総合型選抜がおすすめの大学は?低倍率・評定不要など狙い目の国公立・私立大を紹介!

大学入試の選抜方法の一つである総合型選抜(旧:AO入試)には「一般選抜では狙いにくい、レベルの高い大学や人気の大学の合格可能性が高まる」というメリットがあります。

狙い目の大学や学部を見つけ、総合型選抜をうまく活用すれば、難関大学や有名大学に入ることも夢ではありません。

この記事では、総合型選抜の概要や総合型選抜で入りやすいおすすめの大学、公募推薦で入りやすい国公立大学を紹介しています。ぜひ、志望校や志望学部を選ぶ際の参考にしてください。

そもそも総合型選抜(旧:AO入試)とは?

大学入試の選抜方法には、大きく「一般選抜」「学校推薦型選抜」「総合型選抜」の3つに分けられます。このうちの総合型選抜は、おもに「AO入試」という名称が使われていた選抜方法です。

総合型選抜ではペーパーテストの得点だけでなく、書類審査や小論文、面接、プレゼンテーションなどの結果を総合的に評価して、入学者を決定します。

これらの試験を課すことにより、各大学・学部の「アドミッションポリシー(入学者受け入れ方針)」にマッチする学生を見極めるのが目的です。

現在では、主要な大学のほとんどが総合型選抜を採用しているため、その大学で学びたいことがある方は、総合型選抜での受験も選択肢となるでしょう。

また、一般選抜と比べて、入試のスケジュールが早いことも総合型選抜の特徴です。総合型選抜についてさらに詳しくは、以下の各記事をご覧ください。

国公立・私立大学の総合型選抜の違い

総合型選抜の出願要件や選抜方法は、大学・学部によって異なります。ただし、国公立大学と私立大学では特徴におおまかな傾向があるため、ここで確認しておきましょう。

国立・公立大学の総合型選抜の特徴

国公立大学の総合型選抜では、大学入学共通テストを合否判定に利用する大学・学部が比較的多く見られます。

小論文や面接などで良い結果を出せても、大学入学共通テストの得点が低い場合には、合格できない可能性があるため注意しましょう。

また、私立大学と比べると、出願要件として一定の評定を求める大学が多い傾向です。難関大学の場合は、4.0以上の高い評定を求められることもあります。

私立大学の総合型選抜の特徴

私立大学の総合型選抜は、国公立大学に比べて大学・学部による違いが大きい傾向にあります。このバラエティの豊かさこそが、私立大学の総合型選抜の特徴といえるでしょう。

書類審査や小論文、面接のほか、グループディスカッションやプレゼンテーションが実施されるケースも見られます。また難関大学では、一次試験の書類審査が特に厳しく行われる傾向にあります。

総合型選抜で「おすすめ」といえる大学の特徴

ここでは、どのような大学・学部なら「総合型選抜がおすすめ」といえるのか、おもな基準を挙げて紹介します。

一般選抜よりも倍率が低い

難関大学は受験倍率が高い、というイメージを持つ方が多いのではないでしょうか。しかし、総合型選抜に注目すると、一般選抜より低い倍率であることが珍しくありません。

このことから、一般選抜と比べて競争率が低い大学・学部の総合型選抜は、狙い目といえます。

出願のハードルが低い

そもそも出願要件をクリアできなければ、総合型選抜を受けることはできません。

そのため、特定の資格を取得していることや、全国的なコンテストで入賞経験があることなど、極端に難しい出願要件がない大学・学部がおすすめです。大学・学部によっては、評定を不要とするケースもあります。

提出書類の難易度が低い

特定の大学・学部の提出書類の準備に時間がかかると、ほかの大学・学部の受験対策に費やせる時間が減ってしまいます。

もちろん、行きたい大学・学部が決まっている場合は、しっかりと準備に時間をかける必要があります。
しかし、いくつか候補がある場合などは、それぞれにどれくらいの時間を割くか、全体的なバランスを考えることが大切です。

総合型選抜がおすすめの大学一覧

ここでは、総合型選抜がおすすめの国立大学・私立大学を紹介します。評定がいらない大学も挙げているので、学校の成績に自信がない方もチェックしてみてください。

国立大学

はじめに、総合型選抜がおすすめの国立大学と学部を紹介します。

旧帝大の国立大学

「旧帝大」とは、東京大学、京都大学、東北大学、九州大学、北海道大学、大阪大学、名古屋大学の7つの国立大学群のことです。

これらの大学は国公立大学のなかでも最難関で、毎年高い人気を誇ります。しかし、旧帝大のような難関大学でも、総合型選抜であれば受かりやすくなる可能性があります。

旧帝大のうち、おすすめは東北大学と九州大学です。

  • 東北大学(AO入試Ⅱ期)

おすすめの学部:文学部、教育学部、法学部、理学部、医学部、歯学部、工学部、農学部

【おすすめポイント】
東北大学は比較的、総合型選抜に力を入れてきた国立大学です。2025年度の全学部の入学定員が合計で2,406人なのに対し、総合型選抜(AO入試Ⅱ期・Ⅲ期)の募集人員は671人と、全体の約4分の1以上を占めます。

多くの学部で総合型選抜に対応していることも、うれしいポイントです。AO入試Ⅱ期は大学入学共通テストを課さないので、特に狙い目といえるでしょう。

  • 九州大学(総合型選抜Ⅱ)

おすすめの学部:文学部、教育学部、法学部、経済学部、工学部

【おすすめポイント】
2024年度のデータによると、九州大学の「総合型選抜Ⅱ」の文学部・教育学部・法学部・経済学部は一般選抜より実質倍率が低く、狙い目といえます。旧帝大に入りたい方は、こうした総合型選抜の穴場をチェックしてみましょう。

学部名総合型選抜一般選抜
文学部1.6倍2.5倍
教育学部2.4倍2.8倍
法学部1.1倍2.3倍
経済学部2.1倍2.5倍
  • その他の国立大学

国立大学のなかには、独自の基準で選抜を行っている大学もあります。以下の大学・学部(学群)の募集要件に当てはまっている方は、受験してみる価値があるでしょう。

  • 筑波大学(国際科学オリンピック特別入試)

おすすめの学群:理工学群、情報学群

【特徴的な出願要件】
・理工学群

物理学類:国際物理オリンピックに日本代表として選抜された人、または物理チャレンジに参加して第1チャレンジ選考を通過し、第2チャレンジに出場した人

化学類:国際化学オリンピックに日本代表として選抜された人、または化学グランプリの1次選考を通過して2次選考に参加した人

・情報学群

情報科学類:日本情報オリンピック本戦でAランクとなった人、または情報処理推進機構が主催する未踏IT人材発掘・育成事業に採択されたテーマのクリエータ

情報メディア創成学類:日本情報オリンピック本戦でAランクとなった人

  • 千葉大学(総合型選抜(理数大好き学生選抜―方式Ⅰ、方式Ⅱ))

おすすめの学部:工学部 総合工学科(物質科学コース)

【特徴的な出願要件】
・理数大好き学生選抜―方式Ⅰ
理科に関する実験や調査活動などを通じて優れた自由研究を行った人、または審査制度のある自然科学並びに工学系のコンテストやコンクールなどで優れた成果を発表した人

・理数大好き学生選抜―方式Ⅱ
高校生を対象とした個人研究で、著名な国際科学コンクールの日本代表またはそれに準ずる成績をおさめた人

  • 広島大学(光り輝き入試総合型選抜Ⅰ型)

おすすめの学部:理学部 地球惑星システム学科(日本地学オリンピック利用型)、医学部 医学科

【特徴的な出願要件】

・医学部 医学科
次の①~⑦のいずれかを満たす人(入学後は、医師国家試験受験資格と博士号の両者を取得できるMD-PhDコースへの進学を確約)

① 科学研究に関する活動を積極的かつ継続的に行い、その成果や活動を示すことができる人
② 日本数学オリンピック予選合格者
③ 全国物理コンテスト(物理チャレンジ)第一チャレンジ合格者
④ 化学グランプリ一次選考合格者
⑤ 日本情報オリンピック二次予選合格者(第18回大会以前の場合は予選合格者)
⑥ 日本生物学オリンピック予選合格者(日本生物学オリンピック2020の場合は一次試験合格者)
⑦ 日本地学オリンピック二次予選合格者(第12回大会以前の場合は予選合格者)

私立大学

続いて、有名私立大学のなかで総合型選抜が狙い目の大学を、2024年度の実質倍率と併せて紹介します。

関東の私立大学

まずは、関東で総合型選抜がおすすめの私立大学と学部を見ていきましょう。

  • 早稲田大学

おすすめの学部:社会科学部(全国自己推薦入学試験)/実質倍率:5.7(一般選抜8.5) など

【おすすめポイント】
私立大学のなかでもトップクラスの偏差値・倍率を誇る早稲田大学は、総合型選抜も人気が高く、倍率が10倍を超えることもあります。

しかし、社会科学部の全国自己推薦入学試験は、一般選抜よりも実質倍率が低く狙い目です。出願資格としては、評定平均が4.0以上であることや、部活動・生徒会など学生生活での活躍、語学検定の成績や資格試験の合格などが求められます。

このほかにも、政治経済学部など一般選抜より倍率が低い学部がいくつかあるため、チェックしてみましょう。

  • 青山学院大学(自己推薦)

おすすめの学部:文学部 英米文学科/実質倍率:3.2(一般選抜2.6)
地球社会共生学部 地球社会共生学科/実質倍率:2.4(一般選抜3.6)

【おすすめポイント】
青山学院大学の文学部 英米文学科と地球社会共生学部の総合型選抜(自己推薦)は、同大学の自己推薦枠のなかでも合格者数が多く、倍率も低めの穴場といえます。

文学部 英米文学科では出願資格として、実用英語技能検定、TOEIC、TOEFL iBTなどで一定以上の成績をおさめる必要があります。しかし、評定に関する条件は設けられていないため、英語が特に得意な方にとっては一般選抜より合格確率が上がる可能性があるでしょう。

地球社会共生学部 地球社会共生学科では、英語資格試験の高得点者や海外留学経験など、指定されている分野のなかから自己アピールできるものがあることや、大学が指定する英語資格を取得していることなどが出願資格件として設定されています。

「青学に行きたい」と強く希望する場合は、これらの学部からチェックしてみるとよいでしょう。

  • 法政大学(自己推薦)

おすすめの学部:文学部 日本文学科/実質倍率:3.0(一般選抜A方式3.0)
文学部 地理学科/実質倍率:2.3(一般選抜A方式4.0) など

【おすすめポイント】
法政大学にも、倍率が一般選抜と同じか、それよりも低い総合型選抜(自己推薦)があります。

ただし、文学部 日本文学科に出願する場合は、調査書の「全体の学習成績の状況が3.8以上」でなければなりません。また、文学部 地理学科には調査書の「全体の学習成績の状況が4.0以上かつ、「地理探究」「地学」のいずれかの学習成績の状況が4.5以上」という厳しい出願要件があります。

地理や地学が得意な方や学校の成績に自信がある方は、合格のチャンスがつかめるかもしれません。

  • 慶應義塾大学(自主応募制による推薦入学者選考)

おすすめの学部:文学部/実質倍率:2.1(一般選抜3.6)

【おすすめポイント】
慶應義塾大学は難関・人気大学にもかかわらず、文学部の総合型選抜の実質倍率は3倍を切っています。

出願資格の一つとして、高校3年生の第1学期まで(2期制の場合は前期まで)における調査書全体の学習成績の状況が4.1以上であることが求められます。

ただし、それ以外に厳しい出願資格はないため、小論文や「与えられたテーマについての記述」に関する対策をすれば、挑戦しやすい大学・学部といえるでしょう。

  • 明治大学(アドミッションズ・オフィス(AO)入学試験)

おすすめの学部:理工学部 機械情報工学科/実質倍率3.8(一般選抜2.6)

【おすすめポイント】
明治大学 理工学部 機械情報工学科のアドミッションズ・オフィス(AO)入学試験では、募集人数が4人と限られています。2024年度の実質倍率は3.8でしたが、2023年度は1.8と低い年度もあるため、チェックしておきたい学部・学科です。

出願資格としては、高校3年の第1学期まで(2期制の場合は前期まで)の数学・理科・英語3教科における全履修科目の学習成績の状況が、3.8以上であることが挙げられています。

募集人数は少ないものの、出願資格により志願者が絞られる可能性があります。3教科の成績に自信のある方には、合格のチャンスがあるでしょう。

関西の私立大学

続いて、関西で総合型選抜がおすすめの私立大学と学部を紹介します。

  • 関西大学(アドミッション・オフィス入学試験(AO入試))

おすすめの学部:商学部/実質倍率:2.7(一般選抜4.2)
外国語学部/実質倍率:1.6(一般選抜4.1)

【おすすめポイント】
関西大学 商学部と外国語学部は、同大学のAO入試なかで特に実質倍率が低いため狙い目といえるでしょう。

ただし、商学部に出願するためには、高等学校もしくは中等教育学校において「全体の設定平均値が3.5以上」でなければなりません。それに加え、ビジネスプラン・コンペティションでの優れた実績、もしくは優れた資格(英語・簿記・情報処理など)の保有をアピールする必要があります。

外国語学部には、「中国語」「クロス留学」「英語教員」「日本語教育」「グローバルキャリア」の5つのプログラムがあります。評定平均値や英語の4技能試験の得点など、それぞれに必要な要件が定められているため、よく確認しておきましょう。

これらの要件をクリアできる自信がある方は、一般選抜よりもはるかに倍率が低いため、AO入試がおすすめです。

  • 同志社大学(アドミッションズオフィス方式による入学者選抜(AO入試))

おすすめの学部:商学部 商学科 フレックス複合コース/実質倍率:2.2(一般選抜 学部個別日程3.5)

【おすすめポイント】
同志社大学 商学部 商学科 フレックス複合コースの総合型選抜では、TEAPやTOEFL iBT(R)テストなどの英語検定で、一定以上の成績をおさめることが出願資格に含まれています。

第2次審査の内容は「小論文、面接(プレゼンテーション含む)」とシンプルなので、対策を立てやすいでしょう。

出願に評定がいらない国立・私立大学

国立・私立大学ともに、「評定平均○以上」の条件がない大学もあります。「総合型選抜を受けたいけれど評定平均があまり良くない」という方は、以下の大学をチェックしてみてください。ただし、基本的には調査書の提出を求められると考えておきましょう。

<国立大学(旧帝大)>
・北海道大学(医学部 医学科、歯学部を除く)
・大阪大学
・九州大学 など

<私立大学>
・慶應義塾大学 法学部(FIT入試 A方式)、総合政策学部・環境情報学部(アドミッションズ・オフィスによる自由応募入試)、看護医療学部(AO入試 A方式)
・中央大学 法学部(チャレンジ入学試験)、文学部(自己推薦入学試験)など
・立命館大学 文学部(AO選抜入学試験 国際方式)、経済学部(AO選抜入学試験 英語重視方式)、情報理工学部(AO選抜入学試験 ISSE方式) など

公募推薦で入りやすい国公立大学の一覧も併せてチェック!

ハイレベルな国公立大学に合格する可能性をより一層高めたいのであれば、総合型選抜だけでなく、公募推薦への挑戦も検討することをおすすめします。

ここでは、公募推薦について解説したうえで、関東・関西にある公募推薦で入りやすい国公立大学を紹介します。

公募推薦とは?総合型選抜との違い

公募推薦とは学校推薦型選抜の一種で、大学が提示した出願の条件を満たし、かつ学校長の推薦を得られれば誰でも受験可能です。

公募推薦には、大きく分けて「公募制一般選抜(一般推薦)」と「公募制特別推薦選抜」の2つがあります。

公募制一般選抜(一般推薦)は、一定以上の成績をおさめていることを出願の条件としている選抜方法です。

評定平均のみを問う大学や大学入学共通テストを課す大学、評定平均は問わずに大学入学共通テストのみを課す大学もあるため、よく確認しましょう。

公募制特別推薦選抜は、学業以外の活動実績があることを出願の条件としている選抜方法です。スポーツや芸術活動の成績、委員会や地域活動の取り組み、所持している資格などが評価されます。

公募推薦(学校推薦型選抜)と総合型選抜との大きな違いは、学校長の推薦が必要か否かという点です。

公募推薦に挑戦したい場合は、自信を持って推薦できる生徒として、学校長に認めてもらう必要があります。できる限り遅刻や欠席をせず、謹慎や停学などの処分を受けるような行為は慎みましょう。

公募推薦がおすすめの国公立大学

ここからは、公募推薦がおすすめの国公立大学を関東・関西に分けて確認していきましょう。

関東の国公立大学

関東にある国公立大学のなかでも公募推薦で入りやすい大学・学部を2校、2024年度の実質倍率と併せて紹介します。

  • 一橋大学

おすすめの学部:商学部/実質倍率:2.0(一般選抜3.3)
経済学部/実質倍率:1.5(一般選抜6.5)
社会学部/実質倍率:2.5(一般選抜3.2)

【おすすめポイント】
文系の学生にとって憧れの的である一橋大学に入学したいのであれば、公募推薦をチェックしない手はないでしょう。公募推薦では、すべての学部が一般選抜よりも低い実質倍率になっています。

商学部・経済学部・社会学部では、実用英語技能検定(英検)1級取得や日本数学オリンピックの予選通過など、指定の検定や大会で一定以上の成績をおさめていることが出願要件に含まれています。

また、大学入学共通テストで指定の教科・科目を受験することをおもな出願資格としてありますが、評定平均は問われません。語学関係の資格が豊富な方は、受験を検討してみてはいかがでしょうか。

  • 筑波大学

おすすめの学群:人文・文化学群/実質倍率:2.4(一般選抜4.2)
社会・国際学群/実質倍率:3.2(一般選抜3.6)
生命環境学群/実質倍率:2.7(一般選抜4.1)
情報学群/実質倍率:2.1(一般選抜3.4)
体育専門学群/実質倍率:1.7(一般選抜3.1)
芸術専門学群/実質倍率:3.8(一般選抜5.8)

【おすすめポイント】
筑波大学の公募推薦の実質倍率は、多くの学群で一般選抜を下回っているため、公募推薦を考えているならチェックしておきたい大学の一つといえるでしょう。

情報学群の知識情報・図書館学類では評定平均が4.0以上であること、体育専門学群では抜群の技能を有し、なおかつ大会などで一定の成績をおさめていることが、推薦要件として求められます。

それ以外の学群・学類では、調査書の学習成績概評がA段階に属することや、該当する分野への強い関心や能力、国際的な素養を持つことなどをおもな推薦要件として挙げています。

なお、人間学群 心理学類でのみ、大学入学共通テストの指定の教科・科目の受験が課される点に注意が必要です。

ほぼすべての学群で学習成績が優秀であることが求められますが、一般選抜よりも実質倍率の低い学群が多いため、学習成績に自信がある方は挑戦してみるとよいでしょう。

関西の国公立大学

関西にある国公立大学のうち、公募推薦で入りやすい大学・学部は以下の3校です。また、それぞれの実質倍率は2024年度入試のものです。

  • 神戸大学

おすすめの学部:国際人間科学部 グローバル文化学科/実質倍率:1.7(一般選抜2.7)

【おすすめポイント】
神戸大学の国際人間科学部 グローバル文化学科は、公募推薦による選抜を実施している学部のなかで実質倍率が一般選抜よりも低いため、狙い目といえます。

おもな出願要件は、調査書の全体における学習成績の状況が4.0以上であること、TOEFL iBTで65以上またはIELTS6.0以上のスコアを持つこと、大学入学共通テストで指定の教科・科目を受験することです。条件は厳しめですが、英語に自信がある方は挑戦する価値があるでしょう。

  • 奈良女子大学

おすすめの学部:文学部 人間科学科(子ども教育専修プログラム)/実質倍率:1.4(一般選抜2.6)

【おすすめポイント】
公募推薦で奈良女子大学への入学を目指すのであれば、文学部 人間科学科(子ども教育専修プログラム)の受験をおすすめします。

おもな推薦要件は、大学入学共通テストの指定の教科・科目を受験することで、評定平均は問われません。大学入学共通テストで十分な得点を取ることができれば、合格の可能性が高まるでしょう。

  • 大阪公立大学

おすすめの学部:理学部/実質倍率:3.4(一般選抜3.5)
工学部/実質倍率:3.1(一般選抜4.8)

【おすすめポイント】
大阪公立大学の公募推薦では、理学部と工学部の実質倍率が低めです。理学部では評定平均は問われず、大学入学共通テストの指定の教科・科目を受験することがおもな出願資格・要件となっています。

工学部の機械工学科・電子物理工学科・マテリアル工学科・化学バイオ工学科では、調査書全体の学習成績の状況が4.0以上であることが、出願資格・要件に含まれています。さらに、指定科目の履修が求められるうえに、大学入学共通テストで指定の教科・科目も受験しなければなりません。

工学部の応用化学科では、調査書全体の学習成績の状況が4.0以上であることに加え、「数学および理科」または「理数」の学習成績の状況が4.2以上であり、指定の科目を履修していることが求められます。

自身の得手不得手を分析して相性の良い学部・学科を選ぶことで、合格の可能性を高められるでしょう。

総合型選抜を受験する際に注意したいポイント

最後に、総合型選抜を受験する際の注意点について解説します。

準備や対策は早めに始める

総合型選抜の出願時期は一般選抜よりも早いため、準備や対策もできる限り早く始めることが大切です。

ギリギリで始めようとすると準備や対策が間に合わないだけでなく、一般選抜の準備と同時進行で進めることになり、一般選抜に悪影響が出るおそれがあります。

「高校3年生になってから勉強を始めても間に合わない」というわけではありませんが、高校1・2年生の段階から長期的な計画を立てて勉強を進められるとよいでしょう。

総合型選抜の準備や対策については、以下の記事も参考にしてください。

「受かりやすさ」だけで選ばない

先述のとおり、総合型選抜は一般選抜よりも実質倍率が低いケースがあります。
しかし、受かりやすさだけで大学・学部を選ぶと、大学生活が始まってから後悔することになるためおすすめできません。

学びたいことや将来のビジョンを明確にし、各大学のアドミッションポリシーとも照らし合わせて志望大学・学部を決めましょう。

まとめ

現在では、国立・私立を問わず、多くの大学が総合型選抜を採用しています。実質倍率のほか、出願のハードルや提出書類の難易度に注目すると、狙い目の大学・学部を見つけやすいでしょう。

総合型選抜をうまく活用すれば、一般選抜では難度が高いと諦めかけていた大学に入ることも可能です。早めの準備や対策を心がけて、志望校への合格を目指しましょう