大学受験では基礎固めが大切! 具体的な期限や科目別のポイントを解説

大学受験に向けた学習において大切なことは「基礎固め」です。基礎をしっかりと理解することで、ひっかけ問題や応用問題への対応が可能になります。

では、いつまでにこの基礎固めを行うべきなのでしょうか。また、どのような方法で進めるのがよいのでしょうか。

この記事では、基礎固めの必要性や時期・方法に加えて、科目別にポイントを解説します。これから受験勉強を始める方も、すでに始めているという方も、ぜひ学習の参考にしてください。

大学受験の勉強において基礎固めが大切な理由

国公立大学の一般選抜では一次試験として、基礎学力が十分に身についているかを問う「大学入学共通テスト」が課されています。また、多くの私立大学においても、大学入学共通テスト利用入試が採用されています。こうした大学入学共通テストの趣旨からも、志望する大学に合格するためには、学習期間における基礎固めが非常に重要だといえるでしょう。

また、基礎固めは大学入学共通テストの対策になるだけでなく、二次試験などで出題される応用問題を解くための土台となります。入試において数多く出題される難易度の高い問題を解くためには、基礎が不可欠なのは言うまでもありません。

応用問題で正しい解答に至らなくても、基礎ができていれば途中までは解くことができ、問題を解く過程での加点を得ることができる場合もあるでしょう。もちろん加点だけでなく、基礎知識を組み合わせることで問題の糸口をつかみ、正しい解答にたどり着くことができる場合も少なくありません。

大学受験に必要な応用力を身につけるためには、実際に応用問題を解くことが不可欠です。そのステップに進むためにも、基礎固めをしっかり行うことが大切です。

大学受験に向けた基礎固めの具体的な期限

では、大学受験に向けた基礎固めはいつまでにするのがよいのでしょうか。

基礎固めが終わったあとには、過去問の演習や大学別の対策をする必要があります。このような本番の試験に向けた調整には、少なくとも数カ月~半年程度の時間が必要となります。そのため基礎固めはできれば高校1〜2年生の間、遅くとも受験の年の夏までにしておくとよいでしょう。早めに基礎固めを行うことで、余裕を持って本番の試験に臨むことができます。

大学受験を成功させるための基礎固めとは?

大学受験を成功させるためには、どのように基礎固めを行うべきなのでしょうか。以下にいくつかのポイントを解説します。

学校の授業や課題にしっかりと取り組む

まずは学校の授業をきちんと受けたうえで、中間・期末テストに向けてしっかりと勉強しましょう。学校から出される課題やテストは教科書に沿った基礎的な内容のため、大学受験に向けた基礎固めに最適です。特に、高校1〜2年生の時期から着実に勉強をしておくことは、受験期のスムーズな勉強の進行と成績の向上を支える大切なポイントになります。

基礎的な参考書・問題集を反復する

基礎的な参考書や問題集のほか、予備校や塾のテキストを完璧に解けるようになるまで反復することも大切です。繰り返し同じ問題を解き、解答を導き出すまでの道のりを自分のものにしていきましょう。

プロ(塾や予備校の講師)に相談する

上記に解説したポイントに加えて、塾や予備校の講師など、大学受験に精通した受験のプロに相談することが大切です。また、基礎の固め方や、勉強への取り組み方を教えてもらうだけでも成績が大きく伸びる場合もあります。

特に、勉強量を多くこなしていても成績が伸び悩んでいるという方は、勉強方法そのものに問題があることも多いため、一度プロに相談してみるとよいでしょう。

科目別の基礎固めのポイントとは?

それでは、どのような内容をどのレベルまで身につけるべきなのでしょうか。ここでは、科目別の基礎固めのポイントについて具体的に解説します。

英語の基礎固めのポイント

基本的な単語の暗記と文法の理解

まずは基本的な単語の暗記と文法の理解に取り組みましょう。毎日少しずつ単語帳の単語を覚えながら意味の分かる単語数を増やしていくのがポイントです。さらに文法の問題集を活用して、英文の構造(SVO)への理解を深めていきましょう。学習のはじめの段階でこうした基本的な構造をしっかりと理解しておくことは、その後の学習の大きな支えになります。また長文読解への事前準備としても効果的です。実際に英文を読む際には主語(S)や述語(V)、目的語(O)など、それぞれの役割を意識しながら構文を理解するようにしましょう。

基本的な文法と単語の暗記は、より発展的な問題を解くためにも必要不可欠な要素だといえます。繰り返し反復することで記憶が定着し理解できる英文の幅が広がっていくため、毎日少しずつでもよいので学習を進めていくことが大切です。

リスニング力を鍛える

また、リスニング力を鍛えることも大切です。大学入試では、英作文や英文読解と同様に、リスニングも重視されます。しかしリスニング力はすぐに身につくものではなく、長い時間をかけて英語に慣れていく必要があります。そのため、まずは継続してリスニングをして、英語に耳を慣らしていくことが大切です。

日本語と英語の言い換えのパターンを覚える

入試問題でよく出題される英作文に対応するためには、日本語と英語の言い換えのパターンを覚えることが重要です。基本的な和訳英文の問題集を繰り返し、実際に手を動かして書いていきましょう。そして、学校や予備校の先生に添削してもらいながら、英語を使った表現の方法を学んでいきましょう。

数学の基礎固めのポイント

定理や公式を覚える

まずは教科書に載っている定理や公式をしっかりと覚えましょう。公式を覚えるだけではどのように使うのかが分からないため、ただ丸暗記するのではなく、実際に手を動かして問題を解きながら理解していくことが大切です。簡単な問題や例題を繰り返し解きながら理解を深めていきましょう。

そのあと、問題集などを活用してさまざまなパターンの類題を解き、数学的な考え方や公式の当てはめ方に慣れていくことも大切です。

適切な問題集を選ぶ

基礎固めの際には、単元ごとに基礎の公式が紹介されている問題集を使うのがおすすめです。自分が苦手な単元が明確になるため、効率的に対策を行うことができます。さらに、問題集を選ぶ際には、適切な難易度のものを選ぶようにしましょう。適切な難易度の問題集を活用することで、復習しながら自分に足りない知識を補うことができます。

国語の基礎固めのポイント

ここでは、現代文、古文、漢文の基礎固めのポイントについてそれぞれ解説します。

現代文

現代文の問題を解く際のポイントは、筆者の言いたいことを読み取ることです。ただ単に文章を読むだけではなく、筆者の伝えたいことを理解する必要があります。このような「読解力」を養うための効果的な方法として、文章を要約する練習が挙げられます。要約の練習を重ねるうちに、長い文章の全体を理解する力が身につきます。

古文

古文の場合は、単語と文法を覚えることが先決です。英語と同じく、単語や文法が分からなければ、文章を理解することはできません。単語帳を繰り返し使って、単語を覚えていきましょう。また古典の世界では現代とはまったく異なる考え方やしきたりがあり、こうした点についての知識がなければ混乱してしまう場合があります。そのため、教科書や参考書に書かれている古典世界の基礎知識にも目を通しておくことが大切です。

漢文

漢文は特別難しい問題よりも基本的な問題が多く出題されるため、まずは基本的な句法をしっかりと覚えることが大切です。基本的な句法を覚えたあとは実際に問題を解いてみましょう。実際に問題を解くことで漢文を理解する力が次第に身についていきます。

理科の基礎固めのポイント

ここでは、物理、化学、生物の基礎固めのポイントについてそれぞれ解説します。

物理

物理といえば、たくさんの公式が出てくるといったイメージが強いでしょう。しかし公式を丸暗記するだけでは基礎固めとして不十分です。公式を言葉や図を使って説明するなどして、使用する場面や方法が瞬時にイメージできる状態にしておく必要があります。具体的な事象がたくさん取り上げられている参考書を活用し、効率的に基礎固めを進めていくとよいでしょう。

化学

化学では、まず基礎用語や基本事項、基本的な計算問題をマスターすることが大切です。基礎用語や基本事項はただ暗記するだけではなく、中学生でも理解できるレベルまでかみ砕いて説明できる状態が理想的です。また基本的な計算問題については、すべて解けるようになるまで繰り返し取り組みましょう。

生物

生物は、より多くの基礎用語・基本事項を、流れや仕組み、イメージとあわせて暗記する必要があります。イラストが豊富な参考書を活用すれば、効率よく知識を吸収していくことができるでしょう。

社会の基礎固めのポイント

ここでは、世界史・日本史、地理、公民の基礎固めのポイントについてそれぞれ解説します。

世界史・日本史

世界史・日本史の基礎固めをする際には、何よりもまず時代の流れを押さえることが大切です。学習に漫画を活用する方法も視覚的に理解を深めることができるためおすすめです。いったん時代の流れをひと通り理解できたら、それぞれの時代に用語を紐づけて暗記していきましょう。問題集を使って繰り返しアウトプットをしていくと、より効率的に暗記できます。

地理

地理は、用語を地形や気候、産業、年代などと紐づけながら暗記していく必要があります。地図や統計が豊富に掲載されている参考書を活用し、ひとつひとつの用語に関する知識をしっかりと掘り下げていきましょう。

公民

公民には政治・経済と倫理がありますが、いずれの科目においても用語についての深い理解が求められます。政治・経済では背景や資料などとともに用語の定義を押さえ、物事の相関関係や因果関係をしっかりと説明できるようにしておきましょう。倫理ではまず思想の歴史や流れを押さえ、そのあとに思想家の名前と立場や主張、キーワードなどを結びつけて覚えていきましょう。