大学受験の参考書はこうやって選ぶ! 参考書の選び方・決め方を徹底解説

参考書は受験勉強の土台となるもので、志望校合格のためには必要不可欠な存在です。使う参考書の良し悪しによって成績が大きく左右されることさえあるので、説明が分かりやすく内容の充実した参考書を選ぶことが偏差値向上のためにはとても重要です。

しかし、現在では大量の参考書が出版されているため、どれを選べばいいのか分からないという人も多いでしょう。そこで、この記事では、大学受験に向けた参考書の選び方・決め方のポイントをお伝えします。偏差値の向上につながる参考書を見極めて購入し、合格を目指しましょう。

受験の参考書はどうやって選べばいい?

参考書を選ぶ際に意識したいことをまとめました。これらのポイントを自分に当てはめてみて、使う参考書を決めてください。

今の自分のレベル・目的に合ったものを選ぶ

受験生の学力や志望校は人それぞれなので、いろんな学力レベルに対応できるよう多くの参考書が作られています。その中から自分のレベル・目的に合ったものを使わなければ、しっかりと力を付けることはできません。

極端な例ですが、初心者が物理を学び始めようとした時、東大受験生向けの物理の参考書を買ったとしても、書かれていることはほとんど理解できないでしょう。レベルの高い参考書はすでに基礎を理解していることを前提としており、基礎的な説明は省かれていることが多いからです。

反対に、基礎をほぼ全て理解していて偏差値も60程度で安定している受験生が、基礎レベルの参考書を買ってもあまり意味がありません。そこに書かれていることはすでに理解できているはずなので、新しく得る知識がないからです。

参考書の中には、タイトルに「基礎」や「応用」といった言葉が入っていて、どんなレベルの受験生向けなのかが分かるものもあります。同じシリーズの参考書でレベルが分かれているものもあるので、同じ系統の参考書を「基礎」から始めて「応用」「発展」……とステップアップしていくのもおすすめです。

自分に適した参考書を探すためには、まず自分のレベルを知っておかなければなりません。模試の偏差値を基準とするのも一つの方法です。目安としては、偏差値50以下であれば「基礎」、50~60程度なら「応用」、60以上なら「発展」レベルの参考書を選ぶとよいでしょう。

図表やイラストが多く見やすいものを選ぶ

文字ばかりがぎっしりと詰まった参考書では、やる気が起きにくいですし、読んでいるうちに眠気が襲ってくることもあります。苦手科目ならなおさらです。そのため、「見やすさ」を重視して、図表やイラストがたくさん載っている参考書を選ぶのがおすすめです。

ある研究によると、「視覚的な情報は覚えやすい」という結果が出ています。文字を読むとき、脳では多くの情報を処理するので、頭に入るのに時間がかかります。しかし図表や絵、写真などがあれば、ぱっと一目で見て情報を取り込めます。

近年では、萌えイラストが多用された参考書や、アニメとコラボして人気キャラクターと学習できる参考書、マンガ形式で解説している参考書など、手に取りやすいものが多く出版されています。楽しく学習しながら苦手を克服しましょう。

口コミが良い参考書を選ぶ

迷った時は、インターネットなどで口コミを検索して評価が高いものを選ぶのも一つの手です。レビューサイトやAmazonの商品レビューのほか、著者が予備校講師である場合は講師としての口コミなどをチェックしてみましょう。

それ以外にも、合格体験記や現役大学生の受験記などを見てみると、おすすめ参考書を紹介しているものがあります。特に自分の志望校・志望学部に合格した先輩の口コミは参考になるので、ぜひ検索してみてください。一つの記事だけでなくいくつか記事を見て、複数のサイトで名前が挙がっている参考書は評価が高いと言えます。

また、それぞれの科目には「定番」や「王道」と言われていたり、長くシリーズが続いていたりする参考書があります。このような参考書が長年にわたって受験生から支持されているのは、分かりやすく使いやすいためです。定番の参考書は1冊持っていて損はないでしょう。

学校や予備校の先生・チューターにおすすめを聞く

口コミを参考にするという方法を紹介しましたが、学校の先生をはじめ、予備校の講師やチューターに、どの参考書がおすすめか聞く方が確実です。学校の先生や予備校講師、チューターは、受験生一人一人成績や苦手科目を理解した上で相談に乗ってくれます。良い参考書の情報にも詳しいので、あなたにぴったりの参考書をおすすめしてくれるはずです。

予備校講師やチューターに相談する際は、志望大学・学部に強い人に相談するとさらによいでしょう。例えば、東大志望なら東大対策講座を受け持っている先生や、現役東大生のチューターに聞いてみてください。

書店に行って手に取ってみる

ここまでご紹介したポイントから、使いたい参考書を何冊かに絞りましょう。ですが、ネット通販などで購入する前に、一度は実物の本を見て内容を確認した方がよいでしょう。

口コミが良くても、実際にその通りとは限りません。できれば実際に書店へ足を運び、目星を付けた参考書を手に取って見てみましょう。

1冊の参考書を繰り返し読もう

成績を伸ばしたいがあまり、何冊もの参考書を一気に買ってしまう受験生もいます。確かに良い参考書はたくさんありますから、ついあれもこれもと買ってしまいがちです。ところが、参考書はたくさん買えばいいというわけではありません。複数の参考書を同時進行で使ってしまうと、どれも中途半端にしか理解できない「つまみ食い」状態になり兼ねません。

大切なのは、1冊の参考書を繰り返し読み、とことん理解することです。繰り返し読むことで、1周目には理解できなかったことが、2周目3 周目と何回も繰り返し読むことで分かるようになっていきます。

科目別! 大学受験のおすすめ参考書をピックアップ!

ここからは、おすすめの参考書を科目別にご紹介します。口コミで評価が高い参考書ばかりなので、選ぶ際の判断材料にしてください。

英語のおすすめ参考書

「安河内の英語をはじめからていねいに【完全版】」は、東進ハイスクールの有名英語講師、安河内哲也先生が手がけた参考書です。予備校講師の目線から、受験生がつまずきやすいポイントを丁寧に解説しています。音声コンテンツをダウンロードしてリスニングやスピーキングの学習もできるので、英語4技能を身に付けたい人にもおすすめです。

「やっておきたい英語長文300」は、長文読解に特化した参考書です。長文読解に苦手意識がある人はチェックしてみてください。レベルの異なる「500」「700」というものも出ており、シリーズで英語の長文に取り組むことができます。「300」が終わったら、「500」「700」にチャレンジしてみましょう。

国語のおすすめ参考書

国語は現代文・古文・漢文のおすすめ参考書をそれぞれご紹介します。

「現代文キーワード読解[改訂版]」は現代文の頻出キーワードをまとめた参考書で、各テーマを丁寧に解説しています。図やイラストも随所に入っているので分かりやすく、基礎から始めて現代文の成績を上げることができるでしょう。

「望月光の古文教室 古典文法編 改訂版」は、代々木ゼミナールの人気講師である著者が講義形式で解説していく参考書です。「ウォーミングアップ編」と「実践編」に分かれており、例題が多く収録されているので実践を通して古文の力を定着させることができます。

苦手とする人が多い漢文の対策には、「岡本梨奈の 1冊読むだけで漢文の読み方&解き方が面白いほど身につく本」がおすすめです。スタディサプリの授業で高い評価を得ている著者が、漢文の読み方・解き方を総合的に解説しています。初歩から学ぶことができるので、漢文が苦手な人にもおすすめできます。

数学のおすすめ参考書

数学の参考書でぜひ手に入れておきたいのが、「チャート式 基礎からの数学」(Ⅰ+AⅡ+B)です。「チャート式」シリーズは数学の定番参考書として、受験生から長く愛用されています。一つ一つの解法が詳しく載っていますので、1冊持っていると役立つでしょう。同シリーズでは演習ができるものも出版されており、併せて使用するとより力が付きます。

「初めから始める数学Ⅲ 改定7」は、初心者から数Ⅲを始める人におすすめの参考書です。「Part1」「Part2」の2冊からなり、図を用いながうことで数Ⅲの基礎を身に付けることができるでしょう。