筑波大学を目指すならどの予備校? 入試制度や偏差値、入試対策のポイントも解説!

筑波大学は、茨城県つくば市に本部を置く国立総合大学です。東京教育大学が前身だったこともあって幅広い学問分野を網羅しています。各分野において専門性の高い教育・研究に取り組んでいるため、「大学院まで進学して学問を究めたい」と考えている人を中心に高い人気を誇っています。

そんな筑波大学に合格するために予備校に通おうと考えているものの、どの予備校を選べば良いかがわからず、悩んでいる人は少なくないでしょう。

そこで、今回は、筑波大学の入試制度や偏差値、入試対策のポイントについて解説。筑波大学を目指す人におすすめの予備校も、3校紹介します。予備校に通って筑波大学合格を目指したいと考えている人は、ぜひ参考にしてください。

筑波大学の入試制度、偏差値・難易度

まずは、筑波大学の学類・学群を紹介した上で、入試制度と偏差値・難易度について解説します。

筑波大学の学類・学群

一般的な大学では、「学部・学科」という名称を用いていますが、筑波大学では「学群・学類」という名称を用いています。

筑波大学が設置している学群・学類は、下表のとおりです。

学群学類
人文・文化学群人文学類
比較文化学類
日本語・日本文化学類
社会・国際学群社会学類
国際総合学類
人間学群教育学類
心理学類
障害科学類
生命環境学群生物学類
生物資源学類
地球学類
理工学群数学類
物理学類
化学類
応用理工学類
工学システム学類
社会工学類
情報学群情報科学類
情報メディア創成学類
知識情報・図書館学類
医学群医学類
看護学類
医療科学類
体育専門学群
芸術専門学群
総合学域群

筑波大学の入試制度

筑波大学が設けている主な入試制度は、一般的な国立大学と同様、「一般選抜」「総合型選抜」「学校推薦型選抜」の3つです。ここでは、筑波大学の入試制度の中でも、予備校の力を借りて突破したい一般選抜について解説します。

筑波大学は、一般選抜の二次試験として個別学力検査などを課しています。大学入学共通テストと筑波大学独自の試験の合計点により、合否を決定するシステムです。

また、二次試験には、「総合選抜」と「学類・専門学群選抜」の2つの選抜方式があります。ただし、総合選抜と学類・専門学群選抜を併願することはできません。

以下より、総合選抜と学類・専門学群選抜について、それぞれ解説します。

〈総合選抜〉

総合選抜は、さまざまな学問分野に触れた上で自らの専門を見定めたいと考えている人のために、学群・学類の枠を越えて入学者を選抜する制度です。総合選抜で合格した場合、1年次は総合学域群に所属し、2年次からは体育専門学群を除くいずれかの学群・学類に進みます。

総合選抜には「文系」「理系Ⅰ」「理系Ⅱ」「理系Ⅲ」の4つの区分があります。特定の選抜区分で入学した学生を優先して受け入れる学群・学類もあるため、入学者選抜要項をしっかりチェックしておきましょう。

なお、総合選抜は前期日程のみの実施です。

〈学類・専門学群選抜〉

学類・専門学群選抜は、学類ごとに独自の試験を課し、入学者を選抜する制度です。ほぼすべての学群・学類で、前期と後期の両日程、あるいは前期と後期のどちらかの日程で実施されます。この点については、入学者選抜要項をよく確認しておきましょう。

また、人文・文化学群 日本語・日本文化学類のみ、この選抜方式がありませんので注意が必要です。

筑波大学の偏差値難易度

東進のデータによると、筑波大学の一般選抜の偏差値は、65~75となっています。

筑波大学の中でも特に偏差値が高い学群・学類は、以下のとおりです。

偏差値学群・学類
75医学群 医学類(前期)
情報学群 情報科学類(後期)
人文・文化学群 比較文化学類(後期)、人文学類(後期)
74社会・国際学群 社会学類(前期)
73人間学群 心理学類(前期)
社会・国際学群 国際総合学類(前期)
理工学群 社会工学類(後期)、工学システム学類(後期)

一方、偏差値が比較的低い学群・学類としては、以下が挙げられます。

偏差値学群・学類
67理工学群 数学類(前期)
生命環境学群 地球学類(前期)、生物学類(前期)
66情報学群 知識情報・図書館学類(前期)
医学群 医療科学類(前期)
65医学群 看護学類(前期)

筑波大学の難易度は、学群・学類によって異なります。しかし、偏差値が比較的低い学群であっても、偏差値65程度は最低限必要です。そのため、筑波大学は旧帝国大学にも引けを取らないと言っても過言ではないでしょう。

筑波大学の入試対策のポイント

筑波大学の入試を突破するためには、以下の2つのポイントを押さえておくことが大切です。

大学入学共通テストは得点率8割以上を目指す

筑波大学への挑戦を見据えて大学入学共通テストを受験するのであれば、得点率8割以上を目指しましょう。ただし、医学群医学類をはじめとする人気の学群・学類や、後期日程を受験する場合には、得点率9割以上を目指す必要があります。

筑波大学の一般選抜に挑戦するためには、筑波大学の各学群・学類が指定する大学入学共通テストの教科・科目を受験する必要があります。必要な教科・科目は、5~6教科・5~8科目、配点は450~1000点です。学群・学類、日程によって指定される教科・科目の種類および数、配点は異なっているため、入学者選抜要項の確認が必要です。

筑波大学の一般選抜では、二次試験との合計点で合否が判定されます。そのため、二次試験の配点が高い学群・学類では特に、二次試験次第で逆転合格できる可能性は十分にあります。

しかし、募集人員に対して志望者数が大きく上回った場合には第1段階選抜、いわゆる「足切り」が行われる可能性があるため、油断は禁物です。

二次試験では記述力・論述力が問われる

筑波大学における一般選抜の二次試験では、一般的な国立大学と同様、前期日程ではほとんどの学群・学類で2~4教科の個別学力検査の受験が必要です。また、後期日程では面接もしくは小論文が課されます。

筑波大学の個別学力検査の内容は全学群・学類共通ですが、学群・学類によって課される教科・科目の種類および数、配点は異なります。入学者選抜要項を、しっかりと確認しておきましょう。

筑波大学の個別学力検査を突破するためには、各教科の出題形式や傾向を押さえておくことが大切です。各教科の出題形式や傾向は、以下のとおりです。

教科出題形式傾向
英語読解問題2題、英作文1題読解問題では、わかりやすい日本語を使っての和訳問題が多く出題される傾向。
国語現代文2題、古文1題、漢文1題ほとんどが記述・論述問題。古文では和歌、漢文では白文が出題される傾向。
数学学類ごとに必答問題・選択問題が指定され、そこから2~5題を解答する

理系では、記述問題や証明問題、図示問題などが出題される傾向。
社会世界史・日本史・地理のいずれも、400字の論述問題が4題出題される。指定語句を使っての説明を求められることが多い。また、日本史・地理では資料問題が出題されることも。
理科物理・化学は3題、生物は4題。いずれの科目でも、記述・論述問題、計算問題が出題される傾向。

筑波大学の個別学力検査では、奇をてらった問題が出題されることはほとんどありません。ただし、どの教科においても記述・論述問題が多く出題される傾向があるため、基礎を固めた上で、記述力・論述力を鍛えておく必要があります。

記述力・論述力は後期日程で課される小論文においても求められる力であるため、しっかりと磨いておきましょう。

筑波大学を目指す学生におすすめの塾・予備校

筑波大学を目指すために塾・予備校に通いたいと考えているのであれば、筑波大学の対策に強い塾・予備校を選ぶことをおすすめします。

中でも、筑波大学の合格者を多く輩出している塾・予備校は、筑波大学の入試について多くのデータを持っているため、受験対策をする上でも有利です。

以下より、筑波大学を目指す学生におすすめの塾・予備校を3つ紹介します。

東進ハイスクール・東進衛星予備校

東進ハイスクール・東進衛星予備校は、全国に約1000校もの校舎を構えている大手予備校です。2022年度大学入試では、333人を筑波大学現役合格に導いています(講習生は含まず)。なお、そのうちの31人が医学群医学類合格者です。

選りすぐりの実力講師陣による授業・指導、学力・志望校に合わせて選べる通期・通年講座や、モチベーションを高めるワークショップやグループ・ミーティングなどにより、筑波大学の入試を突破する上で必要な力を効率的に培えます。

そんな東進には、筑波大学の入試突破をサポートする講座が多数用意されています。たとえば大学別の過去問演習ができる「過去問演習講座」では、筑波大学の全学部の二次試験対策が可能。作成した答案は、各科目のスペシャリストが厳正に採点・添削してくれるため、得点力を確実にアップさせられます。

また、最新のAIによる学力診断が受けられる「志望校別単元ジャンル演習講座」も必見。受講することで、筑波大学合格のために対策すべき単元やジャンル、問題が明確になります。自分が対策すべき問題は、10万問以上のデータベースから提案してもらえるのも魅力的。

さらに東進では、「早慶上理・難関国公立大模試」も年に5回実施しています。この模試は、筑波大学を始めとした難関国公立・私立大学の入試本番で求められる、論理力・記述力を養うことを目的としたもの。本番レベルの問題が出題されるため、積極的に受験するとよいでしょう。

一方、東進の通期講座には、筑波大学のみに特化したものはありません。しかし、「難関国立大総合英語」「ハイレベル世界史」などは、筑波大学を含めた難関国公立大学レベルの講座となっています。前述の講座とともに受講すれば、問題なく入試対策できるはずです。

河合塾

河合塾は、全国に500校近くの校舎を構えている大手予備校です。2021年度大学入試では、414人の筑波大学合格者を輩出しています(河合塾グループ関連法人の在籍者および講習受講生の集計、現役・浪人の両者含む)。なお、そのうちの32人が医学群医学類合格者です。

河合塾はさまざまな受験ニーズに応えるため、多様な講座・コースを設けています。特に、筑波大学の受験対策に特化した講座・コースは要チェックです。

現役生を対象とする高校グリーンコースでは、筑波大学受験生に特化した「筑波大英語」講座が用意されています。これは、筑波大学の入試本番で高得点を獲得できるよう、英文解釈や長文読解、英作文の演習を重点的に行う講座です。

また、浪人生を対象とする大学受験科では「筑波大理系コース」「筑波大文系コース」を選択できます。さらに、各コースでは、筑波大学の入試傾向に沿って作られた問題に挑戦する特別講座「筑波大トライアルテスト」も受講可能です。

ただし、筑波大学に特化した講座を設置しているのは、関東エリアの一部の校舎のみとなっています。受講を希望する場合は、どの校舎に設置されているかをよく確認するようにしましょう。

駿台予備学校

駿台予備学校(以下、駿台)は、北海道・宮城・東京・千葉・神奈川・埼玉・愛知・静岡・大阪・京都・兵庫・奈良・広島・福岡に32の校舎を構えている大手予備校です。2021年度大学入試では、241人の筑波大学合格者を輩出しています(駿台グループ関連法人の在籍生および各講習受講生の実績、現役・浪人の両者含む)。なお、そのうちの31人が医学群医学類合格者です。

駿台では、志望大学に合わせてカスタマイズできる講座・コースと、分かりやすさを追求したプロ講師陣による授業、AI教材による学習サポート、スキマ時間を活用して学習できるe-ラーニングシステムなどを用意しています。

駿台は難関国公立大に強く、筑波大学受験生が対象となる国公立向け講座・コースも豊富です。校舎によっては、共通テスト直後から3週間行われる「筑波大英語演習プラス」といった、筑波大学に特化した短期講座が実施されることもあります。

各講座・コースの設置の有無は、校舎によって異なりますので、受講を希望の際は事前に各校舎へ確認しましょう。