【2025年版】大学受験におすすめの参考書を教科・科目別・志望校のレベル別に紹介【数学・英語・国語】

「大学受験に向けた勉強をしたいけれど、どの参考書が良いのかわからない」と悩む方は多くいます。受験がまだ先でも、どのような参考書を使って勉強するべきか、見通しを立てておきたい方もいるでしょう。

今回は、大学受験向けの参考書を選ぶ際に押さえておきたいポイントを解説したうえで、「中堅大学」「難関大学」「最難関大学」に分けておすすめの参考書を紹介します。

基礎固めが終わった人向け!大学受験向けの参考書を選ぶ際のコツ

大学受験向けの参考書を選ぶ際に、押さえておきたいポイントを3つ紹介します。

まずは基礎が大事

大学受験向けの参考書に取り組むためには、まず基礎をしっかりと固めておきましょう。

大学受験向けの参考書は、応用問題への対応力を身に付けられるように構成されており、基礎に対する解説を割愛しているケースがみられます。

そのため、教科書の内容を理解し、基礎問題を解けるだけの力が身に付いていない場合、大学受験向けの参考書を理解することは難しいでしょう。

難関大学・学部受験向け参考書に取り組む前に行なうべき基礎固めについては、「大学受験に大切なのは基礎固め! いつまでにどうやればいいか解説」を参考にしてください。

いきなりレベルの高い参考書を読まない

志望校が難関大学であっても、いきなりレベルの高い参考書を使うことはおすすめできません。現状の実力に伴わない参考書に取り組むと、内容を理解するのに必要以上の時間がかかるためです。

志望校に合格するためには、学力レベルに合った参考書から始めて、スモールステップを踏むことが大切です。教科書レベルの基礎、大学入学共通テストレベル、中堅大学レベル、難関大学レベル、最難関大学レベルと、順を追って取り組んでいきましょう。

また、参考書を理解することが難しいと感じたり、成績が伸びなかったりした場合には、基礎に戻って理解を深め直す必要があります。

難関大学・学部受験向け参考書もピンからキリまでいろいろ

明治大学や立教大学をはじめとする「MARCH」や、東京大学、各医学部など、一口に「難関」と言っても学力レベルはさまざまです。

そのため、「難関大学・学部受験向けの参考書」がMARCHレベルなのか、東京大学をはじめとする最難関レベルにも対応しているのかを確認する必要があります。

おすすめの中堅大学・学部受験向け参考書

まずは、日本大学・東洋大学・駒澤大学・専修大学をはじめとする、偏差値55程度の中堅大学を受験する方向けの参考書を教科別に紹介します。

数学

中堅大学を受験する方におすすめの数学の参考書を2つ紹介します。

数学Ⅰ・A基礎問題精講

上園信武「数学Ⅰ・A 基礎問題精講 六訂版」(旺文社、2022年)は、大学入試に出題されやすい基本的なテーマを154個取り上げた参考書です。

効率良く基礎を固め、教科書レベルから入試レベルへと対応力を高めることができます。

入試で数学Ⅱ・B+ベクトルや数学Ⅲ・Cを使う場合は、上園信武・齋藤正樹「数学Ⅱ・B+ベクトル 基礎問題精講 六訂版」(旺文社、2023年)、上園信武「数学Ⅲ・C 基礎問題精講 五訂版」(旺文社、2024年)も併せて活用するとよいでしょう。

新課程 チャート式 基礎からの数学I+A

チャート研究所「新課程 チャート式基礎からの数学I+A」(数研出版、2022年)は、「青チャート」と呼ばれ、大学入試対策に必須の問題を収録しています。「基本定着」「精選速習」「実力錬成」の3つに分かれており、目的に応じて必要な問題だけを効率良く学習できます。

また、演習書としてだけでなく、似た問題を探して解法を確認する辞書のような使い方も可能です。

なお、単独の科目だけでなく、数学Ⅱ+BやⅢ+Cなどの青チャートもあります。

英語

続いて、中堅大学を受験する方におすすめの英語の参考書を3つ紹介します。

英単語ターゲット1400

ターゲット編集部「英単語ターゲット1400 5訂版」(旺文社、2020年)は、大学入試の傾向を分析し、出題傾向が高い順に並べた単語帳です。また、無料ダウンロードサービスで、単語や例文を音声で学習できます。

この単語帳に取り組んでおけば、中堅大学の英語入試に十分対応できるでしょう。

読解のための英文法が面白いほどわかる本 必修編

肘井学「肘井学の読解のための英文法が面白いほどわかる本 必修編」(KADOKAWA、2022年)は、英文解釈の方法を詳しく学べる参考書です。

読解に必要な英文法を33テーマ厳選し、基本的な例題から難関大学で出題された発展問題まで、段階的に学習しやすい構成となっています。

丁寧な解説が特徴の参考書であるため、独学での大学合格を目指す方にもおすすめです。

入門英語長文問題精講

三浦淳一「入門英語長文問題精講 3訂版」(旺文社、2019年)は、大学入学共通テストレベルの長文問題を扱っている参考書です。

全文にSVOC分析や日本語訳、語句が掲載されており、読解のための重要ポイントを丁寧に解説しています。また、専用のリスニングアプリを通して、書籍の音源を聴くことも可能です。

さらに、英語の読解ポイントでは講義動画も閲覧できるため、初めて長文問題に取り組む方にもぴったりの参考書といえるでしょう。

国語

中堅大学を受験する方におすすめの国語の参考書を3つ紹介します。

ゼロから覚醒 はじめよう現代文

柳生好之「ゼロから覚醒 はじめよう現代文」(かんき出版、2020年)は、現代文を正しく読むためのルールや解法を学べる参考書です。

大学入試に向けて現代文の学習を始めたばかりの方や、苦手な方、点数が安定しない方におすすめです。また、応用問題に対応できる力も身に付きます。

古文ポラリス 1・2

岡本梨奈「岡本梨奈の古文ポラリス」(KADOKAWA)は、古文の演習に特化した参考書です。過去の入試をもとに作成した問題が「実力が付く」順に収録されており、実践力を高めることができます。

この参考書の特徴は、問題文の読み方から語句・文法、論旨の展開まで、答えを導くためのプロセスが丁寧に解説されている点です。

古文ポラリスには「1 基礎レベル」「2 標準レベル」「3 発展レベル」の3種類があります。中堅レベルの大学を目指す方は1で基礎力を強化し、2で中級レベルの問題を解いて実力を高めるとよいでしょう。

漢文ヤマのヤマ

三羽邦美「漢文ヤマのヤマ 共通テスト対応版」(学研出版、2020年)は、大学受験で頻出する66の句法をわかりやすく学べる参考書です。

各句法に演習ドリルが付いており、理解度を確認しながら学習を進めることができます。また、大学入試共通テストの勉強法も掲載されています。

さらに、4回分の問題演習と、漢文に関連する歴史年表も収録されており、有益な一冊です。

おすすめの難関大学・学部受験向け参考書

続いて、MARCHと総称される私立大学や、国公立大学など、偏差値60前後の「難関大学」を受験する方におすすめの参考書を教科別に紹介します。

数学

難関大学を受験する方におすすめの数学の参考書を2つ紹介します。

1対1対応の演習

東京出版編集部「1対1対応の演習 数学Ⅰ」(東京出版、2022年)は、過去の大学入試から厳選した問題を多く収録した参考書です。数学の基礎問題が解けるようになり、難関大学の過去問に取り組む前に、より実践的な問題演習をしたい方におすすめです。

この参考書の問題をマスターすることで、大学入試の典型問題に対応できるようになります。また、入試に必要な考え方を効率良く身に付けられるように問題を厳選してあるため、ページ数は少なめです。

なお、数学Ⅰだけでなく、数学A、Ⅱ、B、Ⅲ(曲線・複素数編)、Ⅲ(微積分編)も刊行されています。

標準問題精講

麻生雅久「数学Ⅰ・A標準問題精講 四訂版」(旺文社、2022年)は、難関大学入試で頻出する124題を通して、解き方のコツや考え方を段階的に解説する参考書です。

問題と解答のあいだには「どこに着目して解くか」「どのように考えて解法を組み立てるか」が丁寧に解説されており、単なる公式の暗記ではなく、問題の本質を理解しながら解く力が身に付きます。

そのため、問題のとらえ方や解答パターンを効率良く学びたい方におすすめです。

標準問題精講には数学I・Aだけでなく、数学Ⅱ・B+ベクトルや数学Ⅲ・C、分野別もあります。

英語

続いて、難関大学を受験する方におすすめの英語の参考書を3つ紹介します。

ネクステージ英文法(Next Stage)

瓜生豊、篠田重晃「Next Stage(ネクステージ)英文法・語法(4th Edition)」(桐原書店、2014年)は、大学入試に必要な英文法を1冊で網羅できる参考書です。

また、英文法だけでなく、語法やイディオム、会話表現、単語・語彙、アクセント・発音も学べます。

そのため、学習した英文法の基礎を定着させたい方におすすめです。

見開きの左ページに問題、右ページに解答・解説が付いており、省スペースでも使いやすく配慮されています。

ポレポレ英文読解プロセス50

西きょうじ「ポレポレ英文読解プロセス50」(代々木ライブラリー、1993年)は、50の例文を通して、難関大学入試に対応できる英文読解力を養える参考書です。

約130ページと比較的ボリュームが少なく、短時間で取り組める点がメリットです。ただし難易度が高いため、基本的な文法や英文解釈の技法をひととおり学んだ方におすすめです。

英語長文ポラリス2 応用レベル

関正生「関正生の英語長文ポラリス 2 応用レベル」(KADOKAWA、2016年)は、さまざまな大学の入試に対応できる12のテーマを収録した参考書です。特に、長文読解の基礎が身に付いた方におすすめです。

すべての文章に構文解析が付いており、精読の練習にも役立ちます。さらに、ネイティブスピーカーによる朗読音声がダウンロードできる点も魅力の一つです。

国語

難関大学を受験する方におすすめの国語の参考書を3つ紹介します。

現代文読解の基礎講義

中野芳樹「新版 現代文 読解の基礎講義」(文英堂、2024年)は、難関大学入試にも対応可能な現代文読解の基礎を習得できる参考書です。これにより、どのような評論問題でも正しく読み解ける力が身に付きます。

本書では「正しく読み解く力」を養うための基礎として、以下の3点について解説しています。

  • 客観的速読法:表現やレトリックに注目し、筆者の主張を読み取る方法
  • 論理的解答法:設問の出題形式に合わせ、適切に解答を組み立てる方法
  • 基幹知識:現代文を読むうえで重要な語彙や概念を理解するための知識

古文ポラリス3

岡本梨奈「岡本梨奈の古文ポラリス3」(KADOKAWA、2022年)は、中堅大学向けの「岡本梨奈の古文ポラリス1・2」よりも、ハイレベルな参考書です。

問題文の読み方や文法・語法などが丁寧に解説されており、難関大学を受験する方の総仕上げとして活用するのに最適です。

漢文道場 入門から実戦まで

土屋裕「漢文道場 入門から実戦まで」(Z会、1992年)は、漢文の基礎から入試対策までを1冊で網羅できる参考書です。

「基礎編」で漢文の基礎知識を学び、「練成編」で読解力を養い、「実践編」で入試問題に取り組むという段階的な構成になっています。

また、書き下し文や全訳、解答を導く考え方など、解説が充実しているのも特徴です。

おすすめの最難関大学・学部受験向け参考書

最後に、最難関大学・学部を受験する方向けの参考書を教科・科目別に紹介します。

数学

数学の得点力を高め、最難関大学・学部の入試に挑みたい方におすすめの参考書として、以下の3冊が挙げられます。

数学I・A/II・B 最高の演習160、数学III 最高の演習90

松田聡平「数学Ⅰ・A/Ⅱ・B 最高の演習160」「数学Ⅲ 最高の演習90」(東進ブックス、2016-2017年)は、東京大学や京都大学をはじめとする最難関大学レベルの入試問題を厳選した参考書です。

別解や注釈、発展的な解説も充実しており、1つの問題を多角的に考える力が身に付きます。

なお、同シリーズの松田聡平「松田の数学Ⅰ・A/Ⅱ・B 典型問題Type100」「松田の数学Ⅲ 典型問題Type60」(東進ブックス、2014-2017年)では、基礎から学び直すことが可能です。

上級問題精講

長崎憲一「数学Ⅰ+A+Ⅱ+B+ベクトル 上級問題精講 改訂版」「数学Ⅲ+C 上級問題精講 改訂版」(旺文社、2023-2024)は、東京大学・京都大学・一橋大学・東京科学大学レベルの良問を厳選した参考書です。

「数学Ⅰ+A+Ⅱ+B+ベクトル 上級問題精講」は類題37問を含む167問、「数学Ⅲ+C 上級問題精講」は類題29問を含む148問を収録。これらの問題を通して、最難関大学・学部入試に対応できる数学力を効率的に養えます。

英語

英語力を伸ばし、最難関大学・学部合格を目指したいと考えている方には、以下に挙げる5冊の参考書がおすすめです。

総合英語 Evergreen

川崎芳人・久保田廣美・高田有現・高橋克美・土屋満明・Guy Fisher・山田光「総合英語 Evergreen」(いいずな書店、2017年)は、丁寧な解説により英文法の基礎から発展までを網羅できる参考書です。

辞書のように活用できるため、基礎をマスターした方にも役立つでしょう。

また、解説動画や学習アプリも付属しており、最難関大学・学部受験に必要な英文法を効率良く学ぶことができます。

英語長文PREMIUM問題集 Top

安河内哲也「英語長文PREMIUM問題集 Top」(東進ブックス、2016年)は、4技能試験のリーディング対策にも対応した、最難関大学・学部を受験する方向けの参考書です。

付属のCDには、4技能試験と同じ速度で録音された音声が収録されており、リスニング力の強化にも役立ちます。

また、専用のアプリを使えば、場所を選ばず書籍と同じ問題に取り組むことができます。

英語長文レベル別問題集6 難関編

安河内哲也・大岩秀樹「英語長文レベル別問題集6 難関編」(東進ブックス、2008年)は、東京大学や早稲田大学・慶應義塾大学・上智大学といった最難関大学レベルの長文問題を10問厳選した参考書です。

本書をマスターすれば、抽象的で高度なテーマの長文でも、設問の意図を正確に把握し、論理的に全体の流れを考えられるようになります。

やっておきたい英語長文1000

杉山俊一・塚越友幸・山下博子「やっておきたい英語長文1000-改訂版-」(河合出版、2024年)は、900~1600語程度の長文問題10問で構成された参考書です。

本書の問題は、頻出テーマを網羅するよう厳選されており、要約も充実しているため、効率良く長文読解のコツをつかむことができます。

灘高キムタツの東大英語リスニング

木村達哉「灘高キムタツの東大英語リスニング」(アルク、2005年)は、東京大学入試二次試験の英語リスニング対策に特化した参考書です。

本書には、500~600ワード前後の長文を聞き取る力を養う16の戦略が収録されています。

また、本試験10年分に相当する30問の模擬テストを解くことで、最難関大学・学部の入試に対応できるリスニング力が身に付きます。

国語

最難関大学・学部の受験に通用する国語力を身に付けたい方におすすめの参考書を3冊紹介します。

現代文と格闘する

竹国友康、前中昭、牧野剛「現代文と格闘する 三訂版」(河合出版、2016年)は、最難関大学・学部の受験に必要な読解技術を学ぶことができる参考書です。

本書は、以下の3部構成で現代文の得点力を高めます。

  • ことばをイメージする:押さえておきたいキーワードに焦点を当てる
  • 文章を読みつなぐ:読解のコツをまとめ、論理的に理解する力を養う
  • 文章と格闘する:入試頻出の評論や小説を演習し、実践力を鍛える

得点奪取 古文

竹村良三・武田博幸・伊田裕「得点奪取 古文 《記述対策》-改訂版-」(河合出版、2004年)は、解釈・説明・要約といった典型的な記述問題の解法を効率的に学ぶことができる参考書です。

本書を活用することで、最難関大学・学部の二次試験に対応できる力が身に付きます。

また、同シリーズの以下の参考書もおすすめです。

入試精選問題集 漢文

河合塾国語科「入試精選問題集 漢文-四訂版-」(河合出版、2022年)は、全国の大学入試の傾向を踏まえて厳選した漢文が収録されている参考書です。

本書では「頻出」「典型」「良問」の30問を解くことで、最難関大学・学部の入試に対応できる実力を養えます。

また、同シリーズには以下の参考書もあります。

まとめ

今回は、大学のレベルを「中堅」「難関」「最難関」に分けて、教科ごとにおすすめの参考書を紹介しました。

ただし、志望校に合わせていきなり高難度の問題に取り組んでも、基礎が固まっていなければ理解は難しくなります。

まずは教科書の基礎問題を解けるようになってから、中堅、難関、最難関と段階的にレベルアップしていきましょう。