総合型選抜に強い予備校はどこ? 専門塾はある? ランキングで紹介します

かつて「AO入試(アドミッション・オフィス入試)」と呼ばれていた入試方法は、2021年度から「総合型選抜」となり、名前とともに内容も変更されました。具体的には、「各大学が実施する評価方法、あるいは大学入学共通テストのいずれかの利用が必須」となり、かつ「志願者本人の記載する資料を積極的に活用すること」とされたのです。

しかし、上のような変更点にどう対応すればよいのか分からない人は多いでしょう。そんな受験生に向けて、各予備校や塾では総合型選抜の対策を行っています。この記事では、総合型選抜を受ける人におすすめの塾・予備校をランキングでご紹介します。

近年増加している総合型選抜で合格を目指そう

文部科学省「令和2年度国公私立大学・短期大学入学者選抜実施状況の概要」によると、国公立・私立ともに、AO入試(名称変更前)の実施大学数・入学者数は増加しています。

2018(平成30)年度の実施大学数は計569校・入学者数は5万9831人。対して2020(令和2)年度は607校・6万5041人まで増加しています。総合型選抜は、今やポピュラーな入試方法と言えるでしょう。

学力だけで判断されるわけではないため、一般選抜では入りにくいようなレベルの高い大学も狙えます。とはいえまだ新しい入試方法であり、どういった準備をすればよいのか、手探りな受験生が多いでしょう。志望校に合格するためには、総合型選抜とはどんな入試方法なのかを知り、適切な対策をする必要があります。

AO入試から総合型選抜へ。どこがどう変わった?

AO入試から「総合型選抜」へ変更するにあたり、文部科学省は以下の点を改善しました。

  • (1)小論文、プレゼンテーション、口頭試問、実技など、もしくは(2)「大学入学共通テスト」の少なくともいずれか1つを必ず活用すること
  • 志願者本人の記載する資料(活動報告書、入学希望理由書、学修計画書など)を積極的に活用すること

今回の変更点を大きくとらえると、学力だけではなく、より多面的・総合的に受験生を評価する方針になったと言えます。高校時代にどんなことを学んだか、また学業以外にどんな活動をしたか、ということに重点が置かれるようになったとも言えるでしょう。

また、出願時に提出する「調査書(内申書)」にも変更点があります。評定平均値だけでなく、部活動や課外活動、特技、留学経験、持っている資格など、学校の成績以外の項目も細かく記入する形式になったのです。

選抜方法に、「大学入学共通テスト」を利用する大学もあります。評価の方法は大学・学部によってさまざま。文部科学省では「小論文、プレゼンテーション、口頭試問、実技、各教科・科目に係るテスト」などとしており、どんな選考方法を取るかは大学の自由です。そのため、志望校に特化した対策を立て、柔軟に対応しなければなりません。

総合型選抜は塾・予備校で対策できる! おすすめ塾・予備校ランキングをチェック

以上のような点から、自分だけ、あるいは学校のフォローだけで総合型選抜対策をすることは難しいでしょう。そんな受験生のために、総合型選抜対策ができる塾や予備校が存在します。

塾や予備校の講師は、いわば大学受験のプロフェッショナル。毎年変わる受験傾向を分析し、皆さんが志望校に合格できるよう役立てています。こうした塾や予備校に通い、最新情報とノウハウを活用するのも一つの手です。

当サイトでは、各予備校における総合型・学校推薦型選抜の合格実績ランキングを集計しました。気になる結果はこのようになっています。

ただし、学校推薦型選抜も合わせたランキングであること、そもそも総合型選抜の合格実績を公開している塾・予備校が少ないことは、ご承知おきください。「学校推薦型選抜(旧推薦入試)」はよく似た入試方法ですが、こちらは出身高校の校長による推薦が必要となり、総合型選抜とは異なるものです。

塾・予備校で総合型選抜対策! どんな講座を受ける?

塾や予備校で総合型選抜対策をすることになったら、受講の内訳はこのようになるでしょう。徹底的に対策するなら高1から始めてもよいですし、幅広い準備が必要だと思ってください。

  • 定期テスト対策

調査書に記載する評定平均値は、高1の1学期(前期)から高3の1学期(前期)までの成績によって割り出されます。評定平均値を上げるためには、なるべく早くから定期テスト対策をするに越したことはありません。定期テスト対策はグループ指導や映像授業でも可能です。

  • 資格・検定取得のための対策

資格を持っていると、選考で有利になる可能性が高いです。また大学・学部によっては、指定の資格・検定を取得していることを出願条件としているところもあります。資格取得を目指す場合は、失敗を避けるため、手厚い指導を受けられる個別指導がおすすめです。

  • 提出書類の準備

塾や予備校では、「志望理由書」や「活動報告書」、その他任意で提出する書類など、出願時に必要な書類の作成をサポートしてくれます。高校生にとっては慣れない作業になるため、個別にアドバイスを受けることをおすすめします。

  • 小論文、口頭試問など二次選考対策

二次選考は、小論文や口頭試問をはじめ、プレゼンテーション、グループディスカッションなど、大学ごとにさまざまな方法を採用しています。口頭試問やプレゼンテーションなら、個別指導で対策することになるでしょう。小論文であれば個別指導以外に、グループ指導・映像授業・短期講習などでも対策できます。

  • 大学入学共通テスト対策

二次選考で共通テストを利用する場合は、共通テストに特化した対策も必要です。共通テスト対策はグループ指導や映像授業でも受講できます。

  • 一般選抜対策

万が一、総合型選抜で不合格だった場合に備え、一般選抜の対策もしておくと安心です。グループ指導や映像授業、短期講習の志望校別講座でも可能ですが、最短ルートで効率よく志望校を目指すなら個別指導がよいでしょう。

塾・予備で校総合型選抜の対策をすると、費用はどれくらい?

塾や予備校で総合型選抜対策をする場合、おおよその費用は1年間で40万~120万円程度でしょう。

総合型選抜専用コースが用意されていることもありますが、通常の個別指導を選択し、オリジナルのカリキュラムを組むことも多いです。そのため、どの程度しっかりと対策するかによっても料金に差が出てきます。個別指導ではそれだけ費用も高めになることもありますが、その分じっくりと、一人ひとりに合った対策を立てられると考えてください。

また、浪人生は現役生より費用がかかり、総額で現役生の数倍になることも珍しくありません。

費用はホームページなどでは公開されていないことも多いため、ご自身で各校舎へ問い合わせることになるでしょう。その際は1つの塾・予備校だけに絞るのではなく、いくつかの候補へ問い合わせることがポイントです。費用だけでなく指導内容、サポート面などを総合的に比較し、納得できるところに決めましょう。

総合型選抜対策におすすめの塾・予備校の特徴とは?

最後に、ランキング上位の塾・予備校から、1位の早稲田塾、大手の東進ハイスクール・東進衛星予備校、総合型選抜専門塾のLoohcs志塾をピックアップして特徴をご紹介します。

いずれも、総合型選抜対策に力を入れていたり、実績がある予備校です。総合型選抜対策のできる塾・予備校を探す際、ぜひ参考にしてください。

1位:早稲田塾

早稲田塾は、数ある塾や予備校の中でも、特に総合型選抜に力を入れている塾です。

2021年度の総合型・学校推薦型選抜における合格者は、全大学合わせて1,533人。そのうち早稲田・慶應義塾・上智・国際基督教大学(ICU)の難関大合格者は394人でした。これらは全て現役合格なのも注目したいところ。

さらに、2022年度の速報(2022年12月23日時点)では、早稲田・慶應義塾・上智・ICUの現役合格者が394人と発表されています。前年度に比べて63人増え、史上最高人数を達成しました。

早稲田塾では、志望校の決定から出願書類対策、志望校に合わせた二次選考対策まで、総合型選抜における全行程をフォローしています。小論文対策は必修となっており、「英語4技能資格試験系講座」では英語の資格・検定対策も可能。第一線で活躍する社会人を招いた「未来発見プログラム」、プロの俳優から表現力を学べる「表現力開発講座」など、オリジナリティ溢れる講座があることも特徴です。

また、早稲田塾は海外志向が強く、必要であれば海外の大学も提案してくれる他、高度な英語教育やワークショップも行っています。留学や海外での就職を視野に入れている人には特におすすめの塾です。

4位:東進ハイスクール・東進衛星予備校

数ある予備校の中でも大手であり、「3大予備校」の1つとしておなじみの東進。ナガセグループ直営の「東進ハイスクール」の他に、フランチャイズ予備校である「東進衛星予備校」を全国に展開しています。2つの予備校で受けられる授業は同じものです。

2021年度の総合型・学校推薦型選抜合格者は、旧帝大・東工大・一橋大を合わせて331人、国公立医学部医学科で287人。難関大の総合型選抜に強い予備校と言えます。

東進では映像授業を中心に進めるため、好きな時間に視聴でき、自宅学習も可能です。総合型選抜を受ける場合、出願書類の作成や面接の練習、課外活動などで忙しくなりますが、自分のペースで学習できます。ちなみに、2つの予備校で受けられる授業は同じものです。

また、生徒一人ひとりに担任が付き毎週面談を行うなど、合格に向けて徹底サポート。総合型選抜を受験する場合も、それぞれのケースに合わせて柔軟に対応してくれます。実力講師陣による授業を効率良く受けられるので、共通テストを利用する人や一般選抜対策もしたい人には特におすすめです。

5位:Loohcs志塾

Loohcs志塾は総合型選抜の専門塾で、例えば2016年度入試の志望校合格率(学部を問わず、第三希望までの大学に合格した率)は87.2%といった高い実績を持っています。さらに、2021年度入試での慶應義塾大学合格者111人、2022年度の速報(2022年1月20日閲覧)では109人という結果を出している他、2012年創業以来、難関大学進学率は86.1%と、難関大に強い塾でもあるといえるでしょう。

また、学費は平均して年40万円程度と安いことも特徴です。

専門塾だけあって、志望理由書の作成、小論文、グループディスカッションなど、総合型選抜における全てのステップをフォローしています。単なる入試対策だけではなく、生徒の「志」をともに考えることをモットーとしています。そのため、自立した意思と思考力も身に付けられるでしょう。