甲南大学合格の鍵はとにかく「基礎力」! 難易度や出題傾向、対策できる塾・予備校は?

甲南大学は兵庫県神戸市に本部を置く私立大学で、関西の準難関大学「産近甲龍」の1校に数えられます。文・理工・経済・法・経営といった一般的な学部のほか、知能情報・マネジメント創造・フロンティアサイエンスなど先進的な学部もあることが特徴です。また、2024年4月には、学部相当の新しい教育過程「グローバル教養学環 STAGE」が新設されます。

産近甲龍の中でも甲南大学は人気が高く、合格するためにはしっかりとした対策が必要です。この記事では、甲南大学の入試の基本情報から、出題傾向とその対策法、おすすめ塾・予備校まで解説します。ぜひ参考にしてください。

甲南大学の入試の仕組みや難易度は?

まずは甲南大学入試の基本情報を見ていきましょう。

甲南大学の入試の仕組みとは?

甲南大学の入試には、一般選抜と「共通テスト併用型」「共通テスト利用型」の大きく3つがあります。共通テスト併用型は、一般選抜の教科と共通テストの得点を足して合否が決まる方式です。共通テスト利用型では共通テストの得点のみで合否が決まります。

一般選抜には、前期・中期・後期日程があり、共通テスト併用型・共通テスト利用型は前期・後期に分かれています。どの試験も学部によって実施する方式・日程が異なるので、確認が必要です。特に2024年度新設の「グローバル教養学環 STAGE」は、一般選抜では前期日程・3教科型のみなのでご注意ください。

また、外部英語試験の点数が基準を満たしていれば、英語の試験の代わりとできる試験方式もあります。英検やTEAP、TOEFL iBTなどを活用できるので、自分の成績を確認してみましょう。

甲南大学の入試は関西地方を中心に、東京や名古屋、福岡など全国15カ所で行われます。遠隔地からでもぜひ挑戦してみてください。

さらに、甲南大学では総合型選抜やスポーツ推薦など、一般選抜以外にもさまざまな入試を行っています。総合型選抜で30人募集している学部もあるので、甲南大学が第一志望の人は要チェックです。

甲南大学の難易度はどれくらい?

大手予備校グループである東進のデータによると、甲南大学の偏差値は53~58で、標準レベルの難易度です。特に文学部は全ての学科で偏差値58を示しており、難関と言えます。

また、甲南大学が公表している2023年度の入試データを見ると、どの学部も2.0倍以上の倍率となっていました。特にマネジメント創造学部は5.0倍、知能情報学部は3.8倍、経済学部は3.4倍という人気ぶりです。

他校では、共通テスト併用型・利用型の方が高倍率になる傾向にあります。しかし、甲南大学は一般型の方が高倍率な学部も多いため、注意が必要です。逆に言えば、甲南大学の共通テスト併用型・利用型は他校と比べても倍率が低く、狙い目と言えます。

甲南大学の出題傾向とその対策法とは?

続いて、甲南大学の出題傾向と、それに合わせた対策法をお伝えします。

英語は過去問で出題パターンに慣れることが重要

英語は、比較的短めの長文読解が3題、会話文1題に加え、文系学部のみ自由英作文が出題されます。難易度は標準的で、難解な単語や内容はあまり出ません。しかし、それゆえに差が付きにくいので、ケアレスミスをしないことが重要です。

長文読解は同意語句、空所補充、内容把握からの出題がほとんど。出題形式がパターン化されているので、過去問で慣れておくことが重要です。

会話文問題は空所補充の選択式です。選択肢が10個もあるので、間違った組み合わせのものを消去法で消して確実に正解を選びましょう。

文系学部では、自由英作文になるべく時間を残したいところです。資料が提示され、その内容について書かせる問題が多くなっています。こちらも過去問や英作文を扱っている問題集で対策しましょう。

国語は長めの評論に慣れ、常識問題も取りこぼさない

国語は評論文・古文という2題構成です。レベルは標準的ですが、評論文は4000~5000字とやや長めになっています。

評論文の大問には、漢字や接続詞といった国語総合分野も含まれます。国語総合の配点は少なくないので、取りこぼさないように注意してください。

読解についても、論理的な思考力が身に付いていれば、しっかり点を取ることができます。また、段落ごとの内容把握だけでなく、全体の流れを把握することも重要です。実際と同じ4000~5000字程度の評論文を解き、思考力を鍛えましょう。

古文も基本的な単語や文法の出題が多く、基礎知識が身に付いていれば、高得点を狙えます。標準レベルの参考書や単語帳を使い、知識を仕上げましょう。

数学は融合問題あり。全分野の基礎を完璧に

甲南大学の数学は、文系数学と理系数学に分かれています。理系数学は数学Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・A・B(数列・ベクトル)からの出題です。全問記述式で、証明問題が出題される年もあります。全体的に標準レベルですが、応用レベルの問題が一部交ざっています。ここが差を付けるポイントとなるので、応用問題まで対策できるとよいでしょう。

頻出分野は、三角関数、数列、ベクトル、微分・積分など。融合問題も出されるため、全分野の基本を理解しておくことが重要です。また、証明問題は自分だけで対策しにくいので、予備校の講師などに添削してもらいましょう。

文系数学は数学Ⅰ・Ⅱ・A・B(数列・ベクトル)から出題され、空所補充式と記述式が交ざっています。難易度は基本レベルで、教科書の章末問題がしっかり解ければ問題ありません。

頻出分野は、図形と方程式、微分・積分などです。小問集合では幅広い分野から出題されるほか、理系数学同様に分野をまたいだ融合問題も多いため、全ての分野の基礎を身に付けておくことが重要です。

甲南大学の合格を目指せるおすすめ塾・予備校3選

ここでは、甲南大学を目指す人におすすめの塾・予備校を3つピックアップしました。ぜひ参考にしてください。

東進ハイスクール・東進衛星予備校

「日本一の現役合格実績」を掲げる大手予備校の東進ハイスクール・東進衛星予備校(以下、東進)。産近甲龍の合格者数も年々伸びており、2023年は612人が甲南大学に合格しています(現役生のみ、講習生含まず)。

東進の特徴は、映像授業を中心にさまざまな講座で偏差値を伸ばせることです。「志望校別単元ジャンル演習講座」では先輩たちの学習データとAIを活用し、しっかり学力が付く演習問題を出してくれます。

「過去問演習講座」では、10年分相当の共通テスト演習を行えます。本番に強い実戦力が鍛えられるため、甲南大学には対応していないものの、各科目のスペシャリストからの採点や添削指導を受けられるため、2次試験対策がしたい人にぴったりです。特に、共通テスト併用型・利用型で甲南大学を受けようと思っている人は、ぜひ活用しましょう。

また、東進は模試も充実しているため、定期的に受けることをおすすめします。年5回行われる「全国有名国公私大模試」にチャレンジしてみましょう。

マナビズム

マナビズムは、関西を中心に展開する難関私大専門塾で、兵庫県にも3校の校舎があります。具体的な人数は公表していませんが、甲南大学にも多数の合格者を出しています。

マナビズムの魅力は、私大専門塾ならではの手厚い対策です。早慶やGMARCH、関関同立をはじめ、難関・中堅私大の大学別講座を数多く開講しています。マナビズム独自の「リーズニングゼミ」という講座では、生徒が問題の解き方を講師に説明することで、知識を定着させていきます。

また、一人ひとりに専属のコンサルタントが付き、個別の勉強計画を立ててもらえることもマナビズムの特徴です。スタートが遅かったり部活が忙しかったりする人も、学習に追いつくことができます。

能開センター

能開センターは、幅広い教育事業を全国で展開するワオ・コーポレーションの予備校です。関西圏では大阪府の天王寺校・岸和田校で大学受験対策ができます。甲南大学の合格者数は公表されていませんが、関関同立に811人合格していることから、産近甲龍にも強い予備校と言えるでしょう(ワオ・コーポレーション全体の正会員の集計、テスト・講習のみの参加者は含まず)。

能開センターでは志望校に合わせてコースが設定されており、甲南大学志望の人には「有名大受験コース(Aコース)」がおすすめです。能開センターの専用教材を使い、オリジナルのカリキュラムで効率的に学習を進めます。「共通テスト8割獲得」を目標に基礎力を定着させることができ、甲南大学志望者にぴったりのコースとなっています。

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