総合型選抜はいつから準備を始めるべき? 高1・高2・高3、時期ごとの対策方法も解説

総合型選抜入試(旧AO入試)を採用する大学はどんどん増えています。今では8割以上の大学で導入されているため、第一志望の大学であれば、受験したいと思う人も多いでしょう。しかし一般選抜とは異なり、総合型選抜では学力以外の能力も求められます。そのため、いつから対策すればよいかが難しいと言えるでしょう。

この記事では、総合型選抜の対策をいつから始めるべきか、また学年・時期ごとにすべき対策をお伝えします。

総合型選抜とは? AO入試との違いは?

総合型選抜とはどのような入試方法なのでしょうか。前身である「AO入試」とはどこが変わったのかも知っておきましょう。

総合型選抜の概要とAO入試から変わったこと

総合型選抜とは、各大学の「アドミッション・ポリシー(入学者受け入れ方針)」にマッチする学生を選考する入試方法です。総合型選抜を実施する大学は年々増加しており、文部科学省の「令和5年度国公私立大学・短期大学入学者選抜実施状況の概要」によると、84.7%の大学・短大で導入されています。

総合型選抜では、主に書類や面接、小論文などによって選考が行われます。一般選抜と異なり、大学・学部ごとにさまざまな選考が行われるため、学力試験の対策のみならず入念な情報収集と対策が必要です。

総合型選抜は、2020年度以前は「AO入試」として実施されていました。AO入試も書類や面接、小論文などによって、アドミッション・ポリシーにマッチする学生を求める入試です。

しかし総合型選抜になり、より学力を重視するようになりました。人物評価や大学とのマッチ度に加え、「学力の3要素」と呼ばれる「知識・技能」「思考力・判断力・表現力」「主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度」が総合的に評価されるようになったのです。

総合型選抜のスケジュール

通常、総合型選抜は一般選抜より早い時期に行われ、おおむね以下のスケジュールで行われることが多くなっています。

6月:各大学のホームページなどで募集要項の配布開始
7月:願書の配布開始
9~10月:出願開始
9~11月:選考
10~12月:合格発表・入学準備

総合型選抜は一般選抜より4~5カ月早いスケジュールで進むため、その分早めに対策を行う必要があるのです。

スケジュールは国公立か私立かによっても異なり、また同じ大学でも学部によって時期がずれることがあります。志望校の出願・選考スケジュールは早めに確認しておきましょう。

総合型選抜の準備はいつから始めるべき?

それでは、具体的にいつから総合型選抜の対策を始めれば良いのでしょうか。対策すべき項目とあわせて解説します。

総合型選抜に必要な対策とは?

総合型選抜では、学力のみならず、受験生の人物像や大学とのマッチ度が多面的に評価されます。以下は一例ですが、このように幅広い対策が必要となります。

・評定平均を上げる
・書類や面接でアピールできる活動実績を作る
・オープンキャンパスに参加する
・英検やTOEICなどの英語資格を取得する
・大学入学共通テストの対策をする
・小論文の対策をする
・面接の練習をする
・志望理由書や自己推薦書の内容を練る
・一般選抜を受ける場合の学力試験対策

総合型選抜では、学校の成績や課外活動など、高校1~2年からの実績も評価対象となります。

オープンキャンパスは、志望大学で学ぶ内容や雰囲気を知ることができる貴重な場です。自分が大学生として学習する姿をイメージするためにも、必ず参加しましょう。

また、総合型選抜で共通テストを課す大学・学部もあるため、場合によっては共通テスト対策が必要となるでしょう。さらに、総合型選抜に加えて一般選抜を受験予定の人は、通常の学力試験対策も行わなければいけません。

見出し2-2:総合型選抜の準備はなるべく早く始めよう

以上のように、総合型選抜では多岐にわたる対策が求められます。そのため、「対策を始めるのは早ければ早いほど良い」と言えるでしょう。高1から総合型選抜を意識する人もいますし、高2の夏頃から対策を始めるのが理想的と言えます。

高2の夏であれば、一般選抜の対策もまだそれほど忙しくありません。学校の勉強に集中できるため評定を上げやすく、課外活動やオープンキャンパスに参加しやすい、英語資格の勉強時間を確保しやすいといったメリットがあります。

また、早い時期から総合型選抜を意識することで、より深い自己分析ができ、明確な志望理由を立てやすくなります。さらに、小論文では時事問題について出題されることが多いため、日頃からニュースなどで情報収集をしておくことが望ましいでしょう。

とはいえ、高3から総合型選抜の準備を始める人も少なくありません。高3からでも小論文や面接対策をしっかり行うことで、総合型選抜に合格することは可能です。総合型選抜に特化した予備校に通うことも強力な助けになるでしょう。

【時期別】総合型選抜の対策方法

ここでは、総合型選抜を受験する場合の対策について、時期ごとの目安をお伝えします。高校1~2年から対策を始められればなお良いですが、高3からでも遅くないため、予備校や学校の先生と相談しながら進めてください。

高校1〜2年生

・評定平均を上げる
・部活で結果を出したり課外活動に参加したりする
・志望大学について理解を深め、自己分析を進める
・英検やTOEICなどを受験する
・オープンキャンパスに参加する

高1〜2の間は、入試に向けての準備期間と言えます。勉学のほか、部活や課外活動の実績を積んだり、志望大学への理解を深めたりしましょう。特に語学系の大学・学部を志望する人は、夏休みや春休みに短期留学に行くのもおすすめです。

高校3年生4~7月頃

・最終的な志望校を決定する
・オープンキャンパスや入試説明会に参加する
・志望理由書、自己推薦書など提出書類の準備をする
・小論文対策をする
・共通テスト対策をする

高3になると、本格的に受験が始動します。総合型選抜の選考時期は早いため、春頃から書類の準備、小論文対策などを進めましょう。総合型選抜に特化した予備校で、書類の添削や小論文の指導を受けるのもおすすめです。

高校3年生8月~試験日

・総合型選抜の過去問対策を進める
・面接と2次選考の準備をする

出願後は、総合型選抜の過去問を進め、傾向と対策を練りましょう。また、面接の練習と、2次選考の準備も進めてください。

そして試験終了後~合格発表の時期は、万が一不合格だった場合に備え、まだ総合型選抜を募集している大学を探しておくと安心です。また、一般選抜を受験する準備も進めておきましょう。

まとめ

総合型選抜は一般選抜とは異なり、特殊な対策を必要とします。志望理由書、自己推薦書など自分をアピールする書類の準備、小論文の対策、面接の練習など、多岐にわたる対策を計画的に進めましょう。

その際は、総合型選抜の知識や経験を持つ学校の先生や、予備校と協力して進めることをおすすめします。総合型選抜専門の予備校のほか、大手予備校でも総合型選抜対策コースを用意していることが多いです。

また最近では、オンラインで面接練習や書類・小論文の添削をしてくれるサービスも登場しています。これらの予備校やサービスを活用し、総合型選抜合格を勝ち取ってください。

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