静岡県立大の入試対策におすすめの予備校5選!入試の難易度、出題傾向・対策も解説

静岡県立大学(以下、静岡県立大)は、3つの県立大学(静岡薬科大学・静岡女子大学・静岡女子短期大学)を改組・統合して、1987年に開学した公立大学です。キャンパスは静岡市駿河区にあります。

大学理念には「学生生活の質(QOL)を重視した勉学環境を整備します」という文言があり、学生の目線を大切にした高度できめ細やかな教育を目指していることがわかります。

そんな静岡県立大学に合格するためには、どのような対策が必要なのでしょうか。この記事では静岡県立大学の入試の難易度や出題傾向・対策を解説し、静岡県立大学を目指す方におすすめする塾・予備校5選も紹介します。ぜひ参考にしてください。

静岡県立大の入試制度

まずは、静岡県立大の入試制度について解説します。

静岡県立大の学部は、薬学部・食品栄養科学部・国際関係学部・経営情報学部・看護学部の5つです。前期・中期・後期の3期に分かれた一般選抜のほか、学校推薦型選抜や帰国生徒選抜などがあります。それぞれの内容を確認しましょう。

一般選抜

一般選抜において、各学部で指定されている共通テスト、および個別テストの受験科目と配点は次のとおりです。

学部・日程大学入学共通テストの配点個別試験の科目と配点
薬学部(公立大学中期)1150点物理基礎・物理(400点)、
化学基礎・化学(600点)
食品栄養科学部
 食品生命科学科(前期)
 栄養生命科学科(前期)
950点化学基礎・化学(400点)
食品栄養科学部
 環境生命科学科(前期)
850点化学基礎・化学(400点)
食品栄養科学部
 栄養生命科学科(後期)
 環境生命科学科(後期)
650点面接(200点)
国際関係学部(前期)600点外国語(200点)
経営情報学部(前期)800点数学(200点)、外国語(200点)
経営情報学部(後期)350点面接(200点)
看護学部(前期・後期)1000点面接(200点)

出典:静岡県立大学「2026年度 入学者選抜要項」

食品栄養科学部・国際関係学部・経営情報学部・看護学部は、大学入学共通テストの配点が高く、個別試験の科目数が少ないのが特徴です。これらの学部を志望するなら、基本的には共通テスト対策に力を入れましょう。

それに対して薬学部は、共通テスト1150点、個別試験1000点と、個別試験の配点が比較的高くなっています。個別試験の物理・化学の対策が重要になるでしょう。

また、看護学部の個別試験は、2026年度より「面接・口頭試問」から「面接のみ」となっています。

学校推薦型選抜

学校推薦型選抜とは高校の現役生を対象にした選抜枠で、静岡県立大では共通テストを課す選抜と共通テストを免除する選抜があります。

共通テストを課す学校推薦型選抜が行なわれるのは、薬学部・国際関係学部です。大学入学共通テストの指定された科目の成績と、志望理由書・調査書・推薦書・面接の結果を総合して選抜します。

共通テストを免除する学校推薦型選抜が行なわれるのは、薬学部・食品栄養科学部・国際関係学部・経営情報学部・看護学部です。選抜の際に調査書・推薦書・面接が必要であるのは共通していますが、そのほか学部によっては、化学や物理といった指定された科目に関する適性検査や、志望理由書なども総合して選抜を行ないます。

学校推薦型選抜の対象は静岡県内の高校である場合が多いのですが、全国の高校を対象とする学部・学科もあります。また、各高校が推薦できる人数は、学部・学科によって1人から3人までさまざまです。

学校推薦型選抜について把握しておけば、合格のチャンスが増えます。気になる方は出願要件や選抜方法などの詳細を確認しておきましょう。

参考:静岡県立大学「2026年度 入学者選抜要項」

帰国生徒選抜・社会人選抜・私費外国人留学生選抜

静岡県立大には、よく知られる一般選抜・学校推薦型選抜のほかにも、特別な選抜制度があります。

帰国生徒選抜は、日本国籍を持つ人や日本国の永住許可を得ている人で、外国の学校教育を受けた人を対象にした選抜です。薬学部・食品栄養科学部・国際関係学部・経営情報学部で実施されます。

社会人選抜は看護学部で実施されます。出願要件は、大学入学資格を持ち、社会人として3年以上の職務経験があり、入学後に看護の分野に携わる意志があることです。

私費外国人留学生選抜は、日本国籍を有していない人を対象とした選抜で、薬学部・食品栄養科学部・国際関係学部・経営情報学部で実施されます。面接や出願書類のほか、大学が指定した科目の学力検査、日本留学試験や英語能力測定試験の結果を総合して選抜します。

静岡県立大の偏差値・難易度は?

次は、静岡県立大に合格するための偏差値や難易度を確認しましょう。

東進ゼミナールのデータによると、2024年の入試データに基づく静岡県立大の偏差値は、薬学部が62~64、食品栄養科学部が57~60、国際関係学部が63、経営情報学部が60、看護学部が58となっています。

2025年度入試(一般選抜)の実質倍率は、静岡県立大の発表によると、薬学部が3.8、食品栄養科学部が2.7、国際関係学部が2.0、経営情報学部が2.1、看護学部が1.6です。前期・中期・後期によっても異なりますが、特に薬学部の倍率が高いことがわかります。

一般選抜の得点率(共通テスト+個別試験)について、代々木ゼミナールのデータによると、2025年度入試の合格者の最低得点率は次のとおりです。

  • 薬学部(中期)58.7~64.4%
  • 食品栄養科学部(前期)59.0~61.8%
  • 国際関係学部(前期)67.1%
  • 経営情報学部(前期)55.9%
  • 経営情報学部(後期)80.0%
  • 看護学部(前期)54.0%

静岡県立大の公式サイトには「各学部とも75%正解すれば合格の可能性が高くなる」とのアドバイスが掲載されています。

静岡県立大の入試の出題傾向と対策

続いて、静岡県立大の個別試験の出題傾向と、その対策方法をお伝えします。

英語の記述は演習で慣れ、予備校講師の添削を活用しよう

英語は、国際関係学部と経営情報学部(前期)で実施されます。難易度は標準レベルです。単語・熟語や文法、類義語、派生語などの知識が求められます。しっかりと暗記を定着させましょう。

2022年度の国際関係学部の場合、読解2問、文法・語彙1問、英作文2問の大問5問で構成されていました。読解が多いため、演習を繰り返してスピード感をつかみましょう。英作文に関しては自力での採点が難しいため、塾や予備校で添削してもらうことをおすすめします。

物理・化学は基礎レベルの総復習で苦手分野をなくそう

物理は薬学部、化学は薬学部と食品栄養科学部で必要となります。どちらもレベルは標準程度ですが、幅広い範囲からまんべんなく出題される傾向にあります。そのため、高校物理・化学のすべての範囲をしっかりカバーしておく必要があります。

特に、薬学部は個別試験の配点が高いため、物理・化学をしっかり学習して確実に点数を取れるようにすることが重要です。苦手分野・得意分野だけを勉強するのではなく、定期的に総まとめ学習を行なってください。数年分の過去問を解いたり、予備校の夏期講習や直前講習を活用したりするのもおすすめです。

数学は文系型か理系型を選択する点に注意

数学は経営情報学部の必須科目です。受験する際は、文系型と理系型のいずれかを選択します。それぞれの出題範囲は次のとおりです。

【文系型】数、数Ⅱ、数A(場合の数と確率、図形の性質)、数B(数列)、数C(ベクトル)
【理系型】数I、数Ⅱ、数Ⅲ、数A(場合の数と確率、図形の性質)、数B(数列、統計的な推測)、数C(ベクトル、平面上の曲線と複素数平面)

この範囲からまんべんなく出題される傾向にあり、幅広い対策が求められます。まずは基礎を固めて、苦手な範囲をなくしましょう。さらに、数年分の過去問演習で、出題形式に慣れておくことをおすすめします。

理系型を選択する場合は、数Ⅲが必要です。共通テストとは別に対策を進めましょう。

静岡県立大を目指す受験生におすすめの塾・予備校5選

最後に、静岡県立大合格を目指す人におすすめの塾・予備校をご紹介します。塾や予備校との相性は非常に大事なもの。自分に合った予備校を見つけ、偏差値を伸ばしてください。

東進ハイスクール・東進衛星予備校

全国展開する大手予備校・東進は、実力派講師陣による1万種類もの授業と多彩なサポートにより、志望校合格を目指せる予備校です。静岡県にも多数の校舎があり、通いやすいことも魅力の一つ。合格実績も申し分なく、2025年度は静岡県立大に68人が合格しています(現役生のみ、講習生含まず)。

特におすすめの講座は、プロによる採点と添削指導が受けられる「過去問演習講座」です。食品栄養科学部・国際関係学部・経営情報学部の、英語・化学の対策ができます。英語の記述問題などは一人では採点や対策をしにくいため、ぜひプロの指導を受けましょう。

また、静岡県立大入試では基礎が重視されます。そのため一人ひとりに合わせた演習対策を行ない、苦手分野をなくしておくことも重要です。東進が持つ受験生のデータとAIを活用した「志望校別単元ジャンル演習講座」では、受験生の学力と志望校に合わせて最適な演習問題を提案してくれます。

駿台予備学校

講師やテキストの質の高さから人気を集める駿台予備学校。その実績は確かなもので、2025年度は23人が静岡県立大に合格しています(駿台グループ関連法人の在籍生および各講習受講生の実績、現役・浪人の両者含む)。静岡県内には浜松校があるほか、映像講座を視聴でき、通学生とほとんど同じサポートを受けられるオンライン型も選択可能です。

駿台の授業はレベル分けが明確で、「選抜・難関・標準・基礎」と分かれています。苦手科目は基礎、得意科目は難関など、自分に合った講座を選ぶことで力を付けられます。

また、共通テスト対策も万全なのがうれしいポイント。「共通テスト対策講座」は英語・数学・国語・理科・地歴公民の5教科の映像講座を受講できます。学習は自分の都合に合わせて進められるため、自分に必要な科目を選んでしっかりカバーしましょう。

佐鳴予備校

佐鳴予備校は静岡県・愛知県に展開している予備校です。2025年度の静岡県立大への合格者数は37人(途中退学、講習のみ、公開模試のみの生徒は含まれない)。そのほかにも東大・京大・名古屋大・静岡大といった難関国公立大学や、早慶上理をはじめとした難関私立大学にも多数の合格実績を持ちます。

特に教師の質にこだわっており、全国教育指導者育成協会が認定した優秀な「教育士」が数多く在籍しています。

講座はそれぞれレベルが設定されています。例えば静岡県立大の薬学部であれば「レベル6」、経営情報学部なら「レベル4」となっているので、これを目安に講座を選びましょう。二次試験対策ができる「実戦入試対策講座」、単元別に基礎が学べる「単科講座」なども充実しているので、目的に合わせて講座を選べます。

河合塾

河合塾は全国展開の大手予備校で、静岡県内には、静岡市や浜松市など各地に多数の校舎があります。2025年度は48名が静岡県立大学に合格(河合塾の在籍者および講習受講生のみ、公開模試のみの受験生は含まない)。

その特徴は、大学入試を熟知した講師による授業、科目別・学力別のクラス編成、豊富な演習・添削指導など、多岐にわたります。さらに、生徒一人ひとりにチューター(進学アドバイザー)が付き、個々に合った学習計画を組んで志望大学合格に向けて徹底サポートします。

また、大規模な模擬試験の実施も河合塾の魅力の一つ。全国屈指の母集団を誇る「全統模試」は、自分の学習レベルや弱点の把握、学習計画の見直しに役立ちます。

静岡県立大に合格した河合塾の生徒の声を、一部紹介しましょう。

  • わかりやすい授業をしてくれる講師がたくさんいます。共通テスト前の冬期・直前講習はとても役立ちました。おすすめです。
  • 難関化学を受講し、化学の基礎力はもちろん、難問の考え方も身に付けられました。おかげで化学が得意になり、合格できたと思います。
  • 勉強方法がわからなくなったとき、チューターがすぐに面談してくれました。一緒に学習計画を立てたりアドバイスをくれたりして、とても信頼できました。

個別教室のトライ

個別教室のトライは、家庭教師のトライから生まれた全国展開の個別指導塾です。静岡県内には静岡県立大学受験対策コースが受けられる教室もあります。

その最大の特徴は、講師と生徒が1対1で向き合う、完全個別指導のシステムです。毎回同じ講師が担当するため、生徒の個性に合った指導が受けられます。志望校や現在の学力、苦手科目に合わせたオーダーメイドのカリキュラムを作成し、受験対策だけでなく、学校の授業の補習や定期テスト対策など、多様なニーズにも応えます。また、学校推薦型選抜対策コースを受講すれば、小論文や面接のスキルアップも可能です。

最新の受験情報を熟知した教育プランナーによる、気配りや手厚いサポートも魅力。授業のない日でも利用できる自習スペースもあり、自主的な勉強習慣が身に付くよう支援します。

静岡県立大に合格した生徒からは「大学受験をあきらめそうになったとき、教室長や先生に励まされて不安に打ち勝った」「集中できる環境で、自分に合った学習の進め方ができた」という声があがっています。

まとめ

静岡県立大の入試は、共通テストと個別試験を組み合わせて実施されます。学部・学科・試験の日程によって、試験内容や倍率が異なるため、早めに詳細を把握しておくことが重要です。

多くの学部において共通テストの比率が高いため、とりこぼしのないよう対策する必要があります。一方、薬学部は個別試験の配点が高いため、物理・化学の演習を繰り返し、しっかり点数が取れるようにしましょう。

効率的に受験勉強を進めるには、塾や予備校などの利用もおすすめです。個別指導や集団授業など自分に合ったシステムであるか、また教室内の雰囲気に馴染みやすいかどうか、説明会や体験授業に参加して判断するとよいでしょう。自分にとって最適な学習環境を選び、静岡県立大合格をつかみ取りましょう。