埼玉大学は1949年に開学した国立大学で、教養学部・経済学部・教育学部・理学部・工学部の5つの学部があります。学生数は2200名ほどで、中規模の総合大学となっています。
埼玉大学は国立のため受験科目数も多い上に、偏差値は50台後半~60台をマークする難関大学で、合格を狙うなら入念な対策が必要です。
この記事では、埼玉大学の入試の仕組みや難易度といった基本情報から、出題傾向と対策、おすすめ塾・予備校まで紹介しています。埼玉大学を目指している人はぜひ参考にしてください。
埼玉大学の入試制度や偏差値・難易度は?
ここでは、埼玉大学の入試に関する基本情報をお伝えします。
埼玉大学の入試制度
埼玉大学の一般選抜では、まず大学入学共通テストで7~8科目を受験しなければなりません。二次試験には前期と後期があり、全学部で両方の日程が実施されます。全体的に、二次試験の科目は1科目のみという学部が多く、共通テストの配点が高くなっています。
例として前期日程を見てみると、教養学部の二次試験は「英語」のみ、経済学部は「小論文」のみです。理学部 基礎化学科では、二次試験を行わず共通テストのみで合否が決まります。こうした配点から、埼玉大学の受験では共通テスト対策が重要になってくるでしょう。
教育学部はコースによって試験科目が細かく分かれているので、よく確認しておいてください。芸術系や身体文化(体育)系の場合、二次試験での学力検査はなく、実技が課されます。共通テスト対策と併せて実技の対策も進めましょう。
その他、埼玉大学では総合型選抜や学校推薦型選抜、帰国生徒選抜などさまざまな入試を行っています。それぞれ小論文や面接、実技などが課され、共通テストが免除される場合もあります。条件に当てはまる方はチェックしてみてください。
埼玉大学の偏差値・難易度はどれくらい?
大手予備校グループである東進のデータで、埼玉大学の偏差値を見てみます。文系の教育学部 学校教育教員養成課程(中学校 社会)、理系は理学部 基礎化学科・工学部 情報工学科・教育学部 学校教育教員養成課程(中学校 自然科学【数学】)がそれぞれ62で、最高偏差値でした。
その他、教養・経済・理・工学部の4学部は、58~61程度の高偏差値をマークしています。一方で、教育学部はコースによってレベルに大きく差があります。特に、二次試験が実技や面接のみのコースでは、学力以外の基準も重視されるため、偏差値としては高くありません。
しかし、埼玉大学が公開している志願倍率を見てみると、教育学部全体で2.7倍と決して低くないことが分かります。他の学部も4.1~6.3倍とやはり高倍率で、埼玉大学の人気がうかがえます。
埼玉大学の出題傾向と必要な対策は?
続いて、埼玉大学の入試における出題傾向と、それに合わせた対策方法を教科ごとにお伝えします。
英語は長文・英作文ともにボリュームが多い
英語は、長文読解が2題、自由英作文が1題という構成です。長文読解では文法や内容の理解度を問われ、空欄補充や「最も近いものを選べ」といった言い換え問題が頻出です。現代文に近い問題がそのまま英語で出題されるため、文の内容をしっかり理解しないと答えられません。また、長文読解はワード数・問題量がともに多いため、速読力が必要です。時間を測りながら過去問演習や問題集に取り組みましょう。
自由英作文では、社会問題などに対する自分なりの意見が求められます。120~150語と記述量は多めなので、ある程度内容も濃くしなければならないでしょう。「自分の意見→根拠→結論」という論述の基本の流れを押さえて意見を述べられるよう、硬めのテーマで英作文の演習を重ねてください。
記述量が多い国語は講師に採点してもらうのがベター
国語は例年、教育学部では現代文・古文・漢文がそれぞれ1題ずつ、経済学部では現代文2題という構成で、現代文の大問1は共通です。現代文の難易度は標準的ですが、文章量がかなり多いため、速く正確に内容を理解する力が求められます。また、設問はほぼ全て記述式で、60~120字で内容を要約・説明するものが多いです。記述の自己採点は難しいため、予備校講師などに採点してもらうと良いでしょう。
その一方、古文・漢文の問題文は短めでレベルも標準的。古文・漢文は素早く解答し、現代文に時間を割くのが理想的です。文学史からも出題されるため、重要な古典作品や作者についてしっかり暗記しておきましょう。
数学は頻出範囲を重点的に、記述式解答の対策をしよう
数学は全問記述式で、文系数学は数Ⅰ・A・Ⅱ・B(数列、ベクトル)、理系数学はこれに数Ⅲを加えた範囲から出題されます。記述式解答は自分だけでは採点しづらいため、予備校の講師などに採点してもらうのがおすすめです。
理系数学はやや難しめで、思考力を問われる傾向にあります。微分・積分や数列、三角関数、確率などが頻出ですが、幅広い単元から出題され、証明問題も含まれます。特に、受験生の差が付きやすい微分・積分と証明問題については、重点的に対策してください。
また理学部 数学科については、埼玉大学では珍しく「共通テスト:個別試験=1:1」の配点で、個別試験も重視されているため、数学の対策に力を入れてください。
文系数学は標準レベルで、共通テストレベルの内容を理解していれば高得点が期待できます。ただし、記述式解答の対策を忘れずに行ってください。また、文系も出題範囲が広く、融合問題も頻出です。そのため各単元の基礎を固め、苦手を潰しておくことが重要となります。
埼玉大学に合格しやすいのはどこ? おすすめ塾・予備校3選
ここでは、埼玉大学への合格を目指す受験生におすすめの塾・予備校を3校厳選しました。ぜひ予備校選びの参考にしてください。
東進ハイスクール・東進衛星予備校
東進ハイスクール・東進衛星予備校(以下、東進)は、映像授業や多彩な講座を組み合わせて幅広い対策ができ、国立大学を目指す人におすすめの予備校です。2023年度は埼玉大学の191人をはじめとして、全国の国公立大学に1万7154人が現役合格しています(現役生のみ、講習生含まず)。
AIを活用して最適な演習問題を出してくれる「志望校別単元ジャンル演習講座」など、東進には数多くの講座があります。中でもおすすめは「過去問演習講座」です。この講座では、大学受験のプロが過去問の採点・添削・解説授業をしてくれるため、過去問演習の質を高められます。埼玉大学の全学部(一部科目を除く)と、共通テストに対応しているため、チェックしてみてください。
また、東進は模試が充実していることでも知られています。東進の模試は受けて終わりではなく、解説授業や「復習ツール」を活用し、理解できていないところをしっかりカバーできます。埼玉大学志望の人は、年5回実施される「全国有名国公私大模試」を受けてみましょう。
栄光ゼミナール 大学受験ナビオ
大学受験ナビオはZ会グループの予備校で、毎年安定した合格実績を出しています。2023年度は埼玉大学を含め、全国の国公立大に354人が合格しました(講習生含まず)。
ナビオでは、専任ナビゲーターによるサポートや選べる多様な受講スタイル、快適な学習環境を用意しており、多くの受験生を現役合格に導いています。特に、共通テスト対策や国公立大学の二次試験対策が充実しているため、埼玉大学を志望する人にはぴったりです。
二次試験対策の受講スタイルは、グループ指導・個別指導・映像指導の3種類から選べます。科目ごとにスタイルを選ぶことができ、「苦手科目は個別指導でしっかり」「得意科目は映像指導でどんどん先に進む」など、使い分けると効果的です。またナビオでは、学校推薦型・総合型選抜対策も行っており、二次試験に面接や小論文がある人はこちらを活用しましょう。
四谷学院
四谷学院は、多くの受験生を合格圏外から逆転合格に導いてきた実績を持ちます。特に、基礎が不安な人や、どこが自分の弱点か分からない人におすすめの予備校です。そんな四谷学院の授業は、「科目別能力別授業」と「55段階個別指導」の二本柱となっています。
「科目別能力別授業」では科目ごとに細かくレベルをチェックした上で、それぞれの実力に合ったクラス分けが行われます。レベル診断テストは毎月実施されるため、学力の伸びに合わせていつでも最適なレベルの授業が受けられるのです。
「55段階個別指導」は、受験に必要な知識やテクニックを、高校生が理解しやすい順序に並べ替えて学習するプログラムです。中1レベルからスタートすることも可能で、個別指導でじっくり教えてもらえるので、基礎力を付けたい人にぴったりの講座と言えます。この2つを組み合わせた「ダブル教育」を受けることで、無駄なく最短距離で埼玉大学合格を目指せるでしょう。