親もしんどい! 大学受験を乗り越えるためのサポートガイド

その後の人生を大きく左右すると言われる大学受験は、受験生にとって筆舌に尽くしがたいほどのプレッシャーがかかる一大イベントです。

多くの親御さんは、子どもの不安をできるだけ取り除くため、保護者としてきめ細かなサポートをしてあげたいと考えることでしょう。

しかし、子どもを支える親御さん自身も、大切な子どもの一大事を前にして、子どもと同じかそれ以上にストレスや疲労を感じてしまうことも少なくありません。

本記事では、不安が尽きない大学受験を親子でどう乗り切るべきか、親として知っておきたい行動指針やサポート方法、そして親自身のストレスを軽減するための対策を紹介します。

大学受験での親の役割とは? 後悔しないための親の行動指針

大学受験に臨むお子さんには、一人の大人として尊重し、寄り添うことが大切です。ただし、まだ未熟な面もあり、親御さんの豊富な人生経験に基づくサポートが必要となることもあるでしょう。

ここでは、大学受験を前にして受験生が親に求めていることを紹介し、それを踏まえて親がどのような行動指針を持つべきかを提案します。

受験生の心理を理解しよう

大学受験を控える子ども本人がどのような思いを抱えているのかを知ることは、効果的なサポートをするための第一歩です。

入試の日が近づくにつれて緊張が高まっていく中、多くの受験生は親御さんの何気ない言葉に励まされたり、傷つけられたりする経験をしています。

「頑張っているね」「あなたならできるよ」などの肯定的な応援の言葉は、子どもたちにとって大きな励みになります。特に、模試で良い点数が取れなかったときなど、落ち込んだり不安に苛まれたりしているとき、「まだ時間があるから対策できるよ」「苦手なところが今分かってよかったね」など、ネガティブな状況をポジティブに捉え直せるような言葉をかけてもらえると、前向きに取り組む力が湧きます。

一方、「もっと勉強しないとダメだよ」「このままだとどうなるか分かってるよね?」など、プレッシャーを与える発言は、子どものストレスや焦りを大きくし、反発を招いたり、やる気を削いだりしてしまいます。

親御さんの言葉は、受験生にとって想像以上に大きな力を持っています。親御さんも大きな不安を抱えているため、ネガティブな言葉が口をついて出そうになってしまうことがあるかもしれませんが、お子さんが自信を持って受験に臨めるよう、できるだけポジティブな言葉をかけるように心がけましょう。ただし、ポジティブな言い回しであっても、逆に受験生にとってプレッシャーになってしまう場合もあることには注意してください。

長期的な視点で見る

大学受験の対策に追われている受験生は、目の前の課題をこなすことに必死になるあまり、自分の置かれている状況を客観的に捉えることが難しくなり、些細なことで一喜一憂しやすくなります。

このような視野が狭まった受験生のお子さんに対して、もうひとつの視点となってポジティブな道を示していくことが、親御さんの役割です。

親御さんは、短期的な成果にとらわれず、お子さんの将来を見据えた長期的な視点を持つことが大切です。そのためには、大学受験はあくまで子どもの人生の一部であり、たとえ結果が思うようにいかなくても、その後の道がいくつも開かれていることを親自身が理解し、冷静に対処する姿勢が求められます。

親御さんが長期的な視点を持つことで、お子さんは安心感を得て、困難なことにも柔軟に対応する力を育むことができます。たとえば、「努力はいつか何かしらの形で実を結ぶ」「失敗も成長の一歩」など、経験に基づいたポジティブな励ましは、子どもにとって大きな支えとなるでしょう。

子どもの勉強に干渉しすぎないサポートとは?

大学受験を迎える子どもに対し、保護者として十分なサポートをしてあげたいと考えている方は多いでしょう。しかし、過度な干渉をしてしまうと、かえって子どもにストレスをかけてしまうことがあるため、注意が必要です。

ここでは、子どもが求めるサポートを提供するために押さえておきたいポイントと、具体的なサポート方法を紹介します。

子どもの自主性を尊重しよう

大学受験では失敗させたくないと思うあまり、つい志望校や志望学部の変更を提案したり、勉強の仕方について口を出したりしたくなることもあるでしょう。

しかし、子どもの意見を無視する提案や、子どもの力を過小評価するような言葉は、子どもの自信ややる気を損ねてしまいます。

子どもの大学受験をサポートするときには、子どもを信じ、子どもの意志を尊重することが大切です。

親御さんは、何か提案をするとしても、お子さんから選択権を奪わないように気を付けましょう。そして、最終的にお子さんが選択したことを決して否定せず、全面的に応援してあげてください。

適度な距離感を保った適切なサポートの方法

ポジティブな声かけをはじめとする心理的なサポート以外にも、受験を控えたお子さんに対して親御さんができるサポートはたくさんあります。

・経済面のサポート
参考書の代金や塾・予備校の授業料、大学の受験料など、受験にかかる費用を快く負担してあげることで、子どもは安心して勉強に集中できるようになります。

・生活面のサポート
栄養バランスのとれた食事を用意したり、根を詰めすぎているときには休憩するように促したりして、お子さんが健康を保てるように支援しましょう。

・出願手続きのサポート
子どもひとりで大学の募集要項を読み込み、出願手続きを行うことは大変難しく、大きな負担となります。親御さんがリードして手続きをサポートしてあげましょう。

・入試当日のサポート
遠方の大学を受験する場合は特に、大学へのアクセス方法の調査や宿泊施設の予約など、入試当日のスムーズな移動をサポートすることが重要になります。

親が感じるストレスやプレッシャーを軽減するには

受験に向けて頑張るお子さんをサポートすることも大切ですが、親御さん自身のストレスやプレッシャーを軽減することも同じくらい大切です。

ここでは、親が感じやすいストレスについて解説し、親のストレスやプレッシャーを軽減する方法を紹介します。

親が感じやすいストレス

大学受験を控えた子どもに対し、親御さんが感じるストレスは少なくありません。

子どもへの期待が膨らむ一方で、勉強に集中できていない姿を見たり、模試の成績が下がったりすると、期待と現実のギャップから大きな不安やプレッシャーを感じるでしょう。

また、できれば快く出資してあげたいと思いながらも、受験にかかる費用や浪人した場合の経済的負担についても、心配が募るものです。

いけないとは思いながらも、他の子と自分の子どもを比較して悩んでしまうこともあるでしょう。

自分の心をケアする方法

まずは、自分の気持ちを整理して自分が感じている不安やプレッシャーを受け止め、ネガティブな考えをポジティブに捉え直す努力をしてみましょう。

たとえば、「子どもがあまり勉強せず、合格できるか不安で仕方がない」という思いが強いときには、「学校や予備校など、親が見ていない所で勉強を頑張っているのだろう」と考えるようにします。

ひとりで考え方を変えるのが難しい場合は、パートナーや友人と話してポジティブな視点を育むとよいでしょう。

子どものことを考えない時間を意識的に作ることも効果的です。ストレッチやランニングなどで身体を動かすと、心身ともにリフレッシュできます。また、趣味や読書に没頭することで、心の余裕を取り戻すことができます。

専門家の助けを求める

自分の力だけでは不安やプレッシャーを軽減することが難しいと感じる親御さんには、学校や塾・予備校の先生、カウンセラーなど、専門家の助けを借りることをおすすめします。

学校や塾・予備校の先生は、受験対策に精通しており、具体的な学習計画や子どものモチベーションを保つ方法など、的確なアドバイスを提供してくれます。

カウンセラーの中でも、教育分野に強い教育カウンセラーに相談すれば、親自身のストレスや不安を軽減しつつ、子どもへの適切なサポート方法を教えてもらうことができます。

専門家のサポートを積極的に活用して、親子ともども安心して受験期を乗り越えましょう。

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