関西大学の入試は全学日程だけ? 入試情報から対策、おすすめ塾・予備校まで紹介

関西大学は、関西の難関私立「関関同立」の1つ。13の学部を持ち、約2万8000人の学部生が在籍する総合大学です。その歴史は古く、前身である関西法律学校は明治時代の1886年に開学。その後1922年に大学に昇格し、2022年には昇格100周年を迎えました。

関西大学の学部は文理ともに充実しており、他大学にはあまりない分野も専攻できます。幅広い層の受験生から人気を集めているため、合格に向けて戦略的な学習計画が必要です。

この記事では、関西大学の入試の特徴や対策方法、おすすめの塾・予備校などを解説しました。役立つ情報を網羅しているので、関西大学に行きたい受験生はぜひ参考にしてください。

関西大学の入試制度や難易度は?

関西大学の入試制度はやや複雑です。ここでは概要をご紹介しますが、併せて入試ガイドのデジタルパンフレットなどをよく読んで理解を深めましょう。

関西大学の入試の仕組みとは?

関西大学の一般選抜には、「一般入試」と「共通テスト利用入試」があります。

一般入試は基本的に、学部ごとの日程がありません。一部の学部以外は、全学日程を受験することになります。全学日程は3日ずつ2回の計6日間あり、2023年度の入試スケジュールはこのようになっていました。

全学日程1学部独自日程(総合情報学部のみ)全学日程2
試験日2/1~2/32/42/5~2/7

法・文・経済・商・社会・政策創造・外国語・人間健康・総合情報・社会安全の10学部は、6日間全てで実施しています。しかし、試験日1日につき1学部しか出願できず、併願できるのも同じ学部内の学科だけです。

一方でシステム理工・環境都市工・化学生命工の3学部は3日間のみ(2023年度は2/2・5・7)実施されるので、他大学とのスケジュールをしっかり調整しましょう。こちらの3学部は、試験日1日に2学部まで併願できます。

全学日程の受験方式には「2教科型」と「3教科型」があります。2教科型は募集人数が少なく狭き門となるので、3教科型の受験がおすすめです。

共通テスト利用入試では、個別試験のあり・なしを選択できます。

  • 共通テスト利用入試(併用)
    一般入試と併願、個別試験あり
  • 共通テスト利用入試(前期・後期)
    共通テスト利用入試のみでの出願、個別試験なし

個別試験がある共通テスト利用入試(併用)では、ほとんどの学部で英語を受験します。一部、それ以外の教科を課す学部もあるので、よく確認しておきましょう。

さらに、関西大学の入試は全国の各都市から受験が可能です。後半の全学日程は札幌から鹿児島まで27都市で実施しているので、遠方の人もチャレンジしてみてください。また一般入試以外にも全学部でAO入試(総合型選抜)を実施している他、SF入試(スポーツ推薦選抜)など多様な入試方式が用意されています。

関西大学の偏差値・難易度はどれくらい?

大手予備校の東進のデータによると、関西大学の偏差は文系で57~65、理系で56~63程度です。関関同立の一校だけあって、やはり難易度は高め。文系は、同じ学部でも学科や入試方法ごとに差があります。一方で、理系は特に「システム理工」「総合情報」が難しい傾向です。

また入試倍率を見てみると3~5倍程度の学部が多く、全体的に人気であることが分かります。学部によっても差はありますが、共通テスト利用入試の倍率は意外と低く、2~3倍の学部も多くなっています。全学日程と併せて、共通テスト利用入試を受けてみても損はないでしょう。

関西大学の出題傾向と必要な対策とは?

関西大学の入試問題の傾向と、それに対応するための対策方法をご紹介します。

英語は長文全体の文意を把握できるかどうかがカギ

英語の解答は全てマーク式で、大問3問構成です。大問1は会話の空欄補充が中心となります。会話の前後の流れを汲み、接続詞や慣用表現に注意して選びましょう。大問2・3の長文読解は標準的なレベルですが、文章全体をしっかり読んで文意を把握する力が求められます。接続詞やキーワードとなる単語を見落とさないよう、集中して読みましょう。

ボリュームも800~1000語×2題と多めなので、90分の試験時間内に解ききるスピードが必要です。演習では必ず時間を計り、オーバーしてしまったときは対策を立てましょう。また大問1でケアレスミスをしないよう、接続詞や熟語も小まめに復習してください。

国語は傍線部がほぼゼロ!過去問で慣れておこう

国語は現代文と古文の大問2つのシンプルな問題構成です。全学日程1ではマークと記述の併用、全学日程2では全問マーク式となっています。関西大学の国語は現代文・古文ともに文中に傍線部がほとんどなく、キーワードや重要な部分を掴みにくい傾向があるため要注意です。珍しい出題形式なので、過去問演習をしっかり進めましょう。

現代文は論説文からの出題でやや難しい傾向です。選択肢も紛らわしい表現が多いので、気を抜かずに正確な解答を選んでください。一方、古文は標準レベルの難易度です。単語や文法といった基礎をしっかり固めておきましょう。

文系数学は途中式をしっかり書き、理系数学は苦手分野をなくそう

文系数学は試験時間60分で大問3問、理系数学は100分で大問4問構成です。文系数学は基礎力重視。記述問題も出され、途中式も採点対象となります。演習の際は、しっかりと書いて解答を導き出すことを意識しましょう。

理系も難易度は標準的ですが、数Ⅲを中心に幅広い分野から出題されます。教科書や問題集を活用し、苦手分野をなくしてください。また計算量も多いので、ケアレスミスをしないようトレーニングしておくのがおすすめです。

関西大学を目指すならここ!おすすめ塾・予備校3選

ここでは関西大学への合格力を付けられる、おすすめの塾・予備校を3校ご紹介します。

東進ハイスクール・東進衛星予備校

東進ハイスクール・東進衛星予備校(以下、東進)は東大現役合格者数日本一の記録を持つなど、年々実績を伸ばしている注目の予備校です。2022年度は、2752人を関西大学合格へ導きました(現役生のみ、講習生含まず)。

分かりやすい映像授業でおなじみの東進では、AIを活用して自分に最適な演習が無駄なくできる「志望校別単元ジャンル演習講座」など、さまざまな講座やサポートが受けられます。特におすすめは「過去問演習講座」です。2022年度現在は文系のみの対応ですが、全学日程の英語・数学・国語・社会を網羅的に対策できます。プロによる採点と解説授業が受けられるので、志望学部に当てはまる人はぜひ受けてみてください。

また、模試が充実していることも東進の特徴です。関関同立志望の人には「全国有名国公私大模試」などがおすすめです。

駿台予備学校

講師やテキストの質に定評がある駿台予備学校(以下、駿台)では、関西大学合格のために必須の基礎力をしっかり身につけられます。駿台は確かな合格実績もあり、2022年度は2216人が関西大学に合格しました(駿台グループ関連法人の在籍者および講習受講生の集計)。

駿台では志望校ごとに講座レベルが4段階で設定されており、関関同立なら「標準」がおすすめです。大学・学部別講座も充実しています。2022年度の冬期・直前講習(関西圏)では、英語・国語・社会の関西大学対策が開講されていました。

また、受験生のサポート体制が整っていることも駿台の特徴です。関西大学に合格した先輩の体験記には、「クラスリーダーが的確なアドバイスをくれた」という意見が目立ちます。クラスリーダーとはいわゆるチューターのようなもので、勉強の進め方や不安なことをいつでも相談できます。

研伸館高校生課程

関西大学を目指す人は、地の利がある地元の予備校もチェックしてみてください。研伸館高校生課程(以下、研伸館)は関西圏で8校のみ展開している、ローカルな予備校です。しかし2022年度は関西大学に407人も現役合格しており(講習生含まず)、大手予備校との校舎数の差を考えればかなり優秀と言えます。

高3のクラスは志望校ごとに分かれており、ピンポイントに関関同立対策ができます。周りの受験生も関関同立を目指す人ばかりなので、モチベーションも向上するでしょう。

また教室授業に加えて、映像授業、個別指導、自習中心などさまざまな受講スタイルが選べることも研伸館の魅力です。講師や進学アドバイザーに相談すれば、ぴったりの学習スタイルを一緒に考えてくれます。

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