一橋大学(以下、一橋大)は、日本で最も古い社会科学系の大学です。従来は商学部、経済学部、法学部、社会学部の4学部でしたが、2023年にソーシャル・データサイエンス学部が新設され、5学部となりました。日本で初めてゼミを導入した大学でもあり、基本的に平均7~8人の少人数ゼミで授業が実施されているのが大きな特長です。
難関大学としても知られており、その難易度は東大、京大に次ぐ日本トップレベルだと言われています。実際に東進ハイスクールが発表している偏差値を見ると、東大文系トップの偏差値が65、京大文系トップの偏差値が64、それに対して一橋大トップの偏差値は64です。いかに一橋大の難易度が高いかが分かります。
一橋大の受験を考えている人の中には、「東大、京大レベルの対策をしなければならないのか」と不安に感じる人もいることでしょう。そこでこの記事では、一橋大を目指す人に向けて、一橋大入試に強い予備校を紹介します。一橋大入試が難しい理由についても解説しているので、一橋大を受験する人はぜひ参考にしてください。
一橋大入試が難関とされる理由
それではまず、一橋大入試が難しいとされる理由を見てみましょう。
東大や京大に並ぶほど数学の難易度が高い
一橋大には、従来、商学部、経済学部、法学部、社会学部といった文系学部だけがあり、理系学部はありませんでした。しかし、これらの学問でも、研究には統計などの手法を用いますし、数理モデルを構築することもあります。自然に起こる事象ではなく、人間が作り出した社会的な事柄を研究対象にするだけであって、研究に数学を使わないわけではないのです。そのため一橋大では、ソーシャル・データサイエンス学部設置以前から数学が非常に重要視されており、二次試験での数学の配点も高くなっています。
一橋大入試の数学は問題自体が非常に難しいのが特徴です。東大や京大の試験に匹敵するほどのレベルだとも言われており、問題文から解答の方針を見定める力や計算量の多い問題を処理する数式処理力などが求められます。
問題が難しいにもかかわらず配点自体が高いということを踏まえると、数学でどれだけ得点できるかが合格を大きく左右すると言えるでしょう。そのため、数学が苦手な人が苦戦を強いられることは必至です。一橋大を目指すなら、数学を毛嫌いせず、確実に得点しなければならない科目だということを肝に銘じ、塾・予備校に通って徹底した基礎力を身に付けるとともに、過去問演習などで出題傾向をつかむなどして対策しましょう。
社会科目も高配点で手抜きは禁物! ソーシャル・データサイエンス学部は「総合問題」
一橋大の商学部、経済学部、法学部、社会学部の二次試験では、社会科目として、世界史B、日本史B、地理Bの中から1科目を選びます。そのどれもが非常に難しいのですが、国語よりも配点が高いため、実は手を抜くことができません。
特に一橋大入試の地理は、日本で最も難しいと言われています。高校地理の学習範囲にとどまらず、歴史の知識を必要とするような発展的な内容が出題されます。合計1200字相当の論述問題が中心で、膨大な資料を正確に読み取る資料読解力のほか、資料から読み取った情報と自分の知識を組み合わせて解答する確かな記述力が求められます。
世界史は全問記述式の問題で、こちらも非常に難易度が高いです。ひねった問題が多く、題意をくみ取ること自体が難しいことも珍しくありません。歴史の流れをそのまま追うのではなく、さまざまな観点から歴史上の事象を考察し、記述する力が必要です。
日本史も全て記述式です。独特な視点の論述テーマが多く、歴史上の出来事を暗記するだけでは得点できません。一つの歴史事項を時代を跨いで論述させる問題が多いため、日本史全体の流れをつかむことが求められます。
このように、地理、世界史、日本史のどれを選んでも高い「思考力」と「記述力」が必要です。しかし、これらを独学で身に付けるのは至難の技です。受験対策ができる塾や予備校でしっかり勉強しないと、一橋大の社会の試験で高い点数を取るのは難しいでしょう。
一方、ソーシャル・データサイエンス学部では、地理歴史ではなく「総合問題」が課されます。これは、「社会において数理的なものの考え方を応用する力、情報技術の活用について自ら試行する姿勢を確認するための科目」とされています。まだ新しい学部なので過去問の蓄積がありませんが、数学や統計学などに関連する問題が出されるようで、ここでも高い「思考力」と「記述力」が求められると考えられます。
一橋大合格に強い予備校を選ぶ際のポイント
これまで述べたように、一橋大の二次試験の数学や社会は、東大や京大に匹敵する難易度です。もちろん、英語や国語も決して簡単なわけではなく、全体的にレベルが高いことに変わりありません。
それだけ難易度が高い試験でありながら、二次試験の比重が非常に大きいのが一橋大の特徴です。学部によっても異なりますが、例えば社会学部では、大学入学共通テストの合計点800点を180点にまで圧縮します。その結果、共通テスト満点180点、二次試験満点820点で合否を判定することになるため、合格するには点数の割合が大きい二次試験で確実に得点することが必要です。
しかし、二次試験の出題形式は共通テストとは大きく異なります。そのため、試験対策をしなければ合格を勝ち取ることは難しいでしょう。一橋大に合格するためには、一橋大の入試対策をする特別なコースや講座がある塾・予備校を選ぶべきです。
一橋大合格を目指す学生に向いている塾・予備校は?
それでは、前述の「一橋大合格に強い予備校の選び方」を踏まえた上で、おすすめの塾・予備校を紹介します。
東進ハイスクール・東進衛星予備校
東進ハイスクール・東進衛星予備校は、日本全国から選ばれた実力派プロ講師が多数在籍している大手予備校です。その高い指導力で、例年東大へ最も多くの現役合格者を送り出しており、一橋大を含む他の難関大学への現役合格者も多数輩出しています。
そんな東進の強みは、それぞれの志望校(もちろん一橋大を含む)に対応した演習講座が充実していることです。「志望校別単元ジャンル演習講座」では、合格のために取り組むべき単元・ジャンルをAIで分析し、10万問以上のデータベースから自分に合った演習問題を提示してくれます。受験本番まで時間が限られる中、効率的に志望校対策ができるのが魅力です。
「過去問演習講座」では、最大10年分の徹底した演習とプロ講師による添削指導により、大学・学部の入試傾向に沿った対策を行うことで、本番で得点できる高い実力を身に付けます。二次試験対策だけでなく、共通テスト対策もあるので安心です。
さらに東進では、一橋大専用の「一橋大本番レベル模試」を年に2回開催。一橋大の二次試験の内容と形式に合わせたものとなっており、自分の合格可能性を明らかにできます。また、本番へ向けての練習や、その後の学習プラン設定にも役立ちます。年2回、一橋専用模試があるのは東進だけとなっています。
また、「一橋大対策数学」のように一橋大に特化した講座もあります。他にも「難関国立大対策現代文」や「ハイレベル地理B演習」などの難関大受験者向けの講座も一橋大志望者向けとなっています。
こうした東進の合格メソッドは、毎年多くの学生を現役合格に導いています。一橋大に現役で合格したいという学生は、ぜひ一度公式サイトをチェックしてみましょう。
駿台予備学校
駿台予備学校は、首都圏を中心に全国に展開している大手予備校です。充実したICT環境やきめ細かい学習指導サポートなど、学生が全力で学習に取り組める環境が整っています。
駿台予備学校には、現役生を対象としたクラス「現役フロンティア」があります。同クラスには、東大・京大・東工大・一橋大を目標とする現役生のための講座「大学別演習プラス講座」があり、「一橋大数学演習プラス」「一橋大世界史演習プラス」「一橋大日本史演習プラス」「一橋大英語演習プラス」といった高度な論述力を養う実践的な演習講座を受講できます。また、一橋大に特化しているわけではありませんが、他の科目についてもハイレベルな講座が用意されています。
浪人生は「高卒クラス」で学びます。こちらには「スーパー一橋大コース」があり、一橋大入試に特化した特別な対策ができます。
代々木ゼミナール
代々木ゼミナールは、1957年に開校した歴史ある予備校で、対面授業や映像授業など自分に合った受講方法が選べるのが特徴です。また、サポート体制も整っており、学生だけでなく保護者との面談も定期的に開催されています。
代々木ゼミナールには、現役生向けの「高校生コース」が設置されています。同コースでは、一橋大に特化した「一橋大数学」「一橋大英語」のほか、「ハイレベル世界史論述」や「ハイレベル日本史論述」「地理論述」など、難関大学受験に向けたハイレベルな講座を受講できます。共通テストに特化した講座もあるため、一橋大合格に向けて万全な準備ができるでしょう。
浪人生向けとしては「大学受験科」があります。同科には「一橋大数学」や「一橋大英語」のほか、「詳細日本史講義」や「詳細地理講義」などの講座があり、自分のレベルに合った講座を組み合わせてオリジナルのカリキュラムを組めます。また「国公立論述対策テスト」という講座では、添削指導をしてもらえるため、二次試験に必要な記述力を高めることができます。