強以外の実績があること」が条件となっているものです。例えば、以下のような条件が設定されます。

  • スポーツや芸術分野の活動で入賞した
  • 委員会やボランティア活動を積極的に行なった
  • 大学の指定する資格を持っている

上記のような条件があることから、「スポーツ推薦」や「有資格者推薦」とも呼ばれます。なかには、この条件さえ満たせば学業の成績は問わない大学も。高校でこのような活動に力を入れていた人は、公募制特別推薦選抜にチャレンジしてみましょう。

指定校制

「指定校制」は、大学側が指定する高校の生徒のみ出願できる方法で、現役生に限られます。私立大学が中心で、国公立大学ではほとんど実施していません。指定校制には以下のようなメリット・デメリットがあります。

メリット

  • 一般選抜で手が届かない大学でも狙える
  • 校内選考で推薦を取れれば、合格する確率がかなり高い

デメリット

  • 校内選考が激戦の場合もある
  • 原則として専願のため、合格したら入学を辞退できない

指定校制では高校での活動をもとに評価されるため、一般選抜だと難しいレベルの高い大学にもチャレンジできるでしょう。

多くの場合、高校ごとの推薦枠は数人で、応募者多数の場合は校内選考が行なわれます。学校の成績のほか、課外活動の実績や生活態度などが総合的に評価され、推薦される生徒が決まります。しかし、校内選考さえ突破すれば、かなりの確率で合格となることも特徴です。

そして、指定校制の出願は、原則として専願のみとなります。合格した場合は必ずその大学に入学することになるので、出願は慎重に決めましょう。しかし、「絶対に入りたい第一志望校があり、その大学の指定校枠がある」という場合はまずエントリーしてみる価値があります。

また、大学入学後についてですが、指定校制で入学した人が良い成績を取れていない場合、次年度から母校の指定校推薦枠が取り消されたり、減ったりしてしまう可能性もあります。これをプレッシャーと感じることがあるかもしれません。

その他の推薦枠

地方の国公立大学では「地域枠(地域枠推薦)」という方法を実施していることもあります。

医学部で行なわれることが多く、「卒業後に一定期間、地元の医療に従事すること」などが条件となります。これは、地域によっては医師不足が深刻となっており、地方で働く医師の数を確保するためです。

場合によっては「県内・地域内の高校出身者のみ」と、出身地域・学校の条件が設けられていることもあります。

学校推薦型選抜の出願条件や評価基準とは?

学校推薦型選抜の出願条件や評価基準は、大学によって差があります。

国公立大学は条件が厳しく、学校で高い成績を修めていることが求められます。また、公募制のみであったり、一部の大学や学部では現役生しか受けられなかったりすることも多いため注意しましょう。

一方、私立大学の出願条件はさまざまで、なかには成績の基準を設けていない大学も存在します。

学校推薦型選抜でチェックされる成績基準としては、「全体の学習成績の状況」と「学習成績概評」があります。よく似た言葉ですが、実際の出願条件では「全体の学習成績の状況が4.0以上」あるいは「学習成績概評A以上」など、どちらかの最低基準が示されるので、違いを知っておきましょう。そこに課外活動の評価が加味されるイメージです。

「全体の学習成績の状況」はすべての科目の評定平均

「全体の学習成績の状況」とは、「すべての教科・科目の評定(1~5の5段階)の合計数を、すべての評定数で割った数値」であると文部科学省が定めています。つまり、すべての教科・科目の成績の平均ということです。以前は「評定平均値」と呼ばれていました。

対象となる期間は、高校1年~高校3年の1学期(前期)であることが多いようです。高校に入学してから出願する時点まで、ほぼすべての成績が含まれると考えればよいでしょう。

「学習成績概評」はA~Eの5段階

「全体の学習成績の状況」をもとに、成績をA~Eの5段階で表したものが「学習成績概評」です。Aが最も優秀で、Aを取るには「全体の学習成績の状況」が4.3以上でなければなりません。

全体の学習成績の状況によって、学習成績概評がどのように判定されるかについては、文部科学省が以下のように定めています。

全体の学習成績の状況(評定平均値)学習成績概評
5.0~4.3A
4.2~3.5B
3.4~2.7C
2.6~1.9D
1.8以下E

「A」の生徒のうち特に優秀な人は、高校の校長にその理由を書いてもらったうえで「Ⓐ(丸囲みのA)」と示すことができます。

課外活動などの実績

公募制特別推薦選抜の場合は、スポーツや文化活動の実績を提出します。

スポーツ推薦では競技種目や大会などが指定されていることもあるため、入賞経験がある人は確認しておきましょう。公募制一般選抜の場合も、部活や委員会、留学、ボランティアなどの活動を積極的に行なっていると有利とされています。

また、志望学部に関連した実績があればアピールしたいところです。一例ですが、ディベートや数学の大会、ロボコンなどが挙げられます。実用英語技能検定(英検)やTOEIC、簿記などの資格が評価基準となることもあります。

学校推薦型選抜の選考方法・実施時期

文部科学省は、学校推薦型選抜の選考方法について「大学教育を受けるために必要な知識・技能、思考力・判断力・表現力も適切に評価する」こと、提出された出願書類以外に、「小論文、プレゼンテーション、口頭試問、実技、学力テスト、資格・検定試験の成績など、または大学入学共通テストのうち少なくとも1つ」を含めて評価することと定めています。

つまり、学習記録などを提出しただけで学校推薦型選抜に合格することはありません。小論文や面接などを併せて受けたうえで、総合的に合否が決まります。

選考方法はさまざま

学校推薦型選抜では、まず以下のような書類によって選考が行なわれます。

  • 調査書(「全体の学習成績の状況」などの学習記録、生活態度など)
  • 推薦書(学校長などがその生徒の推薦理由を記入)
  • 志望理由書

これに加えて、志望学部に沿った内容の小論文や実技試験などが行なわれます。個人あるいはグループでの面接を実施する大学もあります。

また、大学独自の学力テストや大学入学共通テストを受けるケースもあります。特に国公立大学の場合、共通テストの利用が多いことは覚えておきましょう。推薦だからといってまったく勉強しなくてもいいわけではないため、計画的に学習を進めることが重要です。

実施時期は一般選抜よりも早い11~12月

学校推薦型選抜の出願・選考時期は、一般選抜とは大幅にずれているため、注意しましょう。出願は11月、選考は11~12月であることが多いです。ただし指定校制では7~10月に校内選考が行なわれ、通過した人のみ11月に出願できます。公募制も指定校制も、早ければ12月中に合否が通知されます。

いずれにせよ、一般選抜に先行して行なわれるため、早め早めの準備が大事です。

学校推薦型選抜の入試対策は?

ここまで解説してきた学校推薦型選抜の概要をふまえて、ここからは学校推薦型選抜の入試対策について、5つの項目に分けて解説していきます。

  • 書類選考対策
  • 小論文対策
  • 面接対策グループディスカッション対策
  • 共通テスト対策

書類選考対策

学力以外の面が評価される学校推薦型選抜では、書類選考で調査書や志望理由書などの提出を求められます。

書類選考対策として重要なのが、日々の生活です。真面目に授業を受け、定期テスト対策をしっかりと行ない、高い成績を維持することが書類選考での評価アップにつながります。一朝一夕で対策できるものではないため、高校入学してすぐから選考に向けて日々努力しておく必要があります。実力英語技能検定(英検)などの外部試験の成績も評価対象となる場合は早めに試験を受けておき、アピールできる成績を取っておきましょう。

また、書類選考では大学や学部への志望理由をアピールできる「志望理由書」も作成します。志望理由書は合否に関係する大切な書類ですので過去の経験や大学で学びたいことなどをまとめ、自分の言葉で熱意がしっかりと伝わるようにしましょう。作成後は、学校の先生などに添削してもらうのがおすすめです。

小論文対策

小論文試験では読解力、思考力、論述力が試されます。出題の意図を正しくとらえ、自分の意見を論理的かつ客観的に伝えるには、ある程度のトレーニングが必要です。

志望する大学で過去にどのような出題があったかを調査して、実際に小論文を作成してみましょう。小論文は表現方法と内容の2点から採点される場合が多く、確実に点を取るためには以下のようなポイントに注意することが大切です。

表現・誤字脱字がないか ・誤った表現や文法がないか ・原稿用紙を正しく使えているか ・求められた文字数を満たしているか ・文体が統一されているか
内容・設問に対して正確に答えているか ・わかりやすい構成になっているか ・全体を通して意見・主張が一貫しているか ・意見や主張に対する根拠が示されているか

作成した小論文は先生に添削してもらいましょう。作成、添削、改善を繰り返していけば、実力がついていきます。

面接対策

面接には個人面接とグループ面接の2通りがあります。

個人面接は受験生1人に対し質問を行なう形式です。事前に提出した志望理由書などをもとに質問されることが多いため、志望理由書の内容を頭に入れて面接に臨みましょう。

グループ面接ではほかの受験生と一緒に面接を受けます。ほかの受験生の回答に惑わされることなく、自分の意見をはっきり述べるのがポイントです。

面接対策を個人でするのは非常に困難です。想定される質問を洗い出して回答を考え、先生や親などを相手に何度も練習しましょう。緊張して本来の力が発揮できなかった、ということがないよう、面接環境に慣れておくことが大切です。

グループディスカッション対策

グループディスカッションは、出題されたテーマに基づき、複数人で話し合って結論を出す形式の試験です。コミュニケーション能力やリーダーシップ、協調性、論理的思考力が試されます。

学部に関する社会問題がテーマになることが多いため、あらかじめそれらへの理解も必要です。日頃から情報を収集しておき、時事にも詳しくなっておきましょう。

グループディスカッションも面接同様に個人での対策は難しい試験です。先生やほかの生徒に協力を依頼して、本番を想定して練習しましょう。

共通テスト対策

大学によっては大学入学共通テスト(共通テスト)も課される場合があります。共通テストの出題範囲は広く、対策には十分な時間が必要です。合格に必要な科目、点数を把握したうえで、過去問を解きながら弱点をカバーしていきましょう。

共通テストの概要や対策方法については、下記関連記事でより詳しく解説しています。記事を参考にしながらテスト対策を進めていきましょう。

大学入学共通テストの基礎知識! 科目選びや対策は? 2025年からの変更点も解説

学校推薦型選抜を受けるときのポイント

学校推薦型選抜は、大学ごとに、さまざまな出願条件と選考基準のもとで行なわれます。一般選抜と異なり、勉強ができれば合格できるものではないので、相応の対策が必要となります。

また、学校推薦型選抜では早めの対策が鍵となります。高3になってからではなく、高1・2の時点から計画的に準備を進めましょう。

オープンキャンパスや予備校も利用して情報収集を

推薦の出願前の準備として、情報収集はとても大事です。第一志望校の出願条件については必ず確認しましょう。情報の集め方には以下のような方法があります。

大学のホームページや入試案内を見る各大学では毎年6月頃から順次、入試情報を公開しています。 出願条件とともに、出願開始・終了時期も確認しましょう。
オープンキャンパスや入試説明会に参加するインターネットで調べるだけでなく、実際に大学へ出向いてみてください。 雰囲気がわかるうえ、志望動機を固めるためにも役立ちます。
高校の先生や先輩に聞く学校の成績に関しては、高校の先生に相談しましょう。 指定校制で進学した先輩がいれば、選考の流れや気を付けることを聞くと役立ちます。
予備校で講師やチューターに相談する予備校には各大学の最新情報が集まってきます。 講師や現役大学生のチューターに対策方法を相談してみてください。

選考の準備は早め早めに

学校推薦型選抜では、高校3年になって追い込みをするといった対策は効果がありません。出願条件として、「高校1年~高校3年の1学期(前期)」の成績が対象となるからです。評定が良くないと大学側の条件を満たさず、出願すらできない可能性があるでしょう。高校1年の時点から定期テスト対策をしたり、課外活動を頑張って実績を作ったりする必要があります。

小論文や面接などに関しても、付け焼き刃の対策は通用しないと考えてください。予備校のなかには、小論文や面接の対策ができるところもあるため、検討してみるとよいでしょう。

万が一落ちたときの対策もしておこう

公募制推薦の場合は倍率が高く、不合格となってしまう可能性もあります。あるいは指定校制推薦であれば、校内選考に通らないこともあり得るでしょう。また、学校推薦型選抜は基本的に専願制のため、いろいろなレベルの大学を複数受けるという対策もできません。

そのため、学校推薦型で合格できなかったときに備え、一般選抜や総合型選抜の対策も行なっておきましょう。あまり一般選抜対策をしてこなかった人は、総合型選抜の対策に切り替えるのもおすすめです。

なかには、どうしても推薦で大学を決めたいあまり結果的に志望校のレベルを下げてしまい、専願なので入学せざるを得ないという受験生もいます。しかし、入学後に「一般で第一志望校を受けてみればよかった」と後悔するケースもあるのです。学校推薦型選抜のメリットだけに目を向けることなく、納得できるまで第一志望校にチャレンジしましょう。

学校推薦型選抜のよくある質問

最後に、学校推薦型選抜に関するよくある質問を2つ紹介します。

学校推薦型選抜に向けて高校1年生からできることは?

学力以外の面が評価される学校推薦型選抜で合格するには、普段の学校生活をどのように過ごすのかが重要となってきます。学校推薦型選抜での入学を目指すなら、高校1年生の段階から以下のような点に注意して学校生活を送りましょう。

  • 定期テストで良い成績を取る
  • 課外活動に取り組む
  • 志望校の情報を収集する
  • 外部試験を受ける

学校推薦型選抜は浪人生でも受けられる?

基本的に学校推薦型選抜は現役生向けですが、公募制推薦の選抜を行なっている大学のうち、一部の大学では浪人生の受験も可能となっています。

まとめ

学校推薦型選抜は大学入試の形式のなかでも、学力以外の面が評価されやすい選抜方式となっています。試験では書類選考、面接試験、小論文試験などが行なわれ、学内外での活動や学校での成績も評価の対象となります。学校推薦型選抜での受験を希望する際は、試験の概要や求められる人物像を把握したうえで、早め早めに対策を講じましょう。

また、大学入試の方式には学校推薦型選抜以外にも一般選抜、総合型選抜があります。それぞれ必要な書類や試験の実施時期、対策方法が異なるため、自分に合った試験の方式を選択しましょう。