大阪公立大学(以下、大阪公立大)は、大阪市が設置・運営していた「大阪市立大学」(以下、大阪市立大)と、大阪府が設置・運営していた「大阪府立大学」(以下、大阪府立大)を統合し、2022年4月に誕生した大学です。
統合前の2つの大学は共に受験生からの人気が高かったため、大阪公立大もこれから人気を集めていくと予想されます。しかし、できたばかりの大学のため、 戸惑っている受験生も多いでしょう。
そこで今回は、大阪公立大の入試の特徴からおすすめの塾・予備校まで徹底解説。新しい大学だからこそ、ライバルより早く対策することが重要となります。大阪公立大を目指す人は、ぜひ参考にしてください。
大阪公立大の入試の仕組み、偏差値や難易度は?
2つの大学が統合し大阪公立大に! 学部編成はどう変わった?
大阪公立大は、以下の1つの学域と11の学部があります。
- 現代システム科学域
- 文学部
- 法学部
- 経済学部
- 商学部
- 理学部
- 工学部
- 農学部
- 獣医学部
- 医学部
- 看護学部
- 生活科学部
大阪公立大は、関西で唯一、医学部と獣医学部が併設されている大学です。工学部も12の学科に分かれていて、規模の大きい学部となっています。また、文系学部の偏差値も、軒並み60超えと高レベル。「総合知で、超えていく大学」というキャッチコピーのとおり、文理のバランスが良い大学と言えるでしょう。
もともと、前身である大阪市立大は8つの学部と11の研究科がある、公立で最大規模の大学。また、大阪府立大は、近畿の大学で唯一、獣医学科がある大学でした。
大阪公立大はこの2つの大学の特徴を引き継ぎつつ、さらに規模が大きくなったと考えて良いでしょう。
大阪公立大の入試制度とは?
大阪公立大を受けるためには、まず大学入学共通テストの受験が必須となります。教科・科目や配点は「入学者選抜要項」で確認しておきましょう。
また、一般選抜の二次試験には前期日程・後期日程があり、学部・学科によって実施回数が異なります。学域・学部別の実施回数は、下記のとおりです。
学域・学部・学科 | 前期日程 | 中期日程 | 後期日程 |
現代システム科学域 | ● | ● | |
文学部 | ● | ● | |
法学部 | ● | ● | |
経済学部 | ● | ● | |
商学部 | ● | ● | |
理学部 | ● | ● | |
工学部 | ● | ● | |
農学部 | ● | ● | |
獣医学部 | ● | ||
医学部医学科 | ● | ||
医学部リハビリテーション学科 | ● | ● | |
看護学部 | ● | ● | |
生活科学部 | ● |
このように、獣医学部・医学部医学科・生活科学部は、前期日程のみの実施です。また、工学部のみ前期日程・中期日程となり、後期日程は実施されません。
また、後期日程は少し特殊で、それぞれ以下のような試験が実施されます。
学域・学部 ・学科 | 実施される試験 |
現代システム科学域 | 面接 |
文学部 法学部 | 小論文(150分) |
理学部 数学科 | 数学(150分) |
理学部 物理学科 | 数学・理科(150分) |
理学部 化学科 | 外国語(120分) |
理学部 生物学科 | 理科(90分) |
理学部 地球学科・生物化学科 | 口述試験 |
農学部 応用生物科学科・生命機能化学科 | 小論文(60分) |
医学部 リハビリテーション学科 理学療法学専攻・作業療法学専攻 看護学部 | 面接 |
加えて、学部ごとに「求める学生像」や「入学者選抜の基本方針」が設定されています。志望する学部がどんな学生を求めているか、「入学者選抜要項」で確認しておきましょう。
また、大阪公立大では一般選抜の他に「総合型選抜」や「学校推薦型選抜」、「帰国生徒特別選抜」など、さまざまな方法で入試を行っています。特に、現代システム科学域は8種類もの特別選抜を行っているため、利用できるものがないか要チェックです。
大阪公立大の偏差値・難易度はどのくらい?
続いて、大阪公立大の偏差値を確認してみましょう。
東進のデータによると、文系では文学部、法学部、経済学部、商学部の偏差値はどれも63。どの学部を受験する際も一定の学力が必要となるでしょう。
理系の最難関は医学部医学科で、偏差値は69。次いで獣医学部が66となっています。それ以外の学部も60~63程度と、理系学部においても、志望する学部を問わず高レベルの学力が求められます。
現代システム科学域は領域横断的な学域で、文系向けと言える英国型や、理系向けと言える理数型など、多様な入試制度を揃えています。学域内の偏差値の差はほとんどなく、61〜62となっています。
大阪公立大は新設の大学ですから、今後数年は偏差値が上下すると予想されます。また、これから人気が高まることも考えられるため、全体的に偏差値が上がる可能性も否めません。大阪公立大に強い塾や予備校に通うなど、しっかりと対策すると良いでしょう。
大阪公立大を目指せるおすすめの塾・予備校
ここからは、大阪公立大を目指すにあたっておすすめの塾・予備校を紹介します。
それぞれの合格者数やおすすめポイントもご紹介しますので、ぜひ予備校選びの参考にしてください。
東進ハイスクール・東進衛星予備校
東進ハイスクール・東進衛星予備校(以下、東進)は、講師によるハイクオリティーな映像授業を受けられる予備校です。特に東進衛星予備校は、大阪公立大学志望者の多い近畿圏にも多くの校舎があり、どこに住んでいても通いやすいでしょう。
東進は2022年度には大阪公立大に526人もの合格者を輩出し、確かな実績を見せています。そのうち医学部医学科の合格者は19人。医学部医学科の一般選抜における募集人数が75人であることを考えると、東進生が高い割合を占めていると言えます。
東進では、AIを活用した志望校対策「志望校別単元ジャンル演習講座」や、プロによる採点・添削・解説授業が受けられる、志望校別の「過去問演習講座」を開講しています。特に「過去問演習講座」は大阪公立大の全ての学部に対応しているため、大阪公立大志望者はぜひ受講しましょう。
また、東進生なら1年間定額で模試をいくつでも受けられるため、模試も積極的に活用しましょう。大阪公立大志望者向けの「全国有名国公私大模試」や、「共通テスト本番レベル模試」がおすすめです。
駿台予備学校
駿台予備学校は、全国に校舎がある大手予備校のひとつ。講師に直接質問できる他、一人ひとりに進路アドバイザーが付き、AI教材で苦手分野を克服できるなど、きめ細かいサポートが受けられます。
駿台予備学校では「大阪公立大英語」「大阪公立大英語実戦演習講座」「大阪公立大理系数学実戦演習講座」といった、大阪公立大の対策講座が豊富にあり必見です。
また、高卒生(浪人生)向けのコースには、「スーパー大阪公立大文系」と「スーパー大阪公立大理系」があります。これらのことから、駿台予備学校は大阪公立大対策に力を入れており、万全に対応してくれると言えるでしょう。
ただし、いずれも開講している校舎が限られるため、確認してから通う校舎を決めましょう。
高学館
高学館は大阪に17校の校舎を持つ、地元密着型の学習塾です。大手塾ではないものの確かな実績があり、2022年度は大阪公立大に126人の合格者を輩出しています。
高学館の特徴は、全講座が対面授業であることです。1クラスは、10~30人程度の少人数制。講師は、受験生一人ひとりの表情を見ながらきめ細かく指導してくれます。
また、自習室の使いやすさにも定評があります。自習室は全校舎に完備されており、23時まで開いています。土・日・祝日も利用可能なため、学校や部活で忙しい人も、時間を見つけて自習ができます。
大学受験は情報戦でもあるので、志望校の情報に強い講師を見つけることも重要です。それを考えると、地元密着型の予備校に通うのもおすすめです。