河合塾は、日本でも有数の大手予備校の一つです。生徒数は河合塾グループ全体で10万人以上(2021年3月時点)に上ります。老舗予備校として、これから通う予備校の候補に上げている人も多いのではないでしょうか。
予備校を選ぶ際に重視するポイントは人それぞれ。志望校合格のためにも、事前にさまざまな点をチェックして、より個々人に合った予備校を選びたいところです。中でも学費・料金はほとんどの人が気になる項目でしょう。
そこで今回は、河合塾の特徴やコースなどに触れた上で、料金体系について解説します。1年間の学費のシミュレーションもしていますので、河合塾への入塾を考えている人はぜひ参考にしてください。
河合塾ってどんな予備校?

河合塾は1933年に創立された歴史ある塾で、「『自らを求め、学びつづける人』を支援する」「一人ひとりの未来に貢献する」を使命として、指導を続けています。
大きな特徴は、「自分だけの合格戦略をチューターと立案できること」です。河合塾では、一人ひとりに受験のプロであるチューター(進学アドバイザー)が付きます。最適な講座や学習計画について、アドバイスしてもらえるのです。
また、河合塾の講師は最新の入試形式や出題傾向、大学別の入試傾向を徹底的に研究しています。そのため、最短距離で合格を目指せるのです。
その結果、河合塾の合格実績は他の予備校と比べてもかなりのものとなっています。たとえば2021年度は、以下を始めとした多数の合格者を輩出しました。
- 東京大学:1207人
- 京都大学:1217人
- 早稲田大学:5396人
- 慶應義塾大学:3233人
- 医学部医学科:合計4506人(国公立1585人、私立2921人)
※合格者数は河合塾グループ全体の在籍者、および講習受講生の集計(現役・浪人ともに含む)
※一人で複数の大学・学部学科に合格した場合は、それぞれに合格者として計上
河合塾のコースの違いは?
河合塾は、他の予備校と比べても多くのコースがあり、以下のように種類が分かれています。
コース名 | 対象 | 概要 |
高校グリーンコース | 高校生(高1生・高2生・高3生) | 高校生を第一志望大学“現役合格”へと導くコース |
大学受験科 | 高卒生 | 高卒生を第一志望大学合格へと導くコース |
河合塾One | 高校生・高卒生・高校生 | 定額でオンライン学習し放題のコース |
東大現役進学塾 MEPLO | 高校生・中学生 | 中高一貫校に通う中学生および高校生のための東大現役進学塾 |
現役生を対象とする最もスタンダードなコースは、「高校グリーンコース」です。高校グリーンコースを設置している校舎は、北海道から福岡県まで、全国に51校あります。
なお、ここでご紹介したものは大学受験に直結するコースのみです。他にも、英語に特化した「KAWAIJUKU English School 中高生イングリッシュ」や美大・芸大受験のための「河合塾美術研究所」など、多彩なコースがあります。違いを理解し、自分に合ったコースを選びましょう。
河合塾マナビスとの違いは?
河合塾と並んで、「河合塾マナビス」という名前を見ることも多いかもしれません。
河合塾マナビスは、河合塾がフランチャイズで全国に展開している予備校です。現役生を対象としており、主に映像授業で学習を進めます。部活や学校行事などで忙しくても、予定に合わせて柔軟に通えることが魅力です。
映像授業には、「分かりやすい」と生徒から評価の高い講師を厳選。河合塾の長年培ったノウハウが活かされた授業が、約1000講座そろっています。一人ひとりにアドバイザーが付き、ただ映像授業を受けるだけでなく、学習計画や進路の相談もできます。
校舎数は2022年3月時点で、青森県から沖縄県まで全国に338校。河合塾の「高校グリーンコース」より校舎が多く、地方在住でも比較的通いやすいでしょう。
河合塾の基本の料金体系を解説!

ここからは河合塾の学費について、現役生・高卒生に分けてご紹介します。
現役生(高校グリーンコース)の場合
河合塾では、「入塾金・塾生サポート料・授業料」の合計額が学費となります。高校グリーンコースの場合は以下のような金額です。
入塾金 | 3万3000円 | |
塾生サポート料 | 高1・高2生 | 3520円/月(年額4万2240円) |
塾生サポート料 | 高3生 | 6270円/月(年額6万2700円 ※1) |
授業料 | 高1・高2生 | 15万2250円/年(※2)×受講数 |
授業料 | 高3生 | 12万9600円/年(※3)×受講数 |
※1:高3年度の2・3月を除いた10ヶ月分。
※2:関東地区・1講座(90分29講)あたりの年間授業料
※3:関東地区・1講座(90分24講)あたりの年間授業料
「塾生サポート料」とは、全統模試などのテスト費用、在籍データ管理料、施設利用料、システム利用料を含む諸経費です。月額制となっており、河合塾生になると毎月発生します。また「授業料」は、講座や受講開始日によって異なります。
そして河合塾では、特定の条件を満たす場合、入塾金の全額または一部が免除されます。以下の条件に当てはまるかどうか必ず確認しましょう。
条件 | 入塾金免除額 |
2015年度~2022年度に、河合塾グループの予備校などに在籍していた人 | 全額(3万3000円) |
2021・2022年度に、以下に該当する人 ・講習受講生/河合塾実施の模試受験生(※4)/個別相談・入塾説明会・体験授業に参加した人(※5) ・Kei-Net会員 ・インターネットから入塾を申し込んだ場合 | 半額(1万6500円) |
2015~2022年度に、兄弟・姉妹が河合塾グループの予備校などに在籍していた場合 | 1万円 |
※4:2022年度実施の模試を申し込んだ後に入塾する場合も対象。
※5:所定フォームに必要事項を記入・入力した人に限る。
「Kei-Net」とは河合塾の大学入試情報サイトで、無料で会員登録できます。
複数の条件に当てはまる場合は、そのうちいずれか一つが適用されます。ただし「兄弟・姉妹の在籍」については、入学する本人が半額(1万6500円)免除の条件にも該当する場合、合計で2万6500円が免除されます。
なお、「高校グリーンコース」「大学受験科」などを除いた、河合塾グループの一部の予備校の在籍生・講習受講生、河合塾マナビス主催の講習受講生は、インターネットで申し込んでも入塾金が免除されません。校舎窓口で、塾生証・会員証・受講証などを提示する必要があります。
インターネット申し込みによる入塾金免除のない予備校・コースについては、河合塾のホームページで確認してみてください。
高卒生(大学受験科)の場合
高卒生の大学受験科は、現役生対象の高校グリーンコースよりシンプルな料金体系となっています。入塾金の他にかかる料金は、基本的に年額の授業料のみです。
入塾金 | 10万円 |
授業料 | 85万円(※) |
※:関東地区・東大理類コース(4月期入学)の場合
授業料には、教材費や進学指導費も含まれています。ただし、小論文の添削料や各講習の受講料、特別カリキュラム、化学実験の教材費、ゼミの受講料などについては別途料金が必要です。
また入塾金に関しては、高校グリーンコースとほぼ同じ条件で全額(10万円)・半額(5万円)・1万円が免除されます。
オンラインで学べる「河合塾One」の料金は?
「河合塾One」は、AIとオンライン教材によって学習していく河合塾のサービスです。河合塾のノウハウを活かしたAIが、自分専用の学習メニューを組み立ててくれます。
教科は英語・数学・古文・物理・化学・生物・日本史・世界史に対応。解説動画の視聴から演習まで、スマホ1つで効率良く学習が可能です。
料金は定額で、プランは期間によって3つに分かれています。期間が長いプランほど、1ヶ月あたりの料金はお得になります。
12ヶ月プラン | 4万7278円(1ヶ月あたり3939円) |
6ヶ月プラン | 2万4948円(1ヶ月あたり4158円) |
1ヶ月プラン | 4378円 |
さらにオプションとして、月額1100円で「トレーナー」と呼ばれる担任を付けられます。トレーナーを付けると、大学受験に成功した先輩に学習方法や進路を相談できます。
また、月3回までは、質問対応専門の「先生」に無料で質問できます。4回目以降の質問は、別途「質問チケット」(1回550円)を購入する必要があります。
河合塾Oneは、7日間の無料体験ができるので、まずはお試しで申し込んでみてもよいでしょう。7日間無料体験の後は自動的に有料サービスが開始されます。解約する場合は、忘れずに手続きをしてください。
また、河合塾Oneの会員(無料体験期間中や、すでに退会済の場合を除く)は河合塾の入塾金が全額免除となるので、河合塾と併用するのもおすすめです。
河合塾の学費は1年間でどれくらいかかる?

最後に、河合塾に通った場合の1年間の学費をシミュレーションしてみましょう。
ここでは、関東地区在住・高3生・GMARCH文系志望、インターネットから高校グリーンコースに申し込み、4月に入学して翌1月まで10ヶ月通学した場合を取り上げます。
講座は以下の4つを、対面授業で受講することとします。
講座名 | 授業時間 | 授業料 |
GMARCH英語 | 90分×全24講 | 12万9600円 |
難関大現代文 | 90分×全24講 | 12万9600円 |
難関大古典 | 90分×全24講 | 12万9600円 |
日本史 | 150分×全24講 | 16万800円 |
計:54万9600円 |
※金額は全て関東地区の場合の年間授業料
また、春期講習・夏期講習・冬期講習などを合わせて8講座受けたとします。
春期講習・夏期講習・冬期講習 | 各90分×4講 | 1万4400円(塾生受講料) |
以上を足すと、このような金額となります。
入塾金(インターネット申し込みで半額免除) | 1万6500円 |
塾生サポート料 | 6270円/月×10ヶ月=6万2700円 |
授業料 | 54万9600円 |
春期講習・夏期講習・冬期講習 | 1万4400円×8=11万5200円 |
合計 | 74万4000円 |
河合塾の講座はそれほど種類がなく、必然的に講座数は絞られてきます。しかし、春期講習や夏期講習ではより多彩な講座から選んで受講できます。苦手な部分や通期講座では物足りない部分は、このような短期講習でカバーしましょう。
河合塾以外の塾・予備校の費用を知りたい方は、予備校の平均的な費用・おすすめの予備校の記事を参考にしてください。