大学受験は、受験生だけでなく保護者である親にとっても大きな関門です。子どもの将来がかかった重要な時期に、親としてどのようなサポートができるのでしょうか。この記事では、大学受験において親にできることや避けるべきことについて詳しく解説しますので、ぜひ参考にしてください。
子どもの大学受験に対して親ができる3つのサポート
受験生の子どもを持つ保護者が行えるサポートとして、特に重要なものを3つご紹介していきます。それぞれのサポート方法について、詳しく見ていきましょう。
精神面のサポート
受験生が合格を勝ち取れるかどうかの鍵は、「精神的な支えがあるかどうか」にあるといっても過言ではありません。なぜなら、長い受験準備期間において、心の状態が落ち着いていなければ、勉強に集中することが難しいからです。学力はすぐに上がるものではなく、日々の積み重ねで少しずつ上がっていくものなので、受験期ともなると焦ってしまったり、切羽詰まって自分を追い込んでしまったりする受験生も少なくありません。子どもが自信をもって受験に臨めるよう、次のような精神面のサポートを心がけましょう。
まずは、子どもの努力を認めることが大切です。「毎日勉強を頑張っていて偉いね」「一生懸命なあなたなら大丈夫」といったポジティブな言葉をかけることは、子どもの自信につながります。また、「あなたが大学に合格すると信じているよ」と、親が子どもの成功を信じていることを伝えることで、本人はより前向きに受験に取り組めるようになります。前向きな言葉で子どもを励ますことは重要ですが、それが子どものプレッシャーになることもあることには注意しながら、タイミングを見計らって声かけをするようにするとよいでしょう。
さらに、子どもの精神面をサポートする上で重要なのは、適度な息抜きの時間を設けることです。受験勉強に没頭するあまり、ストレスが溜まりすぎてしまうことがあります。そのため、親は子どもに適度な休息を取るよう促すことも大切です。例えば、家族で食事を楽しむ時間を設けたり、週末に短時間でもリフレッシュできるよう外出をしたりすることが、子どものストレス軽減につながりますよ。
学習環境の整備
受験期の子どもは、日々、勉強の進捗状況に敏感になっています。「今日は集中できて、いつもより多くの問題が解けた」「今日は調子が悪くて、予定の半分しか進まなかった」など、自分の学習の成果を細かく意識しています。
ですから、子どもが集中して学習を進められるよう、親は家庭内の環境に気を配る必要があるでしょう。
具体的には、
- 騒音に気を付け、できるだけ静かな学習空間を用意する
- 子どもが欲しがる参考書や問題集はできるだけ揃えるようにし、本人のモチベーションを低下させないようにする
- 必要に応じて学習塾に通わせ、夏期講習などに参加させる
- 子どもが体調不良にならないよう、栄養バランスのとれた食事を提供する
などが挙げられます。
受験に挑む子どもの気持ちを尊重し、効果的に受験勉強を進められるようにサポートしましょう。
情報収集と進路相談
情報収集は、受験生を持つ親ができる重要なサポートの一つです。受験生は日々の勉強に追われ、希望する進路に関係する大学・学部の情報を、詳細に調べきれていない場合があります。そのため、親が積極的に情報収集を行い、子どもに大学や学部の選択肢を提示できるようにしておくとよいでしょう。
また、オープンキャンパスは、各大学の雰囲気を直接知るための貴重な機会です。子どもが気になっている大学については、オープンキャンパスの日程も把握しておきましょう。
さらに、親子で一緒に大学の説明会に参加するのもよいでしょう。親子で同じ情報を共有できれば、その後の進路相談をより具体的に進めることができます。ただし、見学や説明会の際は親が前面に出すぎず、子ども自身が主体的に情報を得られるよう配慮することが大切です。
受験生の親が避けるべき行動
次に、大学受験を控える子どもがいる親が避けるべき行動についても解説していきます。
プレッシャーをかけすぎない
大学受験において、親が子どもにプレッシャーをかけることは一番のタブーであると心得ておきましょう。なぜなら、子ども本人は学校でのテストや模試の成績、志望校の判定について神経質になっており、ただでさえ精神的にプレッシャーがかかっている状態だからです。
また、受験生の大半が「親の期待に応えたい」「親が喜ぶ結果を出したい」という思いを無意識のうちに抱えています。合格を期待しながらサポートしつつ、本人の不安やプレッシャーを取り除いてあげることを優先しましょう。
親の希望を押し付けない
大学受験において、親の希望を子どもに押し付けることは避けるべきです。「この大学に行くべきだ」「この学部がいいよ」といった親の一方的な主張は、子どもの本来の希望や適性を無視することにつながります。
特に気を付けたいのが、親世代の時代とは、大学入試の制度や社会情勢自体がが変わっている可能性があるということです。
例えば、
- 一般入試以外にも、AO入試や推薦入試など様々な入試の形式が増えていること
- 社会のニーズに合わせて新しい学部や学科が次々と誕生していること
- 多くの大学が国際化を進め、留学プログラムの充実や英語での授業を取り入れていること
など、親世代とは違った大学受験事情があります。
そのため、親は自身の経験や固定観念にとらわれすぎず、今の教育事情や就職市場について最新の情報を収集することが大切です。その上で、子どもの興味や適性を尊重し、一緒に考えながら志望校や学部を選定していくことを心がけましょう。
また、親の希望を押し付けないようにするために重要なのは、定期的に子どもの興味や将来の夢について話し合う時間を設け、対話を重ねることです。その際、親は「聞き役」に徹し、子どもの考えを否定せずに受け止めてあげるよう心がけてください。
他の子どもと比較をしない
子どもはそれぞれ、成長するペースが異なります。成績が伸びる時期が早い子もいれば、遅い子もいるのが事実です。そのため、他の子と比べて焦ったり落ち込んだりするのではなく、本人のペースで着実に勉強を進められるようサポートしてあげてください。
親としては、相対的な比較ではなく、子ども自身の成長や努力に注目しましょう。例えば、「以前よりも点数が上がった」「苦手な科目に真剣に取り組んでいる」など、子どもの学習に対する姿勢とその結果を具体的に褒めることが大切です。このような前向きな声かけが、子どもの意欲的な受験勉強につながり、結果的に良い成果を生み出します。
親のサポートが大学受験成功の鍵
受験生の親の心得として、親ができるサポートや避けるべき行動について紹介しました。大学受験で親が大切にすべきことは、「どうすれば子どもが前向きに受験できるかを優先的に考えること」です。子どもの心の支えとなり、寄り添う姿勢でサポート役に徹しましょう。本人が安心して大学受験に臨むことができれば、よい結果につながるはずです。