近年ではさまざまな予備校やオンライン学習サービスが映像授業を展開しており、人気を集めています。2020年は新型コロナウイルス感染拡大の影響で新しい生活様式が浸透しつつあり、映像授業の需要はますます増えています。
今回は、映像授業の特徴やメリット・デメリットをまとめた上で、おすすめの予備校やオンライン学習サービスをご紹介します。それぞれを比較し、受講する予備校やオンライン学習サービスを決めましょう。
映像授業とは?
予備校やオンライン学習サービスの映像授業とは、講師による講義の録画映像や生配信を見て学習していく形式の授業です。受講の際はスマホやタブレット、パソコンを使用します。完全に自宅のみで学習できるものもあれば、予備校が提供する映像授業の中には校舎に出向いて専用のパソコンで視聴するものもあります。
映像授業をいち早く本格的に導入したのは東進でした。30年ほど前、一流講師の講義を全国どこでも受けられるようにしたことで映像授業という手法が広まりました。スマホやタブレットなど、インターネット経由で手軽に映像を視聴できる機器が増えたことで、スタディサプリをはじめとする新興のオンライン学習サービスが登場してきました。
もともとリアルの予備校事業を土台とした映像授業と、オンライン学習サービスの映像授業とがあることは覚えておいた方がいいでしょう。
映像授業のメリットとデメリット
予備校・オンライン学習サービスの映像授業には、メリットとデメリットが存在します。それぞれ見ていきましょう。
映像授業のメリット
映像授業の受講には、以下のようなメリットがあります。
自分のペースで学習できる
映像授業では、自分のペースに合わせて学習を進められます。例えば、部活が忙しくて夜遅い時間にしか勉強できない人や、短期間で広範囲を学ばなければならない人などにうってつけでしょう。
多くの予備校・オンライン学習サービスの映像授業は、スマホやタブレット、パソコンを利用して、自宅から受講でき、通学時間や学校の休み時間といったスキマ時間も活用できます。
ただし代ゼミフレックス・サテラインなどの一部のサービスは、予備校内に設置された専用ブースでしか受講できない授業があります。予備校・オンライン学習サービス選びの際によく確認しましょう。
繰り返し再生、巻き戻し、早送り、一時停止ができる
講師の話を直接聞く対面授業の場合、聞き逃してしまった部分をもう一度聞くことはできません。一方で映像授業では、聞き逃してしまった部分は巻き戻せますし、ノートを取るのが追い付かない場合や調べ物をしたい場合は一時停止もできます。
また、すでに十分理解している部分は早送りし、必要なところだけを視聴することも可能です。対面授業の場合は講師の雑談が入ることも多々ありますが、映像授業ではこのような部分も飛ばせます。そのため、うまく活用すればかなりの高速学習も可能になるでしょう。
実力派の講師ぞろいで質が高い
映像授業の質は、通常の予備校の授業と同程度か、それ以上に高いとも言われています。それは、トップレベルの講師の授業を厳選して配信するためです。
東進やZ会の映像といった大手の場合、実力の確かな人気講師の授業を受けることも可能です。通常の対面授業の場合、このような人気講師の授業はすぐに埋まってしまい、なかなか受けられません。検討している予備校に映像授業があれば、ぜひ講師陣を確認してみてください。
料金が安い
多くの場合、映像授業の料金は塾や予備校に通う場合と比べて、かなり安く抑えられます。例えばTry ITは基本的に無料で、質問・添削など1回ごとに500円を課金するシステムが人気を集めています。
塾や予備校にも劣らないクオリティーの授業を受けることができ、料金も抑えられるのはうれしいポイントです。
映像授業のデメリット
一方で、映像授業にはデメリットもあります。特に、新興のオンライン学習サービスに該当することが多いので、オンライン学習サービスの利用を検討しているのなら、事前に確認しておきましょう。
自主的な学習スケジュール管理が不可欠
新興のオンライン学習サービスの場合、通常、講師やチューターなどが学習スケジュールを管理してくれることはありません。そのため、自分でスケジュールを立てて学習を進める必要があります。
浪人生ならまだしも、初めて大学受験をする高校生が自分だけで学習スケジュールを立てることは簡単ではありません。自分では完璧と思っている学習管理にも、思わぬ穴があるかもしれません。
一方、予備校が提供する映像授業を受けるのなら、映像授業以外のところのサポートも期待できます。スケジュール管理を手伝ってくれる”担任”のスタッフがいる予備校もありますので、検討するときに確認しておいてください。
励ましてくれる講師や仲間がいない
映像授業では、やる気がないときやモチベーションが下がっているときに、励ましてくれる人が周りにいません。そのため、ついサボってしまう人もいるようです。
塾や予備校に通っていれば、大学受験仲間がたくさんいます。予備校が提供する映像授業を利用するのなら、同じ校舎で勉強する仲間と交流する機会は多いと思います。しかし、オンライン学習サービスが提供する映像授業を受講する場合、このような共に切磋琢磨できる仲間を作るのは難しいでしょう。
ただしアオイゼミのように、受講者同士で交流や質問ができるSNSのような機能を提供するオンライン学習サービスもあります。
講師に質問できない
塾や予備校では、授業が終わった後に講師に分からなかった箇所を質問できますが、映像授業では講師に直接質問することはできません。
最近では、生配信の授業でもコメントやチャットで質問できる場合もあります。しかし、コメントが見逃されてしまったり、回答までにタイムラグがあったりすることが少なくありません。
映像授業を提供している予備校のおすすめ3選
塾・予備校比較ナビでは、各予備校やオンライン学習サービスを実際に利用した人からアンケートを集計しています。このうち、映像授業について【授業の質】の評価が高かったサービストップ3をご紹介しましょう。リアルな口コミも掲載していますので、ぜひ参考にしてください。
1位:東進
東進は、数多くの人気講師・実力派講師が在籍する大手予備校です。業界屈指のクオリティーの授業を自分に合ったペースで受けられるという点が、高い評価を獲得しています。
東進は長年にわたって映像授業を提供してきた予備校ですから、映像授業のデメリットに対してしっかり対策しています。ただ映像を見ただけになっていないか、授業の後に確認テスト・修了判定テストを実施して理解度をチェックできます。
映像授業のデメリットとして挙げた学習スケジュール管理を自分でやることになるという点も、東進を利用すれば十分なサポートを受けられます。入学すると志望校合格に向けて逆算してスケジュールを立てた合格設計図を作成。月ごと、週ごと、日ごとに中間目標を確認していくのです。さらに学習状況や模試の結果などを見て、合格設計図の確認・修正、受験校の再検討などをサポートしてくれる合格指導面談という仕組みもあります。
「励ましてくれる講師や仲間がいない」という点についても、さまざまなやり方で勉強するモチベーションを高めてくれます。一例としては、毎週開かれるグループ・ミーティングがあり、5~6人の仲間と1週間の学習計画を共有して励まし合うことになります。「競争意識と仲間意識がうまく調和した結果、目標に向けて最後まで頑張れました」と、グループ・ミーティングが志望校に合格した大きな要因になったと評価する受講生もいるほどです。
「講師に質問できない」ところも、専属スタッフが対応してくれるバックアップサービスがあり、映像授業・テキスト・模試に対する質問・疑問があったら丁寧に答えてくれます。
日本有数の講師の授業を地方にいながら受けられる点が良かったと思います。志望大学向けのコースがあり、とても役に立ちました。
授業のわかり易さはダントツだった。学力レベルにあった授業を選択できるため、適切な難易度で学力を上げることができた。
自分に合った指導者を選択でき、授業数もレベルも選べるという自由さがよかった。
2位:Try IT
Try ITは、家庭教師のトライや個別教室のトライでおなじみのトライグループが運営するサービスです。特徴はなんと言っても、無料会員登録だけで4000本以上の映像授業が見放題になることでしょう。また、1回500円で質問や添削ができるといったサポート体制も整っています。
ただし、Try ITは大学受験対策ではなく、定期テスト対策に主軸を置いている点に注意が必要です。苦手な科目を基礎から学びたい場合などに活用すると良いでしょう。
授業の内容は分かりやすかったし、単元や難しい内容ごとに細かく動画が分かれていて、知りたい内容にフォーカスできるのもよかった。
授業の質に関しては教師が基礎から丁寧に説明してくださるのでとても優れていると感じました。ただ短い時間でまとめてることもあるので基本的なことの学習に集中しがちです。志望校対策等は受けれてませんが、無料で動画配信されているのでとても助かっています。
授業の質がとても高かったです。映像授業で、しかも携帯のアプリで見れるので、どこで勉強していてもすぐに使えました!映像は誰でも無料で見れるし、質問があれば500円くらいで簡単にできたのでとても良かったです!!
3位:スタディサプリ大学受験講座
スタディサプリ大学受験講座は、約4万本の授業を定額見放題で受けられるサービスです。授業料は月額1980円からというコスパの高さが魅力です。
授業は1回約15分なので、スキマ時間を活用できます。有名講師の授業も多数あり、その神授業を手軽に受けられることが魅力です。
全ての授業が受け放題でとても頼りになりました。教材もダウンロードできるので、ノートを取る必要のない授業は通学途中に聞くことができ、スキマ時間を有効に活用することができました。
有名な先生が担当しているので、授業の質はとても高かったです。特に英語に力を入れて受講していたのですが、通勤時間のスキマ時間に受講でき、わかりやすい授業が受けられるので重宝しました。基礎から応用まで、レベル別のコマがあるので、一人一人のレベルに応じた授業を受けることができ、「苦手科目の克服」と「得意科目を伸ばす」ことの両方が可能でした。
大手予備校の先生の分かりやすい授業を安く、そしてたくさん見ることができたので、非常に満足でした。