総合型選抜の面接対策を徹底解説!よく聞かれる質問と5つのポイント

総合型選抜(旧AO入試)では、面接試験が合否を大きく左右します。志望理由書や小論文でしっかりアピールできていても、面接でうまく答えられなければ評価を落としてしまうことも少なくありません。

「どのような質問をされるのだろう」「緊張して話せなかったらどうしよう」と不安に感じている方も多いのではないでしょうか。

この記事では、総合型選抜における面接試験の種類や特徴、よく聞かれる質問と回答例、当日の流れや面接マナーを詳しく解説します。しっかりと面接対策を行ない、自分の人柄や意欲を自信に満ちた態度で伝えられるように準備していきましょう。

目次

総合型選抜、どのようなことを問われるの?

総合型選抜の対策を練るためには、総合型選抜ではどのようなことを問われるのかを押さえておくことが大切です。ここでは、総合型選抜の特徴について解説します。

総合型選抜については、以下の記事も併せて参考にしてください。

総合型選抜の特徴

総合型選抜は、文部科学省による大学入試改革の一環として、AO入試に代わって導入された選抜方法です。受験生の能力・適性や学習に関する意欲などについて時間をかけて総合的に評価することで、アドミッション・ポリシーにマッチする学生を選抜します。

AO入試との大きな違いは、マッチ度のみならず学力も問われるようになった点にあります。従来のAO入試では学業成績がさほど重視されない傾向にあったため、基礎学力すらおぼつかない学生が入学するという事態を招いていました。その問題を解決するため、総合型選抜では学力も測られるようになったのです。

総合型選抜は、国公立大学と私立大学とで異なる点もあります。以下、国公立大学と私立大学それぞれの総合型選抜の特徴について解説します。

国公立大学における総合型選抜の特徴

国公立大学の総合型選抜では、第1次選考として書類審査、第2次選考として面接や小論文が課されることが一般的です。審査書類として課題レポートの提出を求める大学や、面接の一環としてプレゼンテーションや口頭試問を課す大学もあります。

また、学力を測るために大学入学共通テストを課す大学が増加傾向にある点も、国公立大学における総合型選抜の特筆すべき特徴の一つです。

私立大学における総合型選抜の特徴

難関とされる私立大学における総合型選抜では、第1次選考として書類審査、第2次選考として面接や小論文など、国公立大学と同様の試験が課されることが多いです。

そのほか、多くの私立大学では、複数回の面談を通してアドミッション・ポリシーとのマッチ度や学ぶ意欲を測る対話型の選抜が行なわれています。じっくりと人物評価を行なうために出願前にエントリーを求める大学や、時期をずらして2~3度選抜を行なう大学も少なくありません。

国公立大学の総合型選抜を受験するにしても、私立大学の総合型選抜を受験するにしても、対策を要するのが志望理由書(エントリーシート)・面接・小論文の3つです。以下より、志望理由書・面接・小論文の対策についてそれぞれ解説します。

総合型選抜の志望理由書(エントリーシート)対策

総合型選抜の第1次選考として課される書類審査を突破するための要となる書類が、志望理由書です。

ここでは、志望理由書の概要について解説したうえで、志望理由書対策のポイントについて紹介します。

志望理由書とは

志望理由書とは、「なぜこの大学に入学したいと考えるようになったのか」という志望動機とともに、「この大学でどのようなことを学びたいのか」「なぜこの大学で学ぶ必要があるのか」など、大学での学びに対する意欲や大学とのマッチ度をアピールする書類です。

第1次選考の審査材料になるほかにも、第2次選考で課される面接試験でも利用されます。そのため、志望理由書は総合型選抜突破の鍵となる重要な書類といえます。

志望理由書対策のポイント

志望理由書対策を行なう際には、以下に挙げる5つのポイントを押さえておきましょう。

1. 自己分析を行なう

志望理由書を書くためにまず行なわなければならないことは、自己分析です。過去・現在・未来に分け、自分の経験や価値観、ビジョンなどを整理しましょう。

とはいえ、いたずらに物事を列挙しても、志望理由書に記すにふさわしい材料は集まりません。最初に「どのような職業に就いて何をしたいか」など、大学卒業後のビジョンを明らかにしたうえで、「そのビジョンを掲げたきっかけは何か」「ビジョン達成のために高校時代したことは何か」「ビジョン達成のために大学で学びたいことは何か」などを逆算思考で紐解いていけば、効率的に自己分析を行なうことができます。

2. 志望大学を知る

志望大学を知ることも、志望理由書を書くうえで欠かせない重要なタスクです。アドミッション・ポリシーはもちろん、建学の精神、カリキュラムやゼミ、取得可能な資格、研究室・教授の研究内容、施設・設備などもしっかり押さえておきましょう。

以上の情報は大学のホームページやパンフレットでも確認できますが、オープンキャンパスに参加して大学の雰囲気を肌で感じ、大学の魅力を心に焼き付けることをおすすめします。また、気になるほかの大学の情報についても比較して調べれば、志望大学の魅力・強みをより深く知ることができるでしょう。

3. 志望大学でなければならない理由を明確にする

志望理由書は、「この大学でなければならない理由」を伝えるための書類です。そのため、自己分析が済み、志望大学への理解が深まったら、「なぜこの大学で学ぶ必要があるのか」「なぜこの大学に魅力を感じるのか」など、自分と志望大学とを結び付けて志望大学でなければならない理由を明確にしましょう。

志望大学でなければならない理由を考える際には、アドミッション・ポリシーを念頭に置いておくことが大切です。自分とアドミッション・ポリシーとのマッチ度をアピールできる理由を考えてください。

4. 「学問への関心」「大学での学び」にはより具体性を持たせる

志望理由書に盛り込むべき内容としては、おもに「志望のきっかけ」「学問への関心」「大学での学び」「将来の展望」の4つが挙げられますが、なかでも充実させるべきは「学問への関心」「大学での学び」です。

大学で学びたいと考えている学問に関してどのような取り組みを行なってきて、どのような考えや疑問を持っているのか、大学では何をどのように学びたいのか。できるだけ具体性を持たせられるように練り上げていきましょう。

5. 必ず第三者に添削してもらう

志望理由書を書き上げたら、大学に提出する前に必ず第三者に添削してもらってください。自分ではこれ以上手直しのしようがない会心の出来だと感じられても、第三者から見ると言葉足らずな部分や蛇足と感じられる部分、文章にねじれが生じている部分などが残っていることがままあります。

学校の先生や塾・予備校の講師など、大学受験に精通している人に添削してもらい、誰が読んでも違和感がなく、説得力のある志望理由書に仕上げましょう。

活動報告書・学修計画書が必要な場合も

総合型選抜を実施する大学のなかには、活動報告書・学修計画書を第1次選考の合否の判断材料に加える大学も少なくありません。

活動報告書とは、部活動や生徒会活動、インターンシップ、資格取得、留学、ボランティア活動、芸術・文化活動など、学校内外の活動を記す書類です。活動報告書の提出を求める大学を受験する場合には、早いうちから大学がどのような学生を求めているかを念頭に置き、活動実績を積み上げていくことをおすすめします。

一方、学修計画書とは、大学卒業後のビジョンに向け、大学入学後、各学年において何をどのように学んでいきたいかを記す書類です。大学のカリキュラムやゼミ、研究室の研究内容などを調べ、より具体的な計画を練りましょう。

総合型選抜の面接対策の重要性

国公立・私立問わず、多くの大学は第2次選考として面接試験を実施しています。

面接は受験生の学力だけでなく、人柄や意欲を見極める重要な要素であり、合否に大きく影響します。そのため、総合型選抜に臨むなら、面接対策は必須といえるでしょう。

次章からは、総合型選抜における面接の概要を整理したうえで、具体的な面接対策のポイントについて紹介します。

総合型選抜の面接試験の種類と特徴

総合型選抜で課される面接試験には、いくつかの形式があります。

おもなものは以下の5種類で、それぞれ特徴や評価の観点が異なるため、志望校の出題傾向を踏まえた対策が必要です。

個人面接

個人面接は、1人の受験生と1人または複数人の面接官で行なわれる面接試験です。10~30分程度行なわれるのが一般的で、志望理由や高校時代の取り組みなど基本的な質問に加えて、1つのテーマについて深く掘り下げて聞かれることもあります。

自分の考えを筋道立てて説明できるか、人柄や学習意欲をどう表現できるかが評価のポイントです。

集団面接

集団面接は、複数人の受験生と1人または複数人の面接官で行なわれる面接試験です。

1人当たりの回答時間は5~10分程度で、最初に簡単な自己紹介を行ないます。そのあとに共通質問、さらに個別質問へと進むのが一般的な流れです。

限られた時間のなかで、自分の強みを的確に伝えられるかどうかが合否を左右します。

口頭試問

口頭試問は、口頭での質問によって知識を問われる面接試験です。特に国公立大学の理・工・農学系や医療系で多く実施され、課題文の要約や定理の説明、黒板を使った解答などを通じて知識や論理的思考力を確認します。

基礎的な質問が中心ではあるものの、短時間で考えを整理し、自分の言葉でわかりやすく説明する力が求められるのが特徴です。

グループディスカッション

グループディスカッションは、複数人の受験者をグループに分けて議論させる形式の面接試験です。与えられたテーマについて5~10名ほどで討論し、そのなかで意欲や知識量、協調性などが評価されます。

自分の立場を明確にしつつ論理的に発言する力と、他者の意見を尊重しながら議論を深める姿勢の両方が重要です。

プレゼンテーション

プレゼンテーションは、受験者が自身の魅力や与えられたテーマについて発表を行なう面接試験です。発表時間は5~15分程度で、自己PRや研究課題を説明したあとに質疑応答に答える流れが多い傾向にあります。

要点を整理して自分の言葉で堂々と説明することが評価につながり、表現力や主体性を効果的にアピールできる場です。

総合型選抜の面接でよく聞かれる質問と回答例

面接では幅広い質問がなされますが、大きく分けると「志望理由・大学選び」「高校生活・活動」「将来の夢・キャリア」「時事問題や社会的意義」の4つのカテゴリに整理できます。

それぞれの代表的な質問と回答の考え方を紹介します。

志望理由・大学選びに関する質問

志望理由や大学選びに関する質問は、総合型選抜の面接で非常に重視される項目です。

志望動機、この大学でなければならない理由、学びたい内容やその社会的意義、希望する教授や研究室、大学の印象、専願か併願かといった内容を中心に問われます。

受験生が大学についてどれだけ調べ、自分の将来像と結び付けて考えているかが見られるため、表面的な答えでは評価されにくいのが特徴です。

<質問例>

  • なぜ本学を志望したのですか?
  • 他大学ではなくこの大学を選んだ理由は?

<回答例>

この大学の△△研究室で□□を学びたいと考えています。学びを通して、将来××に貢献できると感じたことが志望理由です。

志望理由書の内容と一貫性を持たせ、大学の教育内容や教授の研究と関連付けて具体的に話すことが大切です。

高校生活・活動に関する質問

高校時代にどのような経験をしてきたかは、受験生の人柄や努力の姿勢を知るうえで重要な材料となります。長所・短所や好きな教科・科目、高校生活の思い出、力を入れた活動、大学での学びにつながる活動経歴などがよく問われる傾向です。

ここで単なるエピソードを並べるだけでは不十分で、経験から得た学びを大学生活にどう活かすかを伝えることで、説得力が増すでしょう。

<質問例>

  • 高校生活で一番印象に残っていることは?
  • 高校で力を入れた活動は?

<回答例>

「部活動で後輩をまとめた経験から、リーダーシップの大切さを学びました。大学でもグループ研究や活動でこの力を活かしたいと考えています。

活動を通じて得た成長や学びを明確にし、それを大学の学びや研究活動にどう結び付けられるかを語ることが重要です。成果だけでなく、困難をどう乗り越えたかを話すと人柄も伝わります。

将来の夢・キャリアに関する質問

このカテゴリの質問意図は、大学での学びとその先のキャリアをどう描いているかを確認することです。

面接官は、将来像が現実的かどうか、それを大学での学びにどう結び付けているかを重視します。単に「将来は○○になりたい」と答えるだけでは説得力に欠けるため、学びのプロセスと関連付けることが大切です。

<質問例>

  • 将来どのような職業に就きたいですか?
  • 大学で学んだことを将来どのように活かしますか?

<回答例>

将来は地域医療に貢献できる医師になりたいと考えています。そのためにも、基礎研究と臨床実習に強みを持つ貴学で学ぶことを希望します。

具体的な職業名やキャリア像を挙げつつ、なぜその道を目指すのか、自分の経験や関心とどうつながっているのかを説明しましょう。そのうえで、大学の教育環境が目標達成にどう役立つのかを語ると説得力が高まります。

時事問題や社会的意義に関する質問

社会に目を向ける姿勢や、自分の関心分野との関連付けができるかを問うのがこのカテゴリです。新聞やニュース、専門分野の最新動向を日頃から追っておきましょう。

単なる知識披露ではなく、「自分ならどう考えるか」「その課題を将来どう解決したいか」を答えることが求められます。

<質問例>

  • 最近気になるニュースは?
  • 社会的に重要だと思う課題は何ですか?

<回答例>

生成AIの普及は社会に大きな影響を与えると考えています。法制度や倫理の整備が必要であり、私は経済学部でこのテーマに関連する研究を深めたいと思います。

自分の志望分野や将来像と関連付けて語ると、学びへの意欲が伝わりやすくなります。意見を述べる際には賛否だけでなく理由や具体例を添えることが大切です。

総合型選抜の面接対策の5つのポイント

総合型選抜の面接は、しっかりと準備をして臨むことが大事です。ここで紹介する5つのポイントを参考に、一つひとつ丁寧に準備を進めていきましょう。

説得力のある志望理由を準備する

面接では、説得力のある志望理由を述べ、入学への強い意志をアピールすることが大切です。

志望理由に強い説得力を持たせるためには、志望理由にまつわる知識を深める必要があります。

大学のカリキュラムやゼミ、取得可能な資格、研究室・教授の研究内容などはもちろん、志望大学で学びたいと考えている学問についての知識も、ある程度は身に付けておきましょう。また、時事問題について自分なりの見解を持っておくこともポイントです。

簡潔で伝わりやすい話し方を身に付ける

面接で自身の考えや思いを誤解なく相手に伝えるためには、簡潔で伝わりやすい話し方を身に付けておくことも必要不可欠です。

簡潔で伝わりやすい話し方を身に付けるために押さえておきたいポイントとしては、以下の3つが挙げられます。

  • 結論を先に述べ、理由はあとに述べる。
  • 相手が求めている情報を正確にとらえ、それ以外の情報についてはダラダラと話さないように心がける。
  • ゆっくりはっきり、抑揚をつけて話す。

返答に困ったときの対応法を知っておく

面接では予想外の質問をされ、返答に困ってしまうこともあり得ます。そのようなときに押し黙ってしまっては、減点は免れません。このような事態に陥ることを防ぐためにも、返答に困ったときの対応の仕方はしっかりと押さえておきましょう。

返答に困ったときの対応例としては、以下の3つが挙げられます。

  • 即答が難しい場合には、「少し考える時間をください」とお願いする。
  • 質問の意図がわからなかった場合には、「○○についての質問という認識でお間違いないでしょうか?」と質問の内容についてかみ砕いて聞き返す。
  • 知識不足で答えられない場合には、「勉強不足で回答できません」と素直に認め、今後知識を深めていく意志を示す。

逆質問を用意して熱意をアピールする

面接では、「最後に何か質問はありますか?」と問われることがままあります。この「逆質問」は、逆転のチャンスです。逆質問をうまく活用すれば、自身の熱意をアピールできます。

逆質問の具体例としては、以下のようなものが挙げられます。

  • 大学入学までに学問に必要な教養をある程度身に付けておきたいのですが、読んでおくべき書籍はありますか?
  • ○○を学ぶにあたり、受講するべき講義はありますか?
  • ゼミではどのような流れで研究活動を行なっているのですか?

模擬面接で練習し場慣れする

面接では、緊張のあまり頭が真っ白になってしまい、うまく受け答えができなくなってしまう可能性もあります。落ち着いて本番に臨むためには、場慣れするまで練習を繰り返すことが大切です。

学校の先生や塾・予備校の講師などに協力してもらい、実際の面接に近い雰囲気のなかで何度も面接の練習をしましょう。

以下の記事では、総合型選抜の対策におすすめの塾・予備校について詳しく解説しています。

総合型選抜の面接当日の流れ

面接当日は緊張しがちですが、基本的な流れを把握しておくことで落ち着いて臨めるでしょう。

ここでは一般的な面接の流れと、知っておきたい特別なケースについて解説します。

入室前から退室までの基本的な流れ

面接当日の一般的な流れを確認しておきましょう。

  • 1. 控室での待機

控室では静かに待機し、私語やスマートフォンの操作は控えましょう。係員の指示があった場合には、落ち着いて必ずしたがうことが大切です。

  • 2. 入室

名前を呼ばれたら大きな声で返事をし、ドアを3回ノックしてから入室します。入ったあとは、ドアを静かに閉めることを忘れないようにしましょう。

  • 3. 挨拶

入室後は姿勢を正し、「○○高校の△△です。よろしくお願いします」とはっきり述べてからお辞儀をします。第一印象を良くする大切なポイントです。

  • 4. 着席

「どうぞ」と促されたら「失礼します」と答えてから着席します。背筋を伸ばし、椅子の背にもたれずに座ると、誠実な印象を与えられます。

  • 5. 回答

質問を受けたら面接官の顔を見て、落ち着いてゆっくり答えましょう。緊張しても下を向かず、視線をしっかり保つことが大切です。

  • 6. 退室

面接が終わったら「ありがとうございました」と述べて立ち上がり、分離礼(言葉のあとにお辞儀)をして退室します。最後にドアの前でもう一度礼をすると、より丁寧な印象を残せます。

圧迫面接をされることもある?

面接では、「ほかの大学でも良いのではないですか?」「なぜ○○をしなかったのですか?」など、少し意地悪にも思える質問を畳みかけられる、いわゆる「圧迫面接」をされることもあります。

圧迫面接に動揺しないためには、否定的な言葉を投げかけられたらどう答えるか、どのように反論するか、あらゆるパターンのシミュレーションをしておくことが大切です。学校の先生や塾・予備校の先生の協力を仰ぎながら、圧迫面接への対策もしっかりと練っておきましょう。

オンライン面接の場合の対応方法

近年は、ZoomやGoogle Meetといったオンラインツールを用いた面接も行なわれています。答え方や姿勢は対面と同じですが、オンラインならではの準備も欠かせません。

本番前には通信環境を確認し、カメラやマイクの映り方・音声を家族や友人とテストしておくと安心です。

背景は白い壁やカーテンなどシンプルなものを選び、部屋は余計なものが映らないよう整えておきましょう。照明を工夫して顔を明るく映し、カメラは目線より少し上に設置すると姿勢が良く見えます。

回答するときは画面ではなくカメラのレンズを見るようにし、声は普段よりやや大きめにはっきり話すのがポイントです。また、服装や髪形は対面と同様に整えましょう。

面接終了後も通信が切れるまで油断せず、最後まで丁寧な態度を心がけることが重要です。

総合型選抜の面接マナーと身だしなみの注意点

面接では、どれだけ志望理由や将来の目標をしっかり答えられても、マナーや身だしなみに不備があると評価が下がってしまうことがあります。

第一印象を良くするためにも、基本的なマナーと服装のポイントを押さえておくことが大切です。

面接で意識したい基本マナー

面接では、受け答えの内容だけでなく、立ち居振る舞いや態度もチェックされます。

面接に臨むにあたって最低限身に付けておきたいマナーとしては、以下のようなものが挙げられます。

  • 挨拶をする
  • 正しい姿勢を保つ
  • 鞄は隣の椅子もしくは床に置く
  • 面接官の顔を見て話す
  • 待機中の私語やスマートフォンのチェックは控える

面接時の身だしなみの注意点

服装については制服を着用していけば問題ありませんが、シャツのボタンは一番上まで留め、ネクタイやリボンをしっかり結ぶなど、正しい着こなしを意識しましょう。

制服がない場合には、白のワイシャツ・ブラウスに黒・紺・グレーのジャケット、スラックス・スカートといった制服に準じる服装、もしくはリクルートスーツを着用するのがおすすめです。

また、髪形は耳や目が隠れないように整え、スタイリング剤の使いすぎには注意してください。なお、メイクやネイル、アクセサリーの着用は基本的に避けたほうが安心です。

総合型選抜の小論文対策

総合型選抜の第2次選考として小論文を課す大学も決して少なくありません。そのため、面接と同様、総合型選抜を突破するためには小論文の対策も避けて通ることはできないと考えておくべきでしょう。

ここでは総合型選抜における小論文の概要について解説したうえで、小論文対策のポイントについて紹介します。

小論文とは

小論文とは、根拠・理由を明確にしながら自身の意見・主張を論理的に述べる文章です。体験・感想について多様な表現を用いて情緒豊かに述べることを求められる一般的な作文とは異なり、論理性・説得力が求められます。

小論文のおもな出題形式は、以下の3つです。

テーマ論述型与えられたテーマについて、設問の指示にしたがって論述する。
文章読解型課題文を読んで要約を行ない、課題文に対する自分の意見を論述する。
資料分析型グラフ・表・図などを読み解き、読み取れたことについて自分の考えを論述する。

小論文対策のポイント

小論文対策を行なう際には、以下に挙げる3つのポイントを押さえておきましょう。

1. 基本的な型を押さえる

論理的で説得力のある小論文を書くためには、基本的な構成の型を押さえておく必要があります。型には問題提起→意見提示→論拠提示→結論や、序論→本論→結論など、いくつかありますが、ここではその一例を紹介します。

以下①~④の型に当てはめて書けば、筋道の通った小論文にまとめることができます。

①結論問題に対する自分の立場を表明する。
〈例:私は○○に反対する〉
②根拠・理由自分の意見を裏打ちする根拠・理由を示す。
〈例:私が○○に反対する理由は○つある。1つ目は……〉
③反論・反駁反対意見に言及し、反対意見への反論を述べる。
〈例:たしかに、○○という意見もあるだろう。しかし……〉
④再結論これまでの論を整理・補足し、自分の意見をあらためて表明する。
〈例:以上の理由から、私は○○と考える〉

2. 評論文の精読を行なう

論理的な文章を書くためには、論理的な文章を読み込むことが大切です。小論文の参考になる論理的な文章としては、あるテーマ・問題について筆者が意見を主張している評論文が挙げられます。

評論文を精読すれば、特有の言い回しや論理展開の仕方などを習得できます。また、文章読解型の小論文対策にもなります。

精読する評論文は、過去問を中心として選ぶとよいでしょう。また、小論文に限らず、現代文の過去問などをチェックし、記述問題に取り組んだり、要約したりすることもおすすめです。

3. 第三者に添削してもらう

実際に小論文を書いてみても、書きっぱなしでは意味がありません。とはいえ、自分で添削を行なっても、論理性・説得力は十分か、よくわからないものです。そのため、小論文を書き上げたら、必ず学校の先生や塾・予備校の講師などの第三者に添削をしてもらってください。

ただし、添削の結果に一喜一憂しているだけでは十分な効果は得られません。必ず書き直しを行ない、ブラッシュアップしていきましょう。

ここまで、試験対策などを詳しく解説しましたが、実際に予備校に行ったほうが良いのか・どのタイミングで行くべきなのかはわからない点も多いかと思います。そんな人は、予備校にいつから通ったほうがいいのか、解説する記事も掲載していますので、そちらも参考にしてみてください。

まとめ

総合型選抜の合否を大きく左右するのが面接試験です。志望理由書や小論文と同じくらい、あるいはそれ以上に受験生の人柄や意欲を見極める場として重視されています。そのため、総合型選抜に挑むなら面接対策は必須といえるでしょう。

面接対策では、志望理由書との一貫性を持たせつつ、自分の経験や将来像を具体的に語れるよう準備しておくことが大切です。また、挨拶や姿勢、表情といった基本的なマナーの遵守も評価につながります。

大学のアドミッション・ポリシーを理解し、日頃から自分の考えを言葉にする練習を重ねれば、本番でも自信と意気込みを持って臨めるはずです。

なお、総合型選抜の対策は、自分1人ではできないことも少なくありません。1人で悩まず、学校の先生や塾・予備校の講師などの手を借りて合格を目指しましょう。