模試と過去問はどちらも必要か? 模試と過去問の違いや活用方法を詳しく解説

大学受験に向け勉強を進める中で、模試を受けたり過去問を解いたりする機会は少なくありません。特に模試は学年別に実施されるので、受験生でなくても受けたことはあるでしょう。

しかし、模試と過去問の違いを意識していない人は多いのではないのでしょうか。模試と過去問は本試験の練習になるという意味ではさして変わりませんが、実は似て非なるものです。それぞれ、受験勉強における有効活用の仕方は異なります。

そこで本記事では、模試と過去問の違いに加え、それぞれを活用法について詳しく解説していきます。これから模試や過去問に取り組む人もすでに取り組んでいる人も、ぜひ参考にして模試と過去問を上手に活用してください。

模試と過去問の違い、それぞれを活用する意味とは?

模試にはさまざまな種類があります。大学入学共通テストや一部私立大入試を想定したマーク模試、主に国公立の二次試験を想定した記述模試、そして各大学の入試形式を再現して各予備校が作成した冠模試などです。解答形式に違いはあれど、いずれも過去の試験の出題形式や出題傾向に即して作られています。

そのため、模試も過去問と同様に、それを解くことで現在の実力を測ることができます。また、試験形式の模試を受けたり、時間制限を設けながら過去問を解いたりすれば、どちらの方法でも試験本番の練習になります。

このように、模試を使った勉強と過去問を使った勉強には共通点があります。しかし、違うところがあることも押さえておきましょう。

過去問の場合、各大学の出題傾向や形式をより正確に把握できます。入試問題は大学や学部によって大きく変わります。一口に英語の試験と言っても、英作文が出やすかったり、長文が難解であったり、各大学の試験の特徴はさまざまです。模試よりも過去問を使った方が、そういった各大学の出題傾向はつかみやすくなります。

一方、模試にもメリットはあります。模試を受けると自分の全国順位や合格判定が分かるので、過去問を解いた場合よりも容易に、志望校合格というゴールまでの距離を把握できます。しかも「数学」という大きなくくりだけではなく、「集合と命題」や「二次関数」などの分野ごと実力も数値化してくれるので、弱点や苦手分野の洗い出しにも役立ちます。

さらに言うと、試験本番の予行練習を積めることも模試の大きなメリットです。本試験の雰囲気は、一人で問題を解いているときとは全く異なるものです。多くの人が一つの会場に密集するので、人によりますが、他の受験生が解答を書き込む音のほか、隣で受験する人の態度や仕草が気になるかもしれません。そういうことがないよう、やはり模試を通じて試験慣れしておくことが大切です。

このように、模試と過去問には共通点もあり、それぞれのメリットもあります。しかし、弱点を正確に洗い出したり、本番の雰囲気に慣れたりすることは、過去問を解いているだけでは難しいものがあります。合格をつかむためは、過去問を解くだけでなく模試を受けるのも大切なことなのです。

模試の活用の仕方——受験後すぐの復習がポイント!

ここからは、模試の活用の仕方について解説します。

上述した通り、弱点の克服に欠かせない模試ですが、実は模試を受けただけではあまり意味がありません。模試に大切なのは何よりも「復習」です。復習することで自分の弱点を把握でき、苦手分野の対策を含めた今後の勉強方針が立てられます。そうすることで、学力を全体的に向上させられます。

ですので、模試を受験した後は当日中か翌日中に必ず復習するようにしましょう。記憶が新しいうちに取り組むのがポイントです。解答できなかった問題や答えを間違えた問題を再度解き直すことで、なぜ解答を導けなかったのかを考えるようにするのが大事です。間違えた問題や理由をノートにまとめるのも効果的です。そうすれば、自分専用の問題集が出来上がります。

模試の成績表が返却されたら、それを使って苦手分野の分析をするのも忘れてはいけません。苦手分野の分析は、それぞれの科目の各分野ごとに行いましょう。例えば英語であれば、「語彙」「文法」「長文」といった細かな単位で自分の得点を全国平均と比較し、苦手としていることを把握します。それを踏まえて、今後どの分野を補強していくべきなのか、具体的な勉強計画を立てましょう。

各予備校が実施している模試では、早期復習のために答案返却が非常に早くなっているものもあります。例えば東進ハイスクール・東進衛星予備校の共通テスト本番レベル模試は、成績表は中5日、成績速報データは中3日でスピード返却されます。記憶が鮮明なうちに模試の分析ができることのメリットは大きいです。

さらに、復習を定期的に繰り返すことも大切です。模試受験直後にはじまり、成績表が返却されたときや返却から一カ月経った後などに繰り返し復習しなおせば、自分が解けなかった問題の解き方が、徐々にしっかりと身についていくでしょう。

より具体的な模試の復習の仕方や勉強法などについては、下記の記事を参考にしてください。

過去問の勉強法——塾・予備校の添削講座の利用もおすすめ

それでは、次に過去問をどう活用すべきかについて解説します。

過去問は書店で購入したり、インターネットで無料ダウンロードしたりすることで入手できます。後者としては、東進の「大学入試問題 過去問データベース」、パスナビの「過去問ライブラリー」などがあります。過去問の種類や入手方法について、詳しくは下記リンクをご覧ください。

過去問を手に入れたら、実際に解いてみましょう。このとき意識しなければならないのは、制限時間を守ることです。入試本番では、時間配分のうまさが合否に直結します。制限時間内に効率良く解答できるようになれるよう、過去問はタイマーをセットして解きましょう。回数を重ねることで、だんだんと時間配分の感覚がつかめるようになります。

数年分の過去問を解き終わったら、そこから各科目の出題傾向を把握しましょう。どの大学も、出題にはある種の「癖」があるものです。「この大学はこういう聞き方をする」「この大学はこういう問題は出さない」などが分かっていれば、より効率的に勉強を進められます。

解き終わった後は、模試と同じく復習しましょう。なぜ間違ったのか、どんな知識が足りていなかったのかを確認し、自分の苦手分野や弱点を見つけます。そして、苦手な問題をなくせるような学習計画を立て、勉強を進めましょう。

1回だけでなく、繰り返し解くことも大切です。「同じ問題は二度と出ないから、何回も解く意味はない」という人もいますが、それは違います。なぜなら、同じ問題は二度と出なくとも、似たような問題が出る可能性は高いからです。同じようなパターンの問題が出題されたときに必ず解けるよう、同じ過去問でも繰り返し勉強するようにしましょう。

さらに言うと、記述問題は採点の判断基準が難しいので、自分一人で勉強するのではなく、可能なら学校の先生に見てもらいましょう。もちろん、塾・予備校の過去問対策講座などを活用する手もあります。記述対策は、国公立大学を受験する学生は避けては通れません。塾・予備校には過去問添削を実施しているところもあるので、国公立大学を志望する受験生には特に、塾・予備校の利用をおすすめします。

塾・予備校の過去問対策講座としては、例えば東進の「過去問演習講座」が挙げられます。過去問を徹底研究した講座で、演習・充実の添削指導・実力派講師陣による解説授業などが受けられます。また、自分が作成した答案を添削のプロが採点・指導してくれるZ会の「過去問添削」や、好きな時にメールで送付するだけで添削してくれる臨海セミナーの「オンデマンド添削」などもあります。

こうした塾・予備校の添削指導でより正確な採点やアドバイスを受けられれば、記述問題を解く上での自分の弱点を把握できるだけでなく、より効率的に記述力を伸ばすこともできるでしょう。