千葉大学合格のカギは基礎力と素早く正確な解答! 入試の特徴からおすすめの予備校まで徹底解説

数ある国公立大学の中でも人気の千葉大学(以下、千葉大)。理系に強いという特徴があり、医学部は全国的にもトップレベルの難易度です。国内の大学で唯一の学部である、法政経学部・園芸学部も設置しているのも特徴となっています。

また、千葉大では、柔軟に学生の能力を伸ばしていく面が見受けられます。「つねに、より高きものをめざして」を理念に掲げ、過去には日本の大学で初めて「飛び級」入学制度を導入したことも。

そんな千葉大への合格を目指すためには、どんな対策が必要なのでしょうか? この記事では千葉大の入試の仕組みや難易度から、出題傾向、対策方法まで解説します。千葉大の受験対策におすすめの塾・予備校もご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

千葉大の入試の仕組み、難易度は?

まずは、千葉大の入試の仕組みと、その難易度について解説します。

千葉大は国立大学ですが、他の大学ではなかなか見られない選抜方式を取り入れている点も特徴です。条件に合致しそうであれば、受験を検討してもよいでしょう。

千葉大の入試の仕組み

千葉大の入試要項を見ると、一般選抜の出願資格は以下のように記載されています。

令和4年1月実施の令和4年度大学入学者選抜大学入学共通テストで各学部・学科・課程・コース・分野が指定する教科・科目を受験した者で,大学入学資格を有するもの又は令和4年3月までに有する見込みのもの
引用:令和4年度 千葉大学 一般選抜 学生募集要項

「大学入学資格を有するもの又は令和4年3月までに有する見込みのもの」とは、高校を卒業した人や、卒業見込みの人などを指します。

千葉大は国立大学であるため、共通テストの受験が必須です。それぞれの学部で指定された共通テストの科目を受験した上で、学部ごとの個別試験(いわゆる二次試験)を受けることになります。

二次試験には前期日程・後期日程があり、もし前期で不合格になってしまっても後期の受験が可能です。ただし、後期日程の試験が行われない学部・学科もあるため要注意。令和4年度だと、後期日程の試験がなかったのは、国際教養学部・教育学部・薬学部薬学科・看護学部でした。

また、千葉大では一般選抜の他、以下のような入試も実施しています。条件に当てはまる場合はこれらの方法による受験も検討してみましょう。

  • 総合型選抜
  • 学校推薦型選抜
  • 園芸産業創発学プログラム選抜
  • 帰国生徒選抜 など

「園芸産業創発学プログラム選抜」は、千葉大独自の選抜方法の一つです。園芸学部で採用されており、共通テストの他に、模擬実習(または模擬実験)、模擬講義及び模擬講義に関するレポート作成、プレゼンテーション、面接によって合否が決まります。

千葉大の難易度・偏差値

千葉大は国立大学の中でも難易度が高い方で、「旧帝大に次いで難しい」と言われています。

とはいえ偏差値は50.0~70.0程度とまちまちで、全体的には、偏差値55.0〜60.0前後の学部が多数。また、学部や前期・後期によっても、大きく異なります。

令和4年度の入試データでは、最も偏差値が低いのは教育学部(前期のみ)「中学-技術科教育」「小中-音楽科教育」「小中-保健体育科教育」の50.0。

一方、最も偏差値が高いのは医学部医学科(一般枠・後期)の70.0でした。千葉大学の中でも医学部は飛び抜けて難しいと言えます。

千葉大の出題傾向と対策方法をご紹介!

では、千葉大に合格するためにはどんな対策が必要なのでしょうか?ここからは、千葉大の入試問題の特徴と、それに合わせた対策方法をご紹介します。

千葉大の入試問題の特徴と配点

難易度が高めの千葉大ですが、難問や奇問が出題されることは基本的にありません。基礎が身についていれば解ける問題が多いため、まずは教科書レベルを徹底的にマスターしましょう。

しかし、基礎的な問題が多いゆえに、周りの受験生も高得点を狙ってきます。その分、合格ボーダーラインが高くなるので、取りこぼしがあると命取りになる可能性も。ケアレスミスがないよう、丁寧に問題を解くことも重要です。

共通テストの配点は全学部共通、前期・後期共通で450点となります。前期の場合、個別試験の配点は多くの学部で900~1000点で、共通テストと二次試験の比重はおよそ1:2。共通テスト対策はもちろんですが、それ以上に二次試験対策に力を入れる必要があるでしょう。

一方で、後期日程の二次試験の配点はおおむね200~400点となり、共通テストの点数が大きく響く結果となりそうです。ただし工学部の配点は700点、医学部に至っては配点が1000点のため、これらの学部は後期日程でも二次試験の比重が大きいと言えます。

千葉大合格のためにどんな対策をするべき?

以上の特徴を踏まえ、千葉大に合格するためにはどんな対策が必要か考察してみましょう。

まず基本的なこととして、志望する学部・学科において配点が高い科目で高得点を狙うと、効率的に対策ができます。入試要項の「大学入学共通テスト及び個別学力検査等の配点」の項目で、志望学科における科目ごとの配点を確認しましょう。

また、共通テストと二次試験の比重がおよそ1:2(前期の場合)であることを考えると、バランスの良い対策が必要となります。共通テスト対策とともに基礎力を付け、高3秋頃からは二次試験対策にも力を入れましょう。

ここからは、主要な教科ごとのポイントを解説します。

英語は基礎の徹底・幅広い英作文に触れる

英語は、各学部共通の問題が出題されます。合格の大きな鍵となるため、重点的に対策しましょう。

問題は、大問が3つあり、長文読解が2問・英作文が1問という構成です。非常に長文の読解問題が出題される年もあるので、速く読み理解できる力を付ける必要があります。また、英作文は年によって内容に差があるため、幅広い和文英訳対策を行いましょう。

ひねった問題はほとんど出題されないため、単語や文法、構文を暗記できているかどうかが重要となります。過去問演習だけでなく、基礎の復習にも重点を置くと良いでしょう。

文系数学は徹底的に演習・理系数学は早めの過去問対策がカギ

数学は文系数学・理系数学で出題が異なります。

文系数学では「二次関数」や「図形」「場合の数」が頻出で、計算量の多い問題を出す傾向にあります。計算スピードと正確さが重要になってくるので、ミスがなくなるまで演習を繰り返しましょう。

理系数学では「確率」「ベクトル」「数列」などが頻出で、特に「微分積分」が毎年出題される傾向にあります。数学Ⅲの比重が大きいため、重点的に対策しましょう。千葉大の理系数学は良問が多いと言われているので、早めに過去問演習に取り掛かるのもおすすめです。

国語は講師と二人三脚で記述対策を

国語は各学部共通の出題となり、現代文1問・古文1問・漢文1問の大問3つで構成されます。さらに、教育学部では大問が1つ加わります。

比重は現代文・古文が大きめ。古文では和歌が頻出のため、特に対策しておきましょう。漢文は共通テストレベルの学力でも解くことができますが、記述に対応できるよう対策が必要です。

全体的に記述問題が多いため、一人で演習を進めず、予備校講師に採点してもらうのがおすすめです。受験のプロの力を借りて、弱点を潰していくと良いでしょう。

千葉大を目指すなら? おすすめの予備校3選

以上の傾向を踏まえ、千葉大を目指すのにおすすめの予備校を3つピックアップしました。講座の内容やサポート体制などを総合的に見て、自分に合う予備校を決めましょう。

東進ハイスクール・東進衛星予備校

「3大予備校」の一つである東進は、近年、難関大合格実績が右肩上がりで伸びています。2022年度は、現役のみ(講習生は含まず)で、千葉大に413人の合格者を輩出し、そのうち医学部は25人でした。千葉大医学部の募集人数が117人であることを考えると、東進生が高い割合を占めていると言えます。

東進は、最新技術を取り入れた総合教育サービスで、特に志望校対策に力を入れています。「志望校別単元ジャンル演習講座」では、東進が持つビッグデータを活用。最新のAIが、それぞれの志望校合格のために必要な単元・ジャンルと問題レベルを判定してくれます。自分に最適な演習問題を解くことで、効率的に合格に近づけます。

また、「過去問演習講座」は、志望大学の最大10年分の二次試験を演習し、それに対するプロ講師による添削指導、解説授業を受けることができるというものです。千葉大も全学部対象となっていますので、千葉大の志望学部の出題形式や特徴を掴み、得点力を高めるのに利用しましょう。

東進には、日本全国から集められた実力派講師が多数在籍しています。映像授業が中心のため、どの校舎でも受験のプロによる分かりやすい授業を受けられます。東進の講座は約1万種。そのうち千葉大志望者向けとしては、「上位国公立大総合英語」などがあります。その他、「難関国公立大英語」で英作文の力を付けるなど、千葉大の出題傾向に合わせた講座を選ぶのがポイントです。

東進では、年に1回「千葉大本番レベル模試」も開催しています。千葉大の二次試験のシミュレーションをすることができ、合格までの距離を測るのにも役立ちます。

河合塾

河合塾は、グループ全体で 10万人以上(2021年3月時点)の生徒が通う大手予備校の一つです。2021年度は、千葉大に590人の合格者を輩出しています。また、医学部受験にも強く、同年度の医学部医学科合格者は合計4506人でした(河合塾グループ関連法人の在籍者および講習受講生の集計、現役・浪人の両者含む)。

カリキュラムは基礎からハイレベルまで、学力に合わせてカスタマイズが可能。千葉大を目指すなら、「千葉大英語」や「千葉大理系数学」は忘れずに組み込んでおきましょう。

千葉大の国語で必要とされる記述力を鍛えるには、講師が添削してくれる「国公立大現代文論述」がぴったりです。また、名前に「医進」と付く講座は医学部受験向けなので、医学部志望の人におすすめ。

さらに、高卒生向けには「千葉大理系コース」があるので要チェックです。このコースでは、年間を通して千葉大入試に特化した実践演習ができます。

駿台

確かな実績を持つ講師陣による授業と、AI教材などを活用したサポートで合格を目指せる駿台。2021年度の実績では、381人の駿台生が千葉大に合格しています(駿台グループ関連法人の在籍生および各講習受講生の実績、現役・浪人の両者含む)。

講座は科目ごとにレベルに合わせて選択可能。医学部向けに「医系」講座も開講されています。また、共通テスト後に3回行われる「千葉大英語演習プラス」は講師の添削付きで、英語の追い込みとして徹底的に対策できるでしょう。

個別質問アプリや個別指導AI教材などのサポートも充実している他、欠席した場合には授業の録画を個別視聴できます。基礎が重要な千葉大受験に向けて、分からない部分は質問したり何度も復習したりして、しっかり基礎を身につけましょう。