予備校に通う意味は? 意味があるかないか、教科・科目ごとに解説

「予備校に通うことに意味はあるのか?」と疑問に思われる方もおられるのではないでしょうか。

予備校に通うには多額のお金がかかります。志望校に確実に合格できるのならいいのですが、予備校に通った人の全てが自分の第1希望の大学に合格できるとは限りません。予備校に通うかどうか、迷っている方も少なくないでしょう。

実際、予備校の講義を聞いたとしても、必ずしもその内容を覚えられるわけではありません。解答力も身に付くとは限りません。自学自習ができなければ、いくら予備校に通っても学習した内容が定着しないかもしれません。

そう考えると、「予備校に通うのは無意味なのではないか」「学校の勉強や独学だけでいいのではないか」と思ってしまう人がいるのも無理のないことかもしれません。

しかし、だからと言って、予備校に通うことに決して意味がないわけではありません。学校の勉強や独学だけでそれなりに成績を上げられる教科・科目も確かにありますが、予備校に通わないと成績の向上が難しい教科・科目もあるのです。このような教科・科目に関しては、予備校組と独学組とでは、成績に大きな差が出ることもあります。

そこで本記事では、予備校に通うことの意味に疑念をお持ちの方に向けて、どの教科・科目の場合に予備校で勉強することに意味があるのか、ご説明します。

論理的に書くことが求められる小論文、先生の指導に大きな意味あり

予備校で勉強すべき科目の筆頭が小論文です。小論文は、課題文を読んだ後、課題文に即した自分の主張を、規定の文字数内で論理的に書くことが求められます。このような特殊な科目ですから、小論文の独学は非常に難しいと言わざるを得ません。

例えば、小論文は書き方がある程度決まっています。序論・本論・結論の3部構成を取ることが一般的です。序論では、課題文の筆者の主張を要約し、それに賛否を示します。本論では、自分の主張、その理由、具体例を書きます。結論では、自分の意見を要約します。こういった論述の技法が小論文で高得点を取るためには重要なのですが、これを独学で身に付けるのはかなり難しいと思います。

また、そもそもどんな内容の主張を書けばいいのかも、人に教えてもらわないとなかなか分からないものです。大学入試の小論文は、基本的には受験する学部に関する分野の課題文が出題されます。その分野についての基本的な知識や考え方を踏まえて論述するとベターです。しかし、10代の学生がそういった知識や考え方を独学で身に付けるのは難しいと思います。予備校の先生に直接指導してもらったり、参考書籍を紹介してもらったりした方がいいでしょう。

もう一つ言うと、論理的な文章を書くことは意外と難しいものです。自分では論理的に書けているつもりでも、他人の目から見たらそうではないということは往々にしてあります。ですので、予備校のプロ講師から添削を受けることが、小論文の成績を上げるには欠かせないのです。

現代文・社会は記述式問題あり、予備校の講座で添削してもらおう

現代文や社会も小論文と同様、完全独学で成績を伸ばすのは困難かもしれません。というのも、私学だったらマーク式の問題が中心ですが、国公立の場合は記述式の問題が出ることが多いからです。

問題集の記述式問題で、模範解答と自分の解答を見比べて、自分の解答の何がどう間違っているか、学生が自分自身で判断するのは非常に難しいでしょう。記述式問題の独学が困難なのは、そうした点です。

おおむね模範解答に即した記述になっていたとしても、重要なキーワードが一つ抜けていることもあるかもしれません。逆に、部分点は十分もらえるレベルの答案なのに、模範解答と異なるからと言って0点だと思い込んでしまうこともあり得ます。

記述式の問題については、やはりプロの先生に添削してもらった方が上達は早くなります。「社会は暗記科目だから独学の方がいい!」と考えている方もおられると思いますが、記述式の講座だけを単科で提供している予備校もあります。国公立を受験する場合は、それだけでも受講してみてはいかがでしょうか。

なお、現代文については、記述式問題かどうかと関係なしに、予備校で講義を受けることに大きな意味があります。なぜなら、現代文では課題文に書かれていることを解釈することが求められるわけですが、なぜそのような解釈が可能なのかということを独学で学ぶのは簡単ではないからです。現代文の読解の方法については、やはり予備校のプロ講師に教わる方が賢明でしょう。

超難問も出題される数学や物理、最も講義を聞く意味がある教科かも

数学に関しては、もしかしたら完全独学で問題ない人もいるかもしれません。文系数学レベルであれば、完全独学で志望校に受かってしまう人も確かにいます。

ただし、工学部や理学部、医学部狙いになってくると話は別です。どれだけ数学や物理の才能がある人でも、高度な問題となれば独学では解法の検討がつかず、途方に暮れる場合も少なくありません。

加えて、数学や物理の参考書・問題集はレベルの高いものになればなるほど、読者に学力があることが前提とされているので、説明や途中式が端折ってあることがあります。そのため、ハイレベルな理系の大学への進学を考えている人の場合、数学や物理学の勉強を独学やり抜くのは非常に骨が折れます。

大学入試で難しい問題が出題されることが予想される人の場合、予備校の数学・物理のプロの講義をしっかり聞いて、難しい問題への対応力を磨くことをおすすめします。

英訳も和訳も求められる英語、予備校の意味は訳し方を学ぶこと

英語の試験問題は、大学とその学部によりますが、英訳(英作文)も和訳も出題されます。

いずれも、答えは一つとは限りません。複数の解答が可能であったり、仮に同じ内容・意味の解答であったとしても、こなれた訳文になっているかどうかで優劣が出る場合もあるかもしれません。

しかも大学入試の英語は、偏差値の高い大学になればなるほど、直訳しにくい問題が出題される傾向があります。そうなると、意訳することも求められるかもしれません。どの程度の意訳までなら許されるのかというのは、独学ではなかなか分かりにくいものです。

英語についても、予備校に通ってプロ講師に指導してもらうことに、意味があることが多いのです。

逆に予備校に通うことに意味がないのはどんな場合?

ここまで、予備校に通う意味について科目別に考えてきました。逆に、予備校に通うことが無意味だと言えるのはどんなケースでしょうか。

例えば、学校の授業を真面目に聞いて十分にテストの点を取れている人、あるいは自分で参考書を読んで勉強できる人にとっては、基礎を教える講義を受けるだけなら、予備校に通うことは意味がないと言えるでしょう。

特に暗記系の科目の場合、独学でも十分かもしれません。英単語、歴史上の登場人物、地名などの学習はその典型。独学する時間を増やした方がいいかもしれません。ただ、志望大学対策講座を受けると、志望大学の出題傾向が分かりますし、普通の参考書や問題集に載っていないことも教えてくれます。暗記系科目でも、受講する意味があると思います。

まとめ:予備校に通うことは無意味じゃない、自習とうまく両立しよう

「講義を聞いても覚えられない、問題を解く能力が身に付くわけでもない、だから予備校に通っても意味がない」と思われる方もおられると思います。とはいえ、完全独学では成績向上を期待できない教科・科目があることは、これまで述べてきた通りです。予備校は単科での受講も可能な場合が多いので、特に難関校に現役合格を目指す場合、自分に必要な教科・科目だけでも予備校の講義を受けることをおすすめします。

ちなみに、余裕があったらでいいのですが、基礎を教える講義もできれば受けてみてください。学校の先生より予備校の講師の方が説明がうまい場合が多いですし、学校の授業よりもワンランク上の大学受験に特化した説明を聞けることが多く、理解をさらに深めることができます。受験が差し迫った高3生や浪人生の場合は単科で必要な講義だけを受ければといいと思いますが、まだまだ時間にゆとりのある高1・2生は概論・概説のような講義も受けてみてはいかがでしょうか。

他にも予備校にはさまざまなメリットがあるので、多くの学生がその意味を感じられるはずです。なお、どの予備校に通うべきかで迷っておられる場合、ぜひ「塾・予備校選びは実績で。比較して分かる通うべき塾・予備校」「高校生の塾・予備校選び。比較する際のポイントや、選び方のコツを紹介」といった塾・予備校比較ナビの別記事を参考にしてみてください。