A方式・B方式の違いって? 横浜市立大学の入試の仕組みからおすすめ予備校まで徹底解説

「YCU」や「横市(よこいち)」の愛称でも知られる横浜市立大学(以下、横浜市立大)。「横浜から世界へ」をキーワードに、広い視野・知識から学生の専門性を育んでいます。2018年に首都圏初の「データサイエンス学部」を新設し、2019年には国際総合科学部を「国際教養学部」「国際商学部」「理学部」に再編しました。

もともと医学部のレベルが高いことに加え、こうした近年の先進性も人気を集め、横浜市立大の入試は難関となっています。今回は横浜市立大の偏差値や倍率から対策方法、おすすめの塾・予備校まで徹底解説しました。横浜市立大志望の方はぜひ参考にしてください。

横浜市立大学の入試制度や難易度を知ろう

まずは、横浜市立大における入試の基本情報をお伝えします。

横浜市立大の入試制度とは?

横浜市立大の一般選抜には前期日程と後期日程があります。前期は全ての学部で実施されますが、後期は理学部・データサイエンス学部の2学部のみです。さらに前期日程の国際教養学部・国際商学部・理学部には「A方式」「B方式」があります。

A・B方式の違いは、大学入学共通テストの受験科目数です。A方式では5~6教科7~8科目、B方式では3教科3~5科目となります。国公立大学では5教科7科目が必要なことが多いですが、この3学部のB方式では理系科目のみ/文系科目のみでも受験可能です。出願時にA・B方式を選択する必要はありません。7~8科目を受験すれば、自動的に両方の方式で採点されます。一方で3~5科目のみの受験だと、B方式のみ採点対象となります。また、B方式の募集人数はA方式の半分ほどで、倍率も高く激戦となります。3~5科目だけ受けようと思っている人はよく検討してください。

二次試験は、A・B方式とも共通です。加えて国際教養学部・国際商学部では小論文が課されます。また、データサイエンス学部では総合問題が出題されるので、過去問を活用してしっかり対策しましょう。

ここまで一般選抜について解説しましたが、横浜市立大では他にも学校推薦型選抜、総合型選抜をはじめとしたさまざまな入試を行っています。医学部 医学科・看護学科には特別公募枠がある他、国際色の強い大学のため国際バカロレアを利用した選抜も。条件に当てはまる人はぜひチャレンジしてみてください。

横浜市立大の難易度・偏差値はどれくらい?

ここで、大手予備校の東進が持つデータから、横浜市立大の難易度を見てみましょう。偏差値は学部によって差があり、最も高いのは医学部 医学科で69です。医学部 医学科はかなりの難関と言えます。

また、国際商学部のB方式は67、国際教養学部のB方式は66とこちらも高い難易度です。ただし、どちらの学部もA方式だと偏差値60まで下がります。B方式はかなり狭き門だと思っておきましょう。

大学が発表している2022年度の倍率を見てみると、データサイエンス学部(前期)は約3.9倍と人気の学部であることが分かります。そして国際教養学部・国際商学部・理学部のA・B方式の倍率を比較すると、以下のようになりました。

A方式B方式
国際教養学部2.5倍9.2倍
国際商学部2.1倍8.1倍
理学部2.8倍3.0倍

国際教養学部・国際商学部では、理系科目が必要ないB方式になると、倍率も偏差値も一気に跳ね上がります。横浜市立大を志望する人は、ぜひA方式を確実に狙いましょう。一方で理学部ではそれほど差が出ていません。しかし理学部B方式はそもそも25人しか募集していないため、やはりA方式がおすすめです。

横浜市立大の出題傾向と対策方法とは?

続いては、横浜市立大の出題傾向とおすすめの対策方法を解説します。最初にお伝えすると、横浜市立大の受験生ポータルサイトでは入学者の受験対策法等が紹介されています。先輩たちが使っていた問題集や受験期の過ごし方など役立つ情報が多いので、以下の対策とあわせてぜひ参考にしてください。

記述が多い英語は速読・英作文のトレーニングが必須

英語は大問2~3問で構成されています。全て300~600語の長文でボリュームは多めですが、単語や語彙レベルは標準的です。文章の内容が理解できているか記述させる問題が多く、読解力・英作文スキルの両方が必要となります。

速読・速記が求められるため、長文読解のトレーニングをコツコツと続けてスピードを上げましょう。また、横浜市立大の学生からは「苦手な形容詞をマスターする」「シャドーイングと音読をする」などのアドバイスがありました。

数学は特に数Ⅲ分野を対策し、小問誘導を確実に解く

数学の難易度は基本的に標準~やや難レベル。例年1~2題の難問が出されますが、小問で誘導されるパターンが多いので、1つずつ確実に解けば部分点を稼げます。大問1以外は記述式解答が多く、思考力を問われます。特に数Ⅲ分野からの出題が目立ち、微積分が頻出です。微積分に関しては、応用問題レベルまでマスターしておきましょう。

その他、横浜市立大の学生からは「積分漸化式の色々なパターンを数多く解いておく」「記述力をつけるためにすべての問題で過程をしっかり書く」といった対策が挙がっています。

文系の小論文は長文と資料の解読がボリューム大!

小論文は国際教養学部・国際商学部・医学部 医学科で実施されます。学部の専門分野に即した内容が出題されるため、日ごろから志望学部に関する知識をつけておきましょう。

医学部医学科は例年「医師のキャリアについてあなたの考えを書きなさい」などシンプルな出題となっています。一方で国際教養学部・国際商学部は、かなり多めの長文と資料が提示され、筆者の主張や自分自身の考えを解答する形式です。現代文と小論文のミックスのような形なので注意してください。小論文に関しては、予備校や学校の国語講師から指導を受けることをおすすめします。

横浜市立大合格を目指せるおすすめ塾・予備校3選

ここでは横浜市立大に強い塾・予備校を3つピックアップしました。こちらを参考に、ぜひ自分にぴったりの予備校を選んでください。

東進ハイスクール・東進衛星予備校

現役合格に強く、国公立大への圧倒的な実績を持つ東進ハイスクール・東進衛星予備校(以下、東進)。2022年度は横浜市立大に143人が合格し、そのうち医学部医学科は8人でした(現役生のみ、講習生含まず)。医学部医学科全体の合格者数は約70人なので、合格者の1割以上が東進生ということになります。

東進では多彩な講座やサポートによって合格力を高められます。「志望校別単元ジャンル演習講座」は、現在の学力と志望校に合わせ、AIが最適な演習問題セットを提案してくれる講座です。また「過去問演習講座」では、大学受験のプロが過去問を採点・添削指導してくれます。横浜市立大の全学部の対策が可能で、自分だけではなかなか対策しづらい小論文にも対応しているためおすすめです。

また、模試が充実していることも東進の特徴の1つ。横浜市立大志望の方は、「共通テスト本番レベル模試」や「全国有名国公私大模試」を定期的に受けましょう。

四谷学院

四谷学院は独自の「ダブル教育」システムを導入していることが特徴です。科目ごとに最適なレベルの授業を受けられる「科目別能力別授業」と、段階を追って無駄なく学習できる「55段階個別指導」によって、理解力と解答力が身につきます。高3生コースでは「最小時間で最大効果を上げる」ことによって、現役合格を目指せます。

横浜市立大受験ではただ知識をつけるだけでなく、応用力も求められるでしょう。理解力を伸ばすことによって、蓄えた知識をしっかり活用できるようになります。また、数学や小論文ではややひねった問題も出されますが、四谷学院なら個別指導で細かな対策が可能です。

メディカルラボ

横浜市立大の中でも最難関である医学部 医学科志望の場合、医学部専門予備校に通う方法もあります。中でもおすすめは、河合塾グループのメディカルラボです。横浜市立大をはじめ、難関医学部医学科への合格実績を伸ばし続けています。

メディカルラボの特徴は指導の手厚さです。授業は全て個別指導で、個々の学力と志望校レベルに合わせた「完全個別」のカリキュラムが組まれます。英語・数学・理科はもちろん、横浜市立大受験でカギとなる小論文対策、面接対策も可能。受験生の考えや志望動機を丁寧にヒアリングしながら、書き方・答え方を徹底指導してくれます。

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