上智大学はローマ・カトリック教会のイエズス会が母体となって、1913年に設立された由緒正しい大学です。校名は「人を望ましい人間へと高める最上の叡智」に由来し、「Sophia(ソフィア)」の呼び方でも知られています。グローバルに学びを開いているのも特徴で、92ヵ国からの1500人ほどの外国籍学生が在籍。また、2019年には1000人ほどが留学しています。
そんな上智大学は早稲田大学・慶應大学とともに「早慶上智」と呼ばれ、入試のレベルも毎年非常に高いです。加えて、上智大学では2021年度から新方式の入試を開始しました。この入試問題がやや特殊なため、入念な対策が必要となるでしょう。
この記事では、上智大学の入試の基本情報から難易度、新方式の出題傾向、そしておすすめの塾・予備校をご紹介します。上智大学を目指す受験生の方はぜひ参考にしてください。
上智大学の入試の仕組みや偏差値・難易度は?
まず、上智大学の入試の基本的な情報をお伝えします。
上智大学の入試制度とは?
上智大学の一般選抜は、2021年度から入試方式が大きく変わりました。2023年度は、以下の3方式が実施されています。
TEAPスコア利用方式 (全学統一日程入試) | ・独自の英語試験は行わず、代わりに事前に 受験したTEAPまたはTEAP CBTのスコアと、 独自の教科・科目試験を合わせ、 総合的に合否判定を行う選抜方式。 ・TEAPスコアは4技能必須 ・2021年度・2022年度の受験分が有効。 |
学部学科試験・共通テスト併用方式 | ・大学入学共通テスト (任意提出した外国語外部検定試験結果を含む)と、 独自の学部学科試験・出願書類を合わせ、 総合的に合否判定を行う選抜方式。 |
共通テスト利用方式 (3教科型・4教科型) | ・独自試験は行わず、大学入学共通テストと 出願書類のみで合否判定を行う選抜方式 (神学部神学科、総合人間科学部心理学科・ 看護学科では面接試験あり)。 |
上智大学では、大学独自の試験だけで入れる入試方法はありません。TEAPまたは共通テストの受験が必須となるので、注意してください。また、「学部学科試験・共通テスト併用方式」では、「CEFRレベルA2以上」の外国語外部検定試験結果を任意で提出可能です。その場合、共通テストの外国語の得点に加点されて合否判定に用いられます。できるだけ外国語の外部試験を受けておくのが望ましいでしょう。
そして「学部学科試験・共通テスト併用方式」においては、同じく2021年度から大学独自の試験が導入されました。通常の「英語・数学・国語」といった教科ではなく、学部学科ごとに総合的な理解力を問う問題が出されます。この出題傾向については、次の章で詳しく解説しているのでご覧ください。
また上智大学では、一般選抜の他にも数多くの試験方式を導入しています。指定校制・公募制の推薦入試をはじめ、「海外就学経験者(帰国生)入学試験」「カトリック高等学校対象特別入学試験」「外国人入学試験」「神学部推薦入学試験」など、特に海外志向の入試制度が豊富です。
上智大学の偏差値・難易度はどれくらい?
東進の発表した2022年度最新データによると、上智大学の偏差値は62~66となっており、全体的にレベルが高いです。
また「学部学科試験・共通テスト併用方式」の倍率を見てみると、2022年度の全学部学科を合わせた倍率は2.8倍で、やはり人気の高さがうかがえます。特に総合人間科学部 心理学科は9.4倍もの高倍率で、次いで総合人間科学部 社会学科・教育学科、文学部 新聞学科も5倍を超す激戦となります。
共通テストのボーダー得点率も、80%を超える学部が珍しくありません。こうしたデータから考えると、上智大学では共通テストと学部学科独自試験のどちらも重要で、バランス良く対策する必要があると言えます。
上智大学の新方式の出題傾向とは?
先述の通り、上智大学では2021年度から入試方式が改革されました。特に大きな変更点は、独自の英語試験が廃止されたことと、「学部学科試験・共通テスト併用方式」において教科の枠にとらわれない独自の試験が導入されたことです。
ここでは、主に「学部学科試験」の新方式の出題傾向についてお伝えします。なお、新方式はまだ始まったばかりなので、上智大学のホームページなどで随時最新情報を入手してください。
TEAPスコア利用方式(全学統一日程入試)
「学部学科試験」の前に、上智大学の全学統一入試である「TEAPスコア利用方式」の出題範囲も解説しておきます。
この方式では、英語は外部試験の成績を活用するため、独自の英語試験は実施されません。実施教科は「国語・数学・地理歴史・理科」の4つで、この中から学部学科ごとに決められています。
国語は、古文・漢文を含む国語総合として出題されます。数学の出題範囲は「Ⅰ・Ⅱ・A・B(数列・ベクトル)」です。理科は「物理(物理基礎・物理)」「化学(化学基礎・化学)」「生物(生物 基礎・生物)」から2科目を選択します。「地理歴史」は地理と入っていますが、選択できる科目は「日本史B」または「世界史B」だけなので注意してください。
学部学科試験・共通テスト併用方式
上智大学の新しい「学部学科試験」では、文章理解力・論理的思考力・表現力等を総合的に測定する問題によって、それぞれの学部学科への適性が問われます。
このような特殊な試験を導入した理由は、上智大学を強く志望する学生を選定するためと言われています。他大学と同じ対策では太刀打ちできないので、過去問を利用してしっかり対策しましょう。
出題傾向は学部学科ごとにさまざまですが、ここでは一例をご紹介します。
神学部 神学科 | キリスト教と聖書の基礎に関する理解力と思考力を問う試験 |
文学部 新聞学科 | ジャーナリズムに関する基礎的学力試験 |
総合人間科学部 心理学科 | 心理学のための理解力と思考力を問う試験 |
法学部(学部共通試験) | 社会(国際関係や環境問題を含む)と法・政治に関する 試験(基礎学力や思考力を問うもの) |
経済学部 | ・数学(学部共通試験) ・英語(経営学科のみ・選択制) |
外国語学部(学部共通) | ・高度なレベルの外国語学習に対する適性を測る試験 (一部は学科ごとの言語で実施) ・外国研究に必要な基礎的知識・日本語の読解力・ 論理力・思考力を測る試験 |
総合グローバル学部 | グローバル化する人間社会について、提示された資料の 理解力および思考力を問う試験(英語の設問を含む) |
理工学部(学部共通試験) | ・数学 ・理科(物理・化学・生物から1科目選択) |
こうした出題傾向を見ると、近年の上智大学では学力だけでなく、学部学科の専門分野への関心や理解力も求められていることが分かります。志望する分野に対して、普段からアンテナを張っておくとよいでしょう。
また、上智大学では最新の過去問を公開しているので、さらに詳しい情報はこちらでご確認ください。
上智大学を目指すならココ! おすすめの塾・予備校3選
続いて、上智大学を目指す受験生におすすめの塾・予備校を3つ厳選してご紹介します。予備校ごとの特徴や通いやすさなどを見て、総合的に判断してください。
東進ハイスクール・東進衛星予備校
東進では、AIとビッグデータを活用した「志望校別単元ジャンル演習講座」や、プロの添削指導が受けられる「過去問演習講座」など、充実した講座によって成績を伸ばせます。その結果は合格実績に表れており、各難関大の合格者数は年々増加。上智大学には、2022年度は1488人が合格しました(現役生のみ、講習生含まず)。
実力派講師陣による授業も東進の特徴です。東進の有名英語講師である今井宏先生や安河内哲也先生らの分かりやすい解説で、外部試験で必須の4技能を身に付けられます。
また、上智大学レベルの学力に達しているか正確に判定できる「早慶上理・難関国公立大模試」もおすすめです。この模試は年5回実施されるので、可能な限り受験しましょう。
トフルゼミナール
トフルゼミナールは英語を中心に教えている塾です。英語が苦手で克服したい人はもちろん、もともと英語が得意でさらに伸ばしたい人にもおすすめです。上智大学には特に強く、2022年度は432人が合格しています。これはトフルゼミナール史上最高の実績であり、他大学の合格者数と比べても圧倒的です。
トフルゼミナールでは上智大学志望者向けに、トータルでサポートする「上智受験対策」を用意しています。英語4技能を伸ばせる講座のほか、国語や選択科目の世界史・日本史・数学対策、推薦入試向けの面接準備や小論文対策講座もあります。
武田塾
武田塾は日本初の「授業をしない」予備校です。授業の代わりに、志望校や学力レベルに合わせた個別カリキュラムが組まれ、自学自習で学力を伸ばしていきます。つまずきが解消されるまで徹底的に指導してくれるので、着実に力を付けられるでしょう。
上智大学の新方式入試では、より専門分野への興味関心が求められるようになりました。これに対応するためには、受験生自ら興味を持って自学自習を進める必要があります。自主性を伸ばせる武田塾なら積極的に学べて、付け焼き刃ではない深い知識が身に付いていくでしょう。