予備校に1年間通う費用・料金は――大学受験でみんなどのくらい使うの?

「そろそろ本格的に受験勉強に取り組みたい」「志望校合格に向けてさらに成績を伸ばしたい」といった理由から、大学受験本番に向けて予備校に通うことを考えている人も多いのではないでしょうか。

しかし、「予備校の1年間の費用はどのくらい?」「予備校に通った人は夏期講習や冬期講習も受講しているの?」など、予備校の費用や受講すべき内容がよく分からないという声も聞かれます。

そこで、塾・予備校比較ナビでは、予備校に通った人へアンケート調査を実施し、その結果をもとに、予備校にかかる1年間の費用や利用内容などをまとめました。

さらに、予備校以外の通信教育や家庭教師で学ぶとすると1年間でどのくらいの費用が必要かも記載しているので、ぜひ参考にしてください。

予備校に1年間通う費用の平均は約100万円

予備校に1年間通った場合、平均的な費用はどのくらいでしょうか。また、費用の内訳はどうなっているのでしょうか。

志望する大学や選択するコースによって変わりますが、費用の平均額は約100万円が目安となります。以下は、実際に予備校に通ったことがある人を対象に、どのくらい費用がかかったのか調査した結果です。

予備校に1年間通った際にかかった費用人数割合
~30万円21人11.9%
~50万円29人16.5%
~100万円51人29.0%
~150万円38人21.6%
~200万円20人11.4%
~250万円9人5.1%
~300万円4人2.3%
~350万円0人0%
351万円~4人2.3%
合計176人100%

予備校に1年間通った場合、かかった費用が50万円~100万円以下だったという人は約3割と最も多く、次いで101万円~150万円以下という人は約2割という結果となりました。また、0円~100万円以下という人はおよそ6割にも上り、予備校の費用の相場は、やはり100万円程度だということが分かります。

具体的な費用の内訳は、通期講座の授業料に加え、志望する大学に特化したオプション講座や、夏期・冬期講習といった季節講習の受講料のほか、模試の費用などです。一般的に、通期講座の授業料で約70万円、季節講習や模試の費用などで約30万円ほどかかります。もちろん、追加でオプション講座を追加するとなると、さらに多くの予算が必要です。

通期講座、季節講習、模試などは、どのくらいの人が利用しているのか

予備校に1年間通った場合にかかる費用の内訳として、通期講座の授業料に加え、季節講習の受講料や模試の費用があります。では、実際に予備校に通った人の中で、夏期・冬期などの講習や模試などはどのくらいの人が利用しているのでしょうか?

塾・予備校比較ナビの独自アンケート調査の結果は以下の通りです。

予備校で実際に利用した内容利用した人の割合
通期講座61.7%
オプション講座16.4%
夏期講習69.1%
冬期講習58.4%
春期講習34.9%
模試63.6%
映像授業39.0%
オンライン受講15.2%
自習室65.4%
進路・学習相談40.5%
アドバイザー・チューター42.4%

独自アンケートの結果では、およそ7割の学生が夏期講習に参加し、約6割の学生が冬期講習を受講しています。

夏期講習や冬期講習は、一般的に学校の夏休みや冬休み期間に実施されます。そのため、学校の授業に追われることなく、じっくりと時間をかけて苦手分野を克服できる良い機会です。整った学習環境に身を置くことで、受験勉強のモチベーションも維持できます。

また、大学入学共通テストや志望校の入試を想定した実践的な演習に取り組むなど、より本番を意識した学習ができるのも特徴です。以上のような理由から、夏期講習や冬期講習は6〜7割もの多くの受験生が受講しているものと考えられます。

一方の模試は、約6割もの学生が利用しています。

模試への参加は、受験生にとっては欠かせません。模試を利用すれば、定期的に受験することで自分の実力を測り、志望校合格に向けて何を勉強しなければならないかを知ることができます。さらに模試は、本番を想定した訓練にもなります。

なお、アンケート調査の結果によると、約6割の人が自習室を利用し、約4割の人がアドバイザーやチューターに勉強方法や進路の相談をして受験勉強に励んでいます。

予備校以外の通信教育や家庭教師であれば、1年でいくら費用がかかる?

これまでは、予備校に1年間通った場合の費用などについてご紹介しました。ではもし、大学受験に向けて予備校以外の方法で学ぼうとするのであれば、いくらくらいの費用がかかるのでしょうか。

ここでは、「通信教育」と「家庭教師」にかかる費用について解説します。

通信教育で1年学んだ場合の費用は予備校の約10分の1になることも

通信教育は、テキストや映像などを使って自宅で学習するものです。1年間にかかる費用は、予備校に1年通った場合にかかる費用の10分の1程度になることもあります。

例えば、通信教育で有名なZ会の場合、1講座当たりの費用は5082円です。一年分を一括払いすると、3講座受講した場合は約18万円、2講座受講した場合は約12万円となります。

通信教育は、自分の好きな時間に勉強でき、通学の必要がないのが特徴です。予備校に通うことに比べると、比較的費用を抑えられます。

一方で、勉強の習慣が身に付いていないと、上手く学習を進められないこともあります。通信教育を利用する場合、自分自身でしっかりとした学習計画を立てる必要があるでしょう。

家庭教師で1年学んだ場合の費用は予備校とほぼ変わらない

家庭教師の場合、かかる費用は1時間当たり約5000円ほどです。週1回1時間×3科目を受講した場合、月謝は約6万円、1年間に必要な授業料は約72万円となります。

ただし、この費用は週1回1時間で計算した場合です。もし週2回、または1回当たりの授業時間数を増やすとなると、予備校よりも費用が高くなる場合があります。また、そのほかにも、入会金や交通費、教材費などに10万円ほどかかることもあるので、事前の確認が必要です。

家庭教師は、マンツーマン教育で学習プランの作成から勉強方法まで、一人一人に合わせたトータルサポートをしてくれるのが魅力です。集団指導よりも講師との距離が近く、時間や場所の融通が利くというメリットもあります。

一方で、家庭教師の指導力にばらつきがあり、相性が良くない教師だと上手く学習が進まないことや、1対1の指導なので費用が高めに設定されているというデメリットもあります。

高校3年生の1年間、大学受験にかかる費用はどのぐらい?

ここまで、予備校や通信教育、家庭教師で学んだ場合にどのくらい費用がかかるかを解説しました。では実際、高校3年生の1年間で、一般家庭では大学受験にどのくらいの教育費用をかけているのでしょうか。

文部科学省が調査した「平成30年度子供の学習費調査」によると、高校3年生の塾・予備校などの学習費は公立高校で約21万円、私立高校で約27万円とのことです。しかし、これは塾・予備校などに通っていない人も含めての統計結果なので、塾・予備校通学経験者のみに対象を絞ると、費用はさらに高くなると考えられます。

公立高校私立高校
高校第3学年の1年間の補助活動費20万9423円26万9289円

※補助活動費:学習塾の費用など、学校教育以外で予習・復習・補習などの学習をするために支出した経費

まとめ

以上、高校3年生が予備校に1年間通った場合に必要となる費用や、通信教育・家庭教師にかかる費用などをご説明しました。志望する大学や受験に必要な科目数によって必要な費用は大きく変わりますが、事前におおよその費用を知っておくだけでも大学受験への心構えができます。予備校に通うことを検討する際には、ぜひこの記事を参考にしてみてください。