日本トップクラスの有名私大である慶應義塾大学(以下、慶應)。江戸時代に福澤諭吉が開いた蘭学塾を起源とする、歴史ある大学です。文系・理系合わせて10学部が揃い、幅広い受験生から人気を集めています。
慶應は、早稲田・上智と肩を並べて「早慶上智」と称されます。2022年現在、この3大学のうち医学部があるのは慶應のみ。医学部キャンパスは慶應義塾大学病院と一体化しているため、早い段階から医療現場を体感しながら学べます。
しかし、慶應の入試はやや癖があります。共通テストが利用できない、国語の代わりに小論文が課されるといったことから、しっかりと対策を行う必要があります。
この記事では、慶應の入試の仕組みや難易度、出題傾向などを徹底解説。最後には慶應を目指す受験生におすすめの塾・予備校も紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
慶應の入試制度や偏差値・難易度は?
まずは基本情報として、慶應の入試の仕組みや難易度についてご紹介します。
慶應の入試は共通テストを利用できない!
慶應の入試では、共通テストを利用できないため注意しましょう。一般選抜では共通テスト利用制度のある大学がほとんどですが、慶應合格を目指すためには、学部ごとの個別試験対策を徹底的に行うしかありません。
また、慶應は学部ごとに試験日が異なるため、複数学部を併願しやすいのも特徴です。実際、「どの学部でもよいから慶應に入りたい」と、複数学部を受験する受験生も少なくありません。
ただし、当然ですが併願する場合は過去問の量も増えていきます。「二兎を追う者は一兎をも得ず」にならないよう、効率的に対策しましょう。
その他の選抜方法として、慶應でも推薦選抜や総合型選抜(旧AO入試)を行っていますが、対応学部が限られている点に注意してください。例えば、それぞれの入試方法に対応しているのは以下の学部のみです。
自主応募制による推薦入学者選考 (自己推薦選抜) | 文学部 |
学校推薦型選抜 | 法学部・商学部・理工学部・薬学部薬学科 |
FIT入試(総合型選抜) | 法学部 |
AO入試 | 理工学部・総合政策学部・環境情報学部・看護医療学部 |
このような選抜方法を利用しようと考えている人は、必ずホームページで確認しておきましょう。
慶應の難易度・偏差値は?
東進のデータによると、慶應の各学部の偏差値は59〜71。日本トップクラスの難易度を誇るだけあり、どの学部を志望する場合も非常に高い得点力が求められます。
最も偏差値が高いのは医学部で、71となっています。次いで、理工学部の一部と総合政策学部、環境情報学部が68。一方、最も偏差値が低いのは看護学医療学部で59とされています。
とはいえ慶應は文系・理系ともに質の高い学部揃いなので、学部ごとの差はそれほどなく、全体的に難易度は高め。学部をまたいだ併願者も多いことから、倍率と合格最低点も高くなる傾向にあります。
慶應の出題傾向と対策のポイントとは?
慶應の入試問題は全体的に慶應の問題は難易度が高く、量も多いため、スピードが命です。基礎を固めた上で、応用問題をスムーズに解けるレベルまで演習を繰り返してください。
どの学部においても英語は重視されているため、過去問で徹底的に対策しましょう。また、解答方式も学部や教科ごとにバラバラです。
まずは早い時期から過去問を解き始め、出題形式に慣れることから始めてください。
英語は長文のボリューム大! 学部ごとに特化した対策を
英語の解答方式は、学部ごとに以下のようになっています。
- 記述式:文学部・医学部・看護医療学部・薬学部
- マークシート式:法学部・商学部・総合政策学部・環境情報学部・理工学部
- 記述とマークシート併用:経済学部
ただし、年度によって解答方式が多少変更になることもありますので注意が必要です。
文学部では、紙の辞書の持ち込みが2冊まで認められています。そのぶん難易度は高く、かなりの理解力・読解力が必要でしょう。
マークシート式の学部も油断は禁物です。時間内に難解かつ大量の長文を理解し、さらに正確に解答しなければなりません。とにかく、時間との戦いとなります。
そのため慶應の英語対策では、基礎から応用レベルまで英語の全範囲を網羅しておくべきです。特に、速く正確に長文を読めるよう、英文に慣れましょう。
加えて、学部によって出題傾向も大きく異なるので、自分が受ける学部の過去問演習をしっかり行ってください。
小論文はプロから添削を受けよう
慶應の入試教科に国語はなく、代わりに小論文が課されます。出題テーマは学部ごとに大きな差があり、呼び方も法学部では「論述力」、商学部では「論文テスト(選択)」と異なります。
小論文は、一人で対策するのが非常に難しい科目です。そのため、学校や塾・予備校の先生に添削してもらうことをおすすめします。
また、出題されるテーマについての背景知識があるかどうかも、得点に大きく関係してきます。学部ごとに出題されやすいテーマを調べ、その分野に関する勉強をしたり、ネットニュースを見たりするとよいでしょう。
数学は計算量が膨大! 時間配分への慣れが必要
慶應の数学では極端な難問は出されないものの、計算量と問題数が膨大で、時間内に解ききれない受験生も少なくありません。
基本的なことですが、コツコツと計算トレーニングを行い計算スピードを上げていきましょう。
また、学部によっては、やや特殊な問題が出題されることもあります。そのため、解ける問題から解き、どの問題に時間を割くべきか見極める判断力も必要です。なるべく早くから過去問に触れ、時間配分を頭に叩きこんでおいてください。
慶應を目指す受験生におすすめの塾・予備校3選
慶應合格のために、予備校選びはとても重要です。最後に、慶應受験におすすめの塾・予備校を3つピックアップしました。
東進ハイスクール・東進衛星予備校
東進ハイスクール・東進衛星予備校(以下、東進)は、自身のレベルや志望校に合わせた学習ができるのが特徴。約1万種の映像授業や、AIを活用した各個人向けの志望校対策を提供することにより、一人ひとりに最適な学習が可能です。近年は合格実績を伸ばしていて、2022年度は2266人が慶應に合格しました(現役生のみ、講習生は含まず)。前年度に比べ、274人の合格者増となっています。
まず、AIが生徒ごとにぴったりな演習を優先度順に提案してくれる「志望校別単元ジャンル演習講座」は、志望校への最短距離を進むためにぜひ受けておきたいものの1つです。解くべき問題にしっかりと取り組めるため、効率よく成績を伸ばせるでしょう。
また、上述の通り、慶應の受験対策ではどれだけ過去問を攻略できたかが物を言います。そこでおすすめしたいのが「過去問演習講座」です。この講座では、プロの採点・添削・解説授業付きで過去問演習が可能。慶應の10学部全てに対応しており、慶應志望者は必見です。
年に5回開催される、「早慶上理・難関国公立大模試」で力試しと自分の実力の確認をしていくのもおすすめです。成績表が、試験から中9日で返却されるスピードも魅力的。志望校までの距離を知り、その後の学習の指針として役立てましょう。
河合塾
日本有数の実績を誇る河合塾。慶應を始めとした難関私大にも強く、2021年度は3233人が慶應に合格しています(河合塾グループ関連法人の在籍者および講習受講生の集計、現役・浪人の両者含む)。
講座の充実度も申し分なく、「早慶大英語」「早慶大理工数学」といった慶應対策講座も用意されています。
また、小論文対策の講座も充実しています。「早慶・国公立大小論文」は、人文・教育系と社会科学系で講座が分かれているため、志望学部に近い対策が可能。さらに、夏期講習では「慶大文学部小論文」「慶大総合政策・環境情報学部小論文」など、学部ごとに対策できる徹底ぶりです。
なお河合塾は、慶應入試の最新情報や対策方法を発信するWebサイト「慶大塾」を運営しています。こちらもぜひチェックしておきましょう。
英語専門塾LogosIES(ロゴス・アイ・イー・エス)
慶應の入試では、全ての学部において英語がカギとなります。その難易度は私大トップレベル。そこで、英語専門塾に通って英語を集中的にカバーする方法もあります。
LogosIES(ロゴス・アイ・イー・エス)は、慶應のキャンパスにほど近い東京都・三田に校舎がある塾です。特にSFC(総合政策学部・環境情報学部)対策に力を入れており、「SFC英語対策特別コース」も設置されています。
また、英語専門塾という名前ですが、マンツーマンで小論文対策も可能です。