予備校の特待生になりたい! 成績レベルは? 授業料はどのくらい免除される?

大学受験は人生の一つのターニングポイントですから、失敗したくないという方が多いのではないでしょうか。そのような学生さんは、ぜひ予備校に通ってください。独学をするよりも、大学受験のプロに教わる方が、志望校合格の可能性は高まるはずです。

しかし、予備校の学費は決して安くなく、最低でも年40万円ほどかかります。多くの講義を受ければ、それだけ学費もかさみ、予備校によっては年100万円を超える場合もあるのです。

そこで予備校側は、学費を安く抑えられるように、さまざまな制度を用意しています。その一つが「特待生制度」です。この記事では、特待生制度について解説するとともに、各予備校で利用できる制度を具体的にご紹介します。

予備校の特待生制度とは? 金額や選考方法は?

予備校の特待生制度とは、選考を通過した生徒に対して、入塾金や授業料の全額もしくは一部を免除したり、決まった金額を給付したりする制度のことです。生徒側と予備校側の双方に、次のようなメリットがあります。

生徒側のメリット

  • 学費を稼ぐためにアルバイトなどをせずに済み、勉強に集中できる
  • 浮いた予備校費用を大学の学費に回せる

予備校側のメリット

  • 成績優秀な生徒に通ってもらうことで、合格実績を上げられる

特待生というと、飛び抜けて偏差値が高い人しか選ばれないイメージがあるかもしれません。しかし、特待生の基準は予備校によって異なります。

確かに、全額免除などの大きなサポートを受けられるのはトップクラスの生徒のみの場合がほとんどでしょう。ですが、授業料の4分の1や入塾金の5分の1など、特待生制度の中には比較的選考を通過しやすいものもあるのです。

選考の方法もさまざまです。入学テストや模試の成績で決まるものもあれば、学校の成績表の提出や面接を受けることが必要なものもあります。

また、現役生向けや浪人生向けの別があります。特待生制度は一つ一つ内容が異なるので、自分にぴったりのものを探さなければなりません。

では次から、主要な予備校の特待生制度を確認していきましょう。

【高卒生向け】河合塾のスカラシップ制度――校舎ごとに募集

河合塾では大学受験科(高卒生向け)のコースの場合、地区や校舎によってスカラシップ生を募集することがあります。この記事を執筆している2020年12月初旬では、以下の校舎でスカラシップ生を募っていることが確認できました。

  • 札幌校
  • 広島校
  • 福岡校(九州地区として募集)
  • 北九州校(九州地区として募集)

免除・支給される金額や選考方法などは、校舎によって異なります。以前は多くの校舎でスカラシップ制度を実施していたようですが、現在のところ公式サイトから記載が削除されています。通いたい校舎にこの制度があるか、問い合わせてみても良いでしょう。

選考方法

一例として、広島校ではこのような記載があります。

「基礎シリーズ・完成シリーズの学業成績〈サクセス・クリニック(学力診断テスト)や全統模試の成績など〉と出席状況などを総合して、年2回選考を行います」

金額(給付)

こちらも広島校の例です。

  1. 授業料の約2分の1相当額
  2. 授業料の約4分の1相当額
  3. 入塾金の2分の1相当額
  4. 入塾金の5分の1相当額

【現役生向け】東進の特待生制度――理系難関校を目指す人は要チェック!

東進では、「数学特待制度」という特待生制度を設けています。

この特待生制度は、東進に週3日以上登校して前倒し学習を進め、高校1年生のうちに数学Ⅲ・Cの修了を目指すというものです。2021年度は中学3年生・2年生を対象に特待生の募集がかけられています。

金額については後述しますが、入学金を除いて全カリキュラムの受講料が無料になります。

選考方法

数学特待制度の特待生になるには、次の2つの基準のどちらか一方を満たすことが求められます。

1)通知表(通信簿)の直近の評価で数学が5段階評価の「5」であること。加えて、入学時学力診断テストの数学の成績が優秀であること。

2)「全国統一中学生テスト」「中学学力判定テスト」などの模試において、数学の成績が優秀であること。

ただし、2)についてですが、「全学年統一部門」の数学のテスト受験者だけが審査の対象となります。「中2生部門」「中1生部門」の受験者は対象外です。

金額(特待受講料)

数学特待制度の特待生になった場合、学習にかかる費用は次の通りです。

1)入学金(通常3万3000円)→1万1000円

2)数学通期講座(90分×20回)(通常7万7000円以上)→無料

3)高速マスター基礎力養成講座「数学計算演習」(通常7万7000円)→無料

4)担任指導費・模試費(通常最大4万5560円)→無料

このように、入学料は半額以下、それ以外については全て無料になります。東進の数学特待制度は、高校1年生を終えるまでに数学Ⅲ・Cの履修を終えたいという非常に学習意欲の高い学生向けのものですが、東京大学や京都大学、医学部・医学科、難関国立・難関私立大学の理系学部を目指す方にはおすすめです。

【高卒生向け】駿台の特待生制度――授業料が最大半額になるチャンスあり

現在、駿台の公式サイトに特待生制度などの案内は載っていませんが、実際は高卒生を対象としたスカラシップ制度があるようです。また、やはり非公開であるものの、現役生向けの特待生制度があるという情報もありました。詳しい基準は公表されていませんので、現役生の方も一度問い合わせてみてください。

選考方法

学業成績や出席状況に加え、生活態度などによって選考されます。チャンスは前期・後期の2回です。

金額(給付)

スカラシップ生は、ランクによって以下のような奨学金を受け取れます。

  1. 授業料の約2分の1相当額
  2. 授業料の約4分の1相当額
  3. 入学金の約2分の1相当額

【高卒生向け】代々木ゼミナールの特待生制度――来年度の募集があるか注意しよう

代々木ゼミナールでは、大学受験科(高卒生向け)でスカラシップ生を選考していました。しかし、現在は「スカラシップ生の選考はありません」とホームページに記載があることから、募集していないようです。来年度には募集を実施する可能性もありますので、興味のある方はまた確認してみてください。

なお、過去の代々木ゼミナールのスカラシップ制度は以下のようなものでした。

選考方法

大学受験科に入る際に受ける「入学コース診断テスト」の成績が優秀な生徒が選ばれます。選考は年2回実施されます。

金額(免除・減額)

年間学費の全額または一部が減額されます。

【高3生向け】Z会の特待生制度――大学入学後、返還不要の奨学金が受けられる!

Z会は、高3生のみが対象の「Z会奨学金」という制度を設けています。これは、選考を通った生徒がZ会指定の大学に合格し、入学した時点から奨学金を支給する制度です。採用数は5名と狭き門ですが、チャレンジしてみる価値はあります。

選考方法

まず、この2点の条件を満たしている必要があります。

  • Z会が指定する大学への進学を希望する高校3年生
  • 真に経済的援助を必要としており、学業・人物ともに優秀である者

指定の大学は次の15大学です。

  • 北海道大学
  • 東北大学
  • 国際教養大学
  • 筑波大学
  • 千葉大学
  • 東京大学
  • 東京工業大学
  • お茶の水女子大学
  • 一橋大学
  • 横浜国立大学
  • 名古屋大学
  • 京都大学
  • 大阪大学
  • 神戸大学
  • 九州大学

応募に際しては、課題にそって論文も執筆しなければなりません。字数は4000字程度です。

専用の願書、高校2年次までの成績証明書、父母または扶養者の収入を証明する所得証明書、論文などを同封し、提出します。書類選考を通過すると、面接が行われます。通過者は高3時点では「内定」という形で、指定の15大学のいずれかに入学したことで正式採用となります。

金額(給付)

奨学生は、以下の金額の給付を受けられます。

  • 大学1年次は年額102万円(入学一時金30万円と月額6万円)
  • 大学2年次以降は年額96万円(月額8万円)